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【読書】家からみる江戸大名 -徳川将軍家 総論編-

江戸時代の社会構造を語るときによく言及される「家(イエ)」の形成という概念。やっぱり興味深いね。

この「家(イエ)」という概念に注目した書籍、「家からみる江戸大名 -徳川将軍家 総論編-」(野口朋隆 著:吉川弘文館)を読んだ。

本書は、江戸幕府を開いた徳川家を中心として、その周囲にいる親戚や家臣団の変化に注目した書籍だ。主に3代将軍 徳川家光から4代将軍 徳川家綱までに注目して書かれている。

この時期は、徳川家という「家(イエ)」の組織構造が決まってきた時期だ。
- 親藩・譜代大名・外様大名の区別
- 旗本・御家人の区別
- 徳川家内の格の決定
など、私たちが教科書で習う様々な境界線が明確化された。

読む前は徳川家内に限った話になるのかと想像していたが、「家」をもっと大きく捉える視点は非常に勉強になる本だった。
少し昔に読んだ本を思い出したかな。


読んでて、思い出されるのは、藤田保先生の書いた「徳川幕閣 -武功派と官僚派の抗争-」だった。

これも江戸幕府の政治体制構築の歴史を論じた書籍だけど、「家」という概念を意識して読むと、また発見がありそうな気がしたかなぁ〜


また、どうしても触れておきたいのは「家(イエ)」という概念だ。
現代的な家族とは異なり、「家(イエ)」は家臣団を含む大きな集団を指している。

これが「御家第一」とか「主君押込」を生むとなると面白いね。

この「家(イエ)」の概念については尾藤正英先生の「江戸時代とはなにか」が非常に勉強になったことを覚えている。(めちゃくちゃ古い本なので、古本でしか手に入らないけど笑)

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