ライフ・イズ・ビューティフル
監督:ロベルト・ベニーニ/1998年/イタリア
あらすじ
本屋を開業しにイタリアのとある街にやってきたユダヤ系イタリア人のグイドは貴族のドーラに一目惚れ!常識をぶち破る喜劇っぷりで、自分をアピールしていくうちに結婚、子供、本屋まで手にし幸せな生活をおくっていた。しかしファシズム運動によりグイドと息子ジョズエは強制収容所へ連行されてしまう。
すご腕の営業マン!グイド!
サラリーマン金太郎みたいな響きですが、気合や男気の部分では似たものがあるかもしれません。いつなんどきもユーモアを忘れず、どんなピンチでも空気を自分のものへと変えてしまう。多くの困難や壁をまるでアスレチックの障害物のように軽々と通り抜けて、愛しきドーラの元へと向かっていく姿は営業マンの心を熱くすること間違えない!!
グイドの喜劇的戦略によりドーラは「こいつヤベー!だけど何か気になる...」といった感じでどんどんグイドマインドに吸い寄せられていく!!
しかし、ドーラには恋人のロドルフォがいる。不動産屋のお偉いさんだ。この設定が本当にうまい!!
グイドは本屋を開業する為に不動産屋に行くのだが、田舎の貧乏人を相手にしてられるかと、ロドルフォはグイドをあしらう。プー太郎のグイドは高級レストランのウェイターとしてバイトさせてもらえることになり、持ち前のユニークさで客に気に入られていた。
ある時、そのレストランでドーラとロドルフォの婚約パーティが開催。
さすがのグイドも動揺を隠せず、ジャッキーチェンばりのズッコケ方をするてんてこ舞いな仕事っぷり。
だが、ドーラの心はすでにジャッキーチェン...じゃなくてグイドの方向を向いていた。その日、グイドとドーラは美しいシチュエーションと共にキスを交わし、白馬に乗ってドーラを攫っていく!
白馬には「ユダヤの馬」と落書きされていた...
グイドとドーラはめでたく結婚!かわいい子供ジョズエにも恵まれ、夢だった本屋を開業!超勝ち組へと上り詰めたのだった!
未来予想なんてクソくらえ
ロドルフォにとってグイドの幸せほど憎たらしいものはないだろう。
劇中の時代はファシズム運動によるユダヤ人差別の嵐が巻き起こっていた。グイドはそんなことお構いなしと持ち前のユニークさを忘れず、モチベーションを保っていた。しかしルドルフォはグイドがユダヤ系であることを役所に言いつける。そして強制収容所への連行が決行されてしまうのだ。
ドーラはユダヤ系ではない為、連行はされなかったが、離れ離れになるぐらいだったらと自ら強制収容所の汽車に乗り込んでしまう。
「ユダヤの馬」と落書きされた白馬に乗った時のように...
グイドの人生は180度変わり最悪の状況に立たされた。
しかし、しかし!天才喜劇男グイドは絶望を感じるどころか、ジョズエの笑顔を絶やさないことにフルコミットしたのだ!!超人レベルの精神力でジョズエとドーラと生き抜く道を模索する。アベンジャーズからオファーが来てもおかしくないだろう....超人なだけに...
グイドはジョズエにゲームが始まったと告げる。
「収容所に集められたみんなはチームだ!千点獲得したらチャンピョンだ!!」
嘘八百グイドパパ!は収容所にいながらも隠れん坊と称して人に見つからないように促したり、喋ったら減点と言ってドイツの子供達と無言で遊ばせるなど限られた環境で必死にジョズエを楽しませていた。
ある日、グイドは毒ガスによる大量の死体の山を目撃する。ドーラが心配になりジョズエに「次の日までこの中に隠れてたら千点獲得だ!優勝だ!」そう言い残して、ドーラを救出に向かうグイドであった。
グイドはドイツ兵に見つかってしまい....
ジョズエは約束を守り、一晩箱の中に隠れ生き延びたのだ。
朝になり、アメリカ兵が救出に来て無事にドーラとジョズエは再開!
グイドは二人を守りきったのであった。
未来なんか誰も予想できない。ウイルスだったり、経済破綻だったり、戦争だったり、みじかな事でも一生懸命やってる事が将来なんの役にも立たないことだってあるだろう。でも視点を変えたらきっと道はできる。グイドの様にどんな状況に立たされてもユニークさを忘れずフラフラしながらも一歩一歩前に進む人生は現代社会を生き抜く為に必要な思考なんだと思う。