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新しいスタンダードを創る!デジリハと共同研究を行う理由を楠本先生にインタビュー

福島県立医科大学で教鞭を執りつつ、日本小児理学療法学会理事もされている楠本泰士先生。なんと現在、デジリハとの共同研究に取り組んでいただいています。多方面で活躍される中、なぜデジリハなのか?その裏にあるビジョンや想いについて伺いました!

幅広い活動に取り組まれる理由はなんですか?

理学療法士として勤務を始めたとき、「1日で介入できる患者さんの数は決まっている」ということに気づいたんです。つまり、どんなに頑張っても一生で笑顔に出来る人の数は限られている。それを最大化させていくためには、臨床活動の他に研究や発信など、幅広い分野での取り組みが必要なんだと思ったのがきっかけです。現在大学で教員として勤務しているのもそう。企業と協働することもありますし、学会理事をしたり、面白いと思う活動と王道の活動をどちらも精力的に取り組んでいく姿を未来の理学療法士である学生達に見せたいと思っています。それが、”新しいスタンダード”に繋がったらいいなという気持ちです。

デジタルツールにかける期待

小児のリハビリって昔からテクニック重視という歴史があったと思うんです。一方で時代の変遷に伴って研究も進み、「誰でも一定の効果が出せる方法」が段々と整理されてきているのではないでしょうか。さらに最近では、放課後等デイサービスが普及してきたため、保育士さんや児童発達支援相談員さん、保護者の方々など、様々なバックグラウンドをもつ方々が障害をもつ子ども達に関わることも一般的になってきましたよね。そのような背景から、医療者だけがノウハウをもっていても子ども達に良い介入をすることは難しいと感じています。そこで、誰が使っても同様の反応をする「一定の再現性をもったデジタルツール」が活きるはず、というのが最大の期待です。
加えて生活の場では「楽しい」という要素が必要不可欠。デジタルツールは子ども達の関心を引くエフェクトが盛り込まれているので、子ども達がウキウキしながらプレイするのが良いなと思っています。そのような経験を通して、障害をもつ子ども達の経験の幅も拡げられると考えています。デジタルツールをプレイすることで、自己肯定感が高まったり外に出る頻度が増えるのではないかなと思うんですよね。ICFでいう機能障害のレベルが改善するのももちろんですが、活動・参加レベルにも影響を与えるための選択肢の1つに出来たらいいなと感じます。

デジリハに対する印象は?

初めて知ったときは純粋に面白いなと思いました。これからどこまで拡がるかは未知だなと思っていたのですが、2021年の小児理学療法学会で仲村さん(株式会社デジリハ ゼネラルマネージャー)の発表を見て「おっ!」と思いました。たまたまその学会で事務局としてデジリハメンバーさんとやりとりをすることもあったし、仲村さんとも昔お会いしたことがあったので、人と人との繋がりも感じましたね。
デジリハのサービス自体は「競合がいない」ものです。最近VR等のテクノロジーを活用したツールは増えてきていますが、対象者がデジリハとは違いますね。また自身でおもちゃを改造したりされる方もいますが、一般的にはそういったノウハウをお持ちの方は少ない。多くの方に使える工夫がなされているデジリハは、対象をしっかり評価し選定することによって、非常に幅広い応用が利くサービスであると思っています。

現在の共同研究の内容について教えてください

デジリハのプレイデータから得られる評価の妥当性について研究をしています。既存の評価指標とデジリハをプレイすることで得られる指標にどういった関係があるのか解明することで、特別な知識がなくてもデジリハ上の数値で子ども達の変化や改善度が測れるようになると期待しています。現在は幅広い年齢、大学生などに協力をしてもらい、データを集めている段階です。平行して実際に困り感を持っているいわゆるグレーゾーンの子ども達に継続してデジリハを使っていただき、どのような変化が起きるかも追っているところです。

今後のビジョンは?

デジリハで得られるデータを活用して、視覚化することによって、セラピストは子ども達のホームエクササイズにそれを活かしていけるようになると思います。極論でいうと、外来リハビリに来た時にセラピストが子ども達に1タッチもしないで帰る、くらいの世界を目指したいですね。リハビリの機器や装置って施設によって様々だと思うので、デジリハが一般的なツールの1つとして色々な事業所にデン!!と設置されているようになったらいいなと思います。





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