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ベネズエラのクリスマスディナーから考える、「見える世界」と「見えない世界」

経済破綻による生活難を理由に、国民の4分の1近くが難民として国外へ出ていった国ベネズエラ。国を去ったほうが良いかどうかは難しい問題ですが(生活面、差別などさまざまな面。実際に話を聞くと、良くなった人もいれば、そうでない人もいるのが現実)、国内にとどまるベネズエラ人は今年のクリスマスにどんなものを食べたのでしょうか。

真ん中にある黄色で細長のものがアジャカ
他のキリスト教の国と同様、ベネズエラでもクリスマスは家族で祝うのが基本

現地から届いた写真を数枚載せます。こんな感じ。おいしそう! 豪華ですね! 良かった!

写真にも写っている、トウモロコシの粉(黄色)の中に肉をはじめたくさんの具を詰め、調理用バナナの葉っぱで包み、それを茹でたものがベネズエラを代表するクリスマス料理。「アジャカ」と呼ばれます。

肉以外にも、タマネギ、ニンジン、ピーマン、ジャガイモ、オリーブ、ケッパーなどが入っていて、さまざまな素材のハーモニーが絡み合い、とてもおいしい。一度食べたら病みつきになる日本人も。

ですが、よく聞くと、今年は(も)「具なし」のアジャカを用意した家庭が少なくなかったとか。理由は、お金がなくて肉などを買えなかったから。

外から見ると、ふつうのアジャカ。聞かなければ、見えない世界‥‥(まったく良くなっていなかった)。難民として母国を出ていったほうが良かったかどうか、もひとりひとりに聞いてみないとわからない。それと同じですよね。

ただ、たとえ「具なしアジャカ」でも、家庭でクリスマスディナーを一応用意できたのは恵まれているほう。ふつうの食事をとった家が大半だったようです。

キリスト教徒がほとんどのベネズエラ人にとってクリスマスは大事な日。来年こそは、ベネズエラ人みんながせめて、おいしい「具ありのアジャカ」を食べられるように、と心から願います。食は安穏な暮らしの象徴ですから。

▽国内にとどまるベネズエラ人から直接、スペイン語を学ぶプログラム。スペイン語をネイティブから直接教えてもらえるだけでなく(初心者も歓迎)、ベネズエラのこともいろいろ知れるのが特徴。また、日本側の運営費を極限まで抑え、レッスン料の大半を現地に送金しています。寄付ではなく、「仕事の対価」として渡すのがミソ(だから講師も頑張ってレッスンを工夫します。レッスンの質が高いと評判に)。

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▽コロンビアに逃れたベネズエラ難民(およそ290万人います)も「日本語の通訳付き」で現地取材できるプログラム。直接聞くことを通して、見えない世界から「見える世界」へ。コロンビアでは毎日、ベネズエラ難民に夕食をつくってもらいます。フェアウェルパーティーの定番メニューは「アジャカ」。お得な「早割」はあしたまで。

【早割12/27】難民・国内避難民・先住民を直接取材する!『Global Media Camp in コロンビア』参加者募集