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借りたお金を返さない子でも、友達として信用していい?と聞かれたら【子どもとの対話】

夜な夜な子どもと話す、よもやま話
子どもが小さいときから、中学になった今でもつづく親子の話。

子どもの学校で、お金の貸し借り事件が起きた。
事件というかトラブルだけど

貸し借りの額10万円。
借りた人は5万円返して、残りの5万円は返せないといった。
貸した人は、あきらめていると友だちに話し
友達が先生に言って発覚。

どう思う?と子どもに聞かれた。
お金のやり取りがあったことに
善悪じゃないところから話せることはたくさんあって
子どもと話しながら、最後に行き着いたのは、
「信用って何だろうね?」だった



1つ前の話はこちら


子どもと、最後に
なんでそもそもおかしいと思っていながら
そんな高額を貸すんだろう?

という話になった。

子どもは、信用しているからじゃない?
返すから。といわれたらいいかと思う。
と言った。


疑え。とはいわないけど
返すから。って信じるには
なんか、言葉が軽いな。と私は思った。
だから子どもに聞いてみた。


あなたにとって信用ってなに?


この日は、信用ってどういうことだろうね?って
お互いが思っていることを話して終わった。

だけど後日この話を、カウンセリングの師匠と話したときにいわれたことが、
なんだかとても響いたのだ。
もやもやした。

一度は考えておかないと
大事な何かを落としてしまうんじゃないのか?
みたいな気持ちになること。



師匠からいわれたこと

子どもの世界の貸し借りと
ビジネスの世界のやり取りのちがいは
ビジネスが介入していないということ。


人として、貸し借りのある2人の
共有できるエッセンスは
友情である。

そういう視点から見たときに
あきらめないで請求する。は自分の立場だけにいる。
友情、はその人自身の力をサポートしてあげられるかどうか
つーことじゃないのか。


ここまで話すと別の視点が浮上する。
相手を信用できるのか?
みたいなもの。


返してもらえなくても踏ん切りのつく額を貸す
というのにも、信用はあると思うけど
諦めるのと、許すには、信用の度合いが違うと思う。


信用についての、いわれたこと
つづき

その子を信用していいのかどうかで言うと
彼をとことん信用していいと思う。
だって半分返したんだし、
残りは無理って宣言してるんだから、
めちゃ正直じゃん。

で、友達なら一生かけて返せ、
と言ってあげることが友情だけどね、
2人がどんなつながりなのかはわからんしな。


借りたお金を返さない人は、信用できるのか?


ムスメと最初に話したときに、
そのお金を借りて半分返せないといった友人のことを
信用できる人と思っていいのか?
信用ってなんだろうね?
って話をした。


その時の私には、
子どもに教えたいお金のまわりに絡む道理としては
信用できるか。があるなと思ったのだ。
だって、信用しているから貸すわけで、
返してくれないと思っていたら貸さない。

あるいは、返してもらえなくてもいいと思う
なにかがあるのだろうなと思う。


だけど師匠の話を聞いて

ええーーー!!って思ってしまったのだ。


お金を返さない人間は
信用できない。
は、ビジネスの話。


子どもたちの、人と人としての関係を
これから教えていくときには、
ビジネスとはちょっと違い
「人としての信用」というか、
関係の中にあるその人への敬意みたいなものが大事ってことだ。


ここで言うと、
借りたお友達は
「半分は返したけど、半分は返せないといった」
その事実は、たしかに正直で嘘がない。

ビジネスセンスでは
全然理解しにくいと思うけど
その子は信用していい。という側面があることに
私はとてもびっくりする。


そしてちょっとしっくり来るものがある。
 
 

嘘をついていないから。
そして、仕事だったら
ええかげんにせいよ。って
お別れするなり、弁護士を立てたらいいと思う。



だけど子どもの場合、あるいは大人でも
「友人として」という関係から考えたら
ちょっと違うバイアスがあるってこと。



そして、それをちゃんと認めてあげると
子ども達は安心するんだろうな。と思ったのだ。


そして

け、結構、心を研ぎ澄ましておかないと
仕事脳の私は、善悪に行くな(汗)。と思った。


いいか悪いかで言ったら、だめだけど
わかってはあげられるよね。って言ってしまうそうな。
嘘っぽさの善悪と許しみたいな感じがこもるものが
毛穴からでそうだなと思ったのだ



昔の、大岡裁き(知ってます?時代劇)とか
なんていうか、懐の深い先生とかだったら
多分そのへんの、人としての裁量を持っていたんじゃないかと思う。

今は、常識でしょ!!!!!プンスカ!!って人が多いし
そういう人を、もちろん私も気になるときもある。
そういうのがちょっと苦しいのかもしれないねー・・・
なんてことをムスメとも話した。



信用ってなんだろうね。友情ってなんだろうね


信用って、なんだろうね。
お金を貸した人は
きっと困っていたからとか
返してくれると信用したから。
友達だから。

って思ったと思う。

返ってこなかったら
そこからまた思うことがあると思うけど
信用した自分を馬鹿だとか、だめだとか
そういう結末にしないことだってできるように思う。



繰り返しますが
仕事だったら、
えーかげんにせやー!!!って回収に行く!


でも、私達は、人を育てているんだな。
と思った話。
子どもとの話はいつも繊細で、なんか奥行きがあるなと思う。



世知辛く、善悪だけではないことの豊かさを
伝えられたら嬉しいなと思う。
それはいつかきっと、子どもの力になると思うからだ。


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