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うつ病入院生活 35日目

【21:00 消灯】

別棟の患者さんが暴れているのか
壁を叩く音が大きく響いている。

なぜか和太鼓みたいに
クレッシェンドとデクレッシェンドを繰り返したり
3・3・7拍子のリズムを取ったりしている。

心配の気持ちとおもろい気持ちが入り混じる。

それを聞きながら22時くらいに寝る。

【5:30 一旦目覚める】

うわ〜。
めちゃくちゃ良く寝てる〜。
うれしいよ〜。

しかも夢も見てない。
最高だ。

でも早すぎる。
もう一度寝る。

【7:30 起床】

推しがフロアにいることが分かっているため
早めに身支度を済ませる。

お気に入りのTシャツにそれと合う
パンツと靴下を選ぶ。

顔も洗って、日焼け止めまで塗って。
よし、準備完了。

【8:00 朝食】

きょうは豆腐とチンゲンサイのみそ汁。
豆腐に味染み染みでうまうま〜。

ただちょっと塩分が濃いめだったので、
早々にご飯にかけて食べる。

【8:20 身支度②】

歯磨きをする。

髪にヘアオイルを塗る。
このおかげでバキバキバサバサの私の髪の毛に
少しだけ潤いがもたらされる。

【8:30 清掃】

髪を拾う。

拾っていたら床の汚れが気になってきた。
試しに濡らしたティッシュで拭いてみると
なんと簡単に取れてしまった。

というわけでちょっと頑張って拭き掃除スタート。
持参のウェットティッシュを使って拭きまくる。

完璧だ。
これでいつ推しが検温に来ても恥ずかしくない。

【8:50 新聞を読む】

おっと!!ここで推しが検温に来てしまったー!
共有フロアにみんなが集まっているうちに
済ませたほうが楽だということなのかー!!
(部屋の掃除は自分のためだと言い聞かせる)

しかし、そもそも複数いる看護師さんの中で
推しが私の担当だったということ自体ラッキーなのだ。
よかったね私。

そして推しは去り際に
「グループセラピーよろしくお願いします」と
目を見て言ってくれた。

アイドルに「CD買ってね♡」と言われた気分だった。

はい。行きます。もちろんです。
火の中水の中行きます。

ちなみにグループセラピーでの推しの役割は書記。

そんなこんなで新聞の内容はあまり頭に入ってない。

【9:50 グループセラピー】

前回の診察を踏まえて席に座る。

(↓事前情報としてこの記事を読んでほしい↓)

自分はただのゲストでいい、
という気持ちでそこに座るととても穏やかに過ごせた。

苦手だった人の話もスッと入ってきた。
みんなもその人と会話するように発言していた。

なーんだ、これでいいんだ。

私も発言した。
いつもは頭を整理させてから話すけど
今回はとっ散らかったまま話し始めた。

薬の量や種類が変わってショックを受けたこと。
元の自分に戻ってきているようで
そうではないのかもという不安に駆られたこと。
母に眠れないとか、落ち込むなんて病気じゃなくても
よくあることだって言われてしまうこと。
同じ病気の人の本や記事を読んでいると
自分より長期にわたって悩んだ挙句休職していて、
短期間で休職に至った私は甘えているんじゃないか
ということ。
それもあって心の後ろ盾になるように
入院を選択したこと。

でも入院して実際に良くなっているし、
薬を変えて眠れたり調子がよくたなっているから
今の自分に必要な治療なんだと思うから
先生や看護師さんのことを信じようと考えていること。

改めて書いてみてもやっぱり散らかってるな。
恥ずかしいけど、
こういうのを気にしないようにするのも訓練だ。

【10:40 作業療法】

スクラッチアート。
仕上げを超えてもうやらなくていい部分まで
削り始めた。

ナンプレ。
頭使うし、時間も経つし丁度いい。

【12:00 昼食】

なんと出てきたのは鰻!
きょう土曜丑の日かな?と思ったら明日だ。
なんでだ?

でもふわふわしてタレも美味しかった。

食べ終わって、いつもは返却台があるけど
今日はもうすでに回収されていたので詰所へ。

すると受け取ってくれたのは推しではないか!!!

食べた量を伝えると、業務に戻ろうとした推し。

ちょっと待ってくれ…

寝ぐせ!!!

寝ぐせがついている!!!
もう昼なのに!!!
てっぺんのところ!!!
ぴよん♪♪って!!!
なんで!?!?

ひよこちゃんなの!?
あんたはひよこちゃんなのか!?!?!?

そんなことして私をどうする気だ!!!
勝負か?勝負だな!!
あー受けて立とうじゃないか!!!!


…バタッ(萌死)

あー尊い。
私の入院生活に潤いをありがとう、推し。

【12:30 うだうだ】

携帯触ってうだうだ。
なんかここ数日本を読む気にはならないな。

【15:00 単独外出】

きょうはいろんな支払いを済ませる。

私のメイン口座のATMが近くにないのは痛手だが、
どうにか手数料がかからず効率よく済ませたいところ。

まず病院最寄りのATMでお金を下ろす。

そしてコンビニまで歩いて
一つ目の振り込みを終わらせる。

もう一つの振り込みを…あれ?

キャッシュカード忘れた。

はい、終わりでーーーーす!!!
(かっつー好きな人いますか)

しかもこれ初めてじゃない。
何回目?3回目かな?
さすがにショックだ。。

面倒だし結構期限ギリギリだし。

月曜に絶対行かないと。とほほ。

【16:30 集団散歩】

今日も今日とてウマウマなでなで。
なんか匂いを覚え出してくれたのか?
というくらいすんなりと撫でさせてくれる。

おい、可愛すぎるだろ。
人参なんてあげないんだから!(本当)

20歳の女の子がいつもかけていないのに
メガネをかけていた。

「いつもコンタクトなの?」と聞くと

『いや、メガネも没収だったんです』と。

メガネもだめなんだ。
なかなか普通には考えられない基準が
精神科にはあるんだな。

【18:00 夕食】

鶏肉の塩味が濃いめでご飯が進んだ。
フルーツに入っていた寒天とゼリーの間みたいなものが
美味しかった。

【18:30 入浴】

きょうはちゃちゃっと済ませて終わり〜

まだ詰所にたくさん人がいる。
看護師さんは大変だ。

【19:00 うだうだ】

日記を書く。
姉とLINEする。
うだうだする。

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私の旧姓は
苗字ランキングトップ20に入るくらいありきたりだ。
下の名前もそのままの読みなので
名前を間違えられた経験は無いに等しかった。

ただ結婚して聞いたこともないような
珍しい名前になった。

会社では旧姓で働いていたから
入院して初めて新姓で呼ばれている。

すると驚くほど間違えられたり、覚えてもらえない。
最初は、覚えにくいですよね〜で済ませていたけど、
間違われる回数が増えるほど心に大きなトゲが刺さる
ということが初めて分かった。

どんなに優しく接してくれた人でも
名前を一度間違えられただけで信頼度がグッと下がる。

「1ヶ月入院したんだから
覚えてくれたっていいじゃない。
100歩譲って覚えてくれなくていいから
分からないなら名前で呼ばないで」
と、一度は先生に共有してもらおうとも思ったくらい。

でもきょうある看護師さんが、別の看護師さんに対して
すごくはっきりと間違えた名前を呼んでいた。

『A君!A君!!
A君が来てくれるんかな??

あ、間違えた!B君やった!!
すまんすまん。

で、来てくれるんかな、A君?』

新喜劇かよ。
見事なまでに間違ってるよ。

そう考えると明らかに
私より長く時間を共に過ごしている人同士でも
名前を間違えられるんだから
私が間違えられるのだって仕方ないよね〜
ましてや深い意味なんてないんだよね〜と、思った。

というなんとも自己満足の話。

それにしてもきょうは
推しのサービス精神が旺盛だったな。
(勝手にエサ拾ってるだけ)

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