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新世界の秩序はどうなった?

CNNは2023年09月05日に、スティーブン・コリンソン(Stephen Collinson)、ケイトリン・フー(Caitlin Hu)、シェルビー・ローズ(Shelby Rose)による「新世界の秩序はどうなった?(What happened to the new world order?)」を公開した。

2009年にロンドンで開催されたG20サミット(G20 summit in London in 2009,)で、イギリスのゴードン・ブラウン首相(Britain's then-Prime Minister Gordon Brown/当時)は、富裕国と発展途上国が一体となってグローバリゼーションの不公平と行き過ぎを是正する「新しい世界秩序(new world order)」を宣言した。

世界的な金融危機のさなか、ブラウンは「国際協力の新しい進歩的な時代(new progressive era of international co-operation)」を宣言した。それから14年後、今週末にインドで開催されるG20サミットでは、西欧のルールに基づく世界秩序(Western rules-based system)への期待がいかに分裂したのか、世界が民主主義陣営(the world's division into democratic)と独裁主義陣営(autocratic camps)に分裂したのか、そして多くの国家で国内のポピュリズム(internal populism)と保護主義(protectionism)が自由貿易の推進を侵食しているのかが反映されるだろう。

気候変動との戦いの経済的な代償と政治的な複雑さが明らかになるにつれ、炭素経済を改革するという勇敢な言葉も抵抗に直面している。

世界の新たな超大国、中国の最高国家主席習近平(习近平/President Xi Jinping)は、ロシアの次は中国を狙って西側諸国の思惑を避けるため、G20サミットに姿を見せようともしないだろう。

G20のメンバーであるロシアは、ウクライナ戦争で西側諸国から亡国の烙印を一方的に押されており、プーチン大統領は国際手配で戦争犯罪で逮捕されるかもしれないため、渡航のリスクを冒すことはできない。

さらに、G20に匹敵しかねな新しいBRICSの組織が生まれ始めている。

アメリカの独裁主義こそが、最も危険と感じていることだろう。

ロシアとおそらく中国を潰そうとするG20グーループのことをことを考えれば、G20の会合でウクライナ戦争に関するコンセンサスが得られることは、ほぼ不可能である。

サミットの最大のリスクは、このグループが架け橋となるために設立された西側諸国と発展途上国の間の対立を、実際に高めてしまう可能性もある。

G20に参加する西側民主主義国と発展途上国の間に新たな不信感が生まれる可能性さえある。

米国のマスメディアCNNは習近平の不参加は、煮えたぎる国境紛争や東太平洋の大国インドとの地政学的な対立の高まりに対する抗議かもしれないと言うが、BRICS日拡大で、それは間違っていると言える。

中国の不動産市場の危機に対する経済内部の懸念が動機になっている可能性さえあると言うが、それは国内問題である習近平は先月ヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議に出席する時間を見つけた。

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを含むBRICSは、サウジアラビア、イラン、エチオピア、エジプト、アルゼンチン、アラブ首長国連邦を新たにメンバーに迎えた。

この動きは、中国が米国とその同盟国に対抗する独自の世界秩序を構築するための新たな一歩であると広く解釈された。

そう考えると、中国がG20を欠席したことは、まったく新しい意味を持つことになる。

ジョー・バイデン米国大統領(US President Joe Biden)は週末、急落する関係を減速させるために米国の外交・通商当局者が相次いで北京を訪問した後、習近平に会えないことを残念に思うと述べた。

習近平にしたら、バイデン米国大統領と西側諸国が画策し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(Russian President Vladimir Putin)を落とし込めた策略は、いつ中国に向けられるか分からないのである。

すでに、台湾に対する中国という画策が動いている。

バイデンは、11月にサンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力フォーラム・サミット(Asia Pacific Economic Cooperation forum summit in San Francisco in November)で、習近平との2国間会談を設定できるかもしれない。しかし、北京がワシントンによる危機的な関係の緩和に熱心かどうかはまだわからないし、バイデンの思惑が狂うと何をするか分からないというこれまでの経緯もある。

習近平の不在は、バイデンが6月にホワイトハウスで華やかな晩餐会を開いたインドのナレンドラ・モディ首相との関係を推し進めるきっかけになるかもしれない。

インドのナレンドラ・モディ首相にとって、有利な関係である。

米国は、台頭する中国のパワーに対抗するため、太平洋の同盟国を巻き込んだ安全保障上の取り決めや政治的なグループにインドを近づけたいと考えている。しかし、歴史的な非同盟の地位が、両方の陣営に足を踏み入れようとする姿勢へと発展しているため、インドはそこまでしか行かないだろう。

ニューデリーは、ロシアのウクライナ侵攻を強硬に非難しなかったことで西側諸国を失望させ、米国の同盟国によるボイコットで安価なロシア産原油から利益を得ている。

この考え方は、典型的なアメリカのマスメディア志向であり、フランスや日本のマスメディアは、そう理解していない。

米国でマスメディアが政府を支援する記事は、大統領選で巨額が舞い込むことになるという事実もある。

だから、時々米国のマスメディア記事は眉唾である。

新興国でありながら発展途上国とみなされるインドは、BRICSとG20の主要メンバーである。

米国のマスメディア記事をどう読むかは、非常に重要である。

今回もCNNの記事を鵜呑みにできなかった。

2023年08月29日---雨が降ると、桶屋が儲かる。中国が日本水産輸入禁止で、越産大喜び。
2023年08月28日---世界経済の分断がもたらす高いコスト。
2023年08月25日---ウクライナ戦争が続けば、 バイデン大統領支持率が高いという危険な結果。
2023年08月25日---米国やEU、イギリス、NATO、日本がいない巨大組織誕生。
2023年08月24日---BRICSに、6カ国が新規参加。
2023年08月23日---インドの探査機。世界で初めて月の南極付近に着陸。
2023年06月19日---France24は、モディ首相の米国訪問で、最高のニュースとして日経新聞英語版を採用
2023年03月23日---ジンバブエの銀行強盗事件とことわざ。
2022年09月21日---アフリカの急速な経済成長は、所得格差を完全に解消していない。
2022年07月07日---サファリコム・エチオピア、サービス開始の準備中。
2022年03月07日---ロシアによるウクライナ侵攻で、バイデンが仕掛けたアメリカだけが儲かる戦争ビジネス。

https://edition.cnn.com/2023/09/04/world/g20-meanwhile-sept-3-intl/index.html
https://edition.cnn.com/2023/09/04/china/china-sends-premier-li-qiang-g20-intl-hnk/index.html

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