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注目度上昇中!リハビリに活かすゲーミフィケーション。その最新動向とは

ゲーム的要素を取り入れることで、自然と「動きたくなる」「続けたくなる」というモチベーションを生み出す”ゲーミフィケーション”。近年は様々な社会課題の解決のために活用されています。
そんなゲーミフィケーション、近年では国際的にリハビリの領域でも活用が進んでいます。この度、「リハビリテーションにおけるゲーミフィケーションの国際最新動向」をテーマに、福島県立医科大学 楠本先生よりご講演をいただきました!今回は、ご講演いただいた内容を、実際ご紹介いただいた論文も含めてご紹介していきます。

本講演におけるポイントは
①ゲーミフィケーションを活用した介入レビューまとめ
②機能だけでない、自己効力感へのアプローチ
③誰でも出来るを目指したゲーミフィケーションの活用ー再現性の確保
の3点です。

楠本先生のご講演の様子

ゲーミフィケーションを活用した介入レビューまとめ

現在、論文無料検索サイトであるPubMedでは、ゲーミフィケーションを様々な領域に活用した介入のレビューが200件ほど存在しています。まだまだ発展途上の領域であるものの、国際的に注目が集まっている分野であることが伺えます。
特に教育分野での実証・研究が盛んで、コロナ禍のオンライン学習におけるモチベーション向上に寄与するという報告が上がっています。

一方で、医療分野においては患者教育や運動量の向上といった生活習慣の改善に活用され、効果を上げている事例が報告されています(1, 2, 3)。

小児リハビリ分野におけるゲーミフィケーション活用

小児分野においては、特に年少であるほど成人と比較し効果が出づらいという傾向はあるものの、介入手法として一定の効果が期待できることが報告されています。
脳性麻痺のお子さんを対象とした介入のレビューでは、筋力やバランスなどの機能的効果に加え、モチベーション向上や運動継続率の上昇がみられたと報告されています。ちなみにレビューでは多くがWii Fitを活用した介入を行っています。懐かしいですね…!

自己効力感とゲーミフィケーション

発達性協調性運動障害(DCD)のお子さんにゲームを使った介入を行った事例などで、自己効力感(self-efficacy)の向上が報告されています。
アメリカ心理学協会によれば、自己効力感とは特定のパフォーマンスに対する自分自身のモチベーションや行動をコントロールする自信を指し、目標到達の可能性に大きく影響するとされています。

「自分で出来た!」という経験は、特に障害のある子ども達にとって非常に大きな意味を持ちます。デジリハでは、多様な障害を持つ子ども達それぞれが「出来た!」の瞬間を迎えられるよう、カスタマイズ機能や複数のセンサーを取り入れています。

ゲーミフィケーションと再現性

楠本先生によれば、ゲームを活用するリハビリの大きな利点の一つはその再現性にあるとのこと。リハビリの効果や継続性を高めるためには、リハビリセラピストが行う介入以外にも、自宅やデイサービスなどで日常的に介入を実施していく必要があります。
ゲーム機器などを活用することにより、専門的な知識が異なる支援職やご家族でも”直感的にわかりやすく”利用でき、介入の再現性を高めることが期待できます。

リハビリの目的を達成するために、どのようなゲームを課題としてピックアップし、どのように利用してもらう必要があるのか?その評価と選定が、支援職に求められる能力ではないかと楠本先生は語ります。

デジリハでは、今後もデジタル機器やゲーミフィケーションをリハビリ領域にて活用していくためのコツや情報を随時配信していきます!
スペシャルニーズをもつ子ども達、そして大人の「リハビリ」を「アソビ」にするために。一歩先の支援を一緒につくっていきましょう!


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