甲斐康太/博多ラーメンでぶちゃん店主

東京都新宿区高田馬場にて 東京に迎合しない本場の博多ラーメンを提供する 「屋台スタイル…

甲斐康太/博多ラーメンでぶちゃん店主

東京都新宿区高田馬場にて 東京に迎合しない本場の博多ラーメンを提供する 「屋台スタイルのラーメン屋」の店主です。 生まれ育った九州の食文化を広める為に 日々奮闘中。 博多ラーメンを科学している人です。

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世界は思考で出来ている

今回の背脂騒動 自分なりの解釈をまとめる まずは大前提の話 人生とは何か 世界とは何か 私は自分の人生、生きている世界は 思考上は自分の物でしかないと解釈している。 どういう事かというと 自分の頭の中での思考が全てであり 他人に決められたりする物ではないこと。 具体的には 楽しいなと意識をすれば楽しい。 辛いなと意識をすれば辛い。 暑い時に寒いと思っても外的要因で暑いのは仕方がないが これはいる場所を変える事で回避出来たりする。 要するに舵取りは自分自身で行うので

    • クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 6.好気性芽胞形成菌の死滅と臭気成分の生成方法

      前回、Part 5ではさまざまなテストスープに関して報告をした。 最後に記した高濃度の枯草菌液を添加した豚骨スープの結果 初日は高濃度の好気性芽胞形成菌を検出したが 5日目は300未満。 ほとんどが死滅していた。 にも関わらず発酵には成功している。 一体何故なのか? 調べてみると 好気性芽胞形成菌の死滅条件は 一般的には圧力鍋などを用いて作り出す2気圧の環境下で 121℃まで温度を上げて20分の加熱が必要である とされている。 しかし、死滅条件はこれだけではなかった。 食

      • クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 5 テストスープ作成開始

        大切なことなので、ここでキチンと説明しておくが 博多ラーメンの特有な発酵臭、獣臭、なんとも形容し難いあの香り。 長年誤解されている様だが、決して「灰汁取りが甘い」とか 「血抜きが適当」だとかそんな滑稽な話ではない。 そもそもそんな「怠惰な仕事」をしているようでは博多ラーメンという食文化は長きにわたり地域に根付いていないだろう。 淘汰され、店単位で考えてもそういった姿勢では経営が成り立たない。 少し考えれば分かる事だ。 あの嗜好性の高い「臭み」は先人たちから受け継がれる「技術」

        • クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 4.きら星と健太のスープ検査と菌の同定。

          part 3で解説し当店のスープからも検出された 「好気性芽胞形成菌」 他のお店のスープからも検出されるのか? という疑問と興味は、私も樹庵氏も言葉を交わさずとも必然と抱いていた。特に打ち合わせをする事もなく私たちは各人、交流のあるお店に依頼を出した。 樹庵氏は「ラーメンきら星」 私は「ラーメン健太」 言わずも知れた極悪スメルの双璧をなす二店舗である。 健太の店主は私と同年齢。 遡ると約20年前、健太氏が杉並区高円寺の早稲田通りにお店を出した頃に、私も高円寺に勤めていた為

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        • 博多ラーメンは生きている
          5本

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          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 3.芽胞形成菌について

          さて、part 3です。 続きものなのでpart 1とpart 2を読んでいないと これからほんの少しだけ難しいお話となります 私のお店、博多ラーメンでぶちゃんのスープは発酵タイプのクサイ豚骨ラーメンで、一連の研究のメインの検体としても使用している。 神奈川県にある食品微生物センターへ菌検査の依頼をかけたところ 経験による仮説の通り耐熱性の菌「好気性芽胞形成菌」が検出された。 一抹の不安でもあった食中毒菌の検出は無し。 では、その好気性芽胞形成菌とは何か?字面からも読み

          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 3.芽胞形成菌について

          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 2.渡辺樹庵氏との出会い。

          私が高田馬場に出店して2022年の時点で約8年(現在の場所は4年目) 実は8年前から何度もお客様として来店する渡なべの店主、樹庵氏に面識こそないものの自店のラーメンを提供し、幾度となくTwitterにて取り上げて頂いていた過去がある。 覚えているだけでも5回。 今となっては大好きな尊敬する大先輩なので笑い話ではあるがTwitterに書かれていた内容は辛辣な内容であった。 そのTwitterの内容を表面的に捉えてしまうと 気を悪くしたり激昂したりする人も中にはいるかもしれない。

          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 2.渡辺樹庵氏との出会い。

          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 1

          博多ラーメンを作り続けて15年(2022年現在) とあるラーメン店の店主との出会いから始まった研究について記しておく。 福岡県を中心に発展してきたさまざまな豚骨スープのラーメン。 長浜ラーメンや久留米ラーメンなどさまざまな呼び名があるが、ここでは博多ラーメンという総称を用いる。 博多ラーメンといえば 乳化して白濁したスープにそうめんのように細くストレートな麺。 そして何と言っても店の付近を通るだけで香る強烈な「匂い」 全ての博多ラーメン店から「あの匂い」が出るわけではない

          クサイ豚骨ラーメンを科学する。part 1