社内でシェア&アドバイスし合えるから頑張れる、マクアケエンジニアの技術力向上環境。「AWS認定試験」の場合
マクアケでは、エンジニアとして常に知識習得をする姿勢を推奨しており、開発本部の行動指針のひとつにも「自分の才能を創り出し、表現する」というものがあります。
またカルチャーとしてチーム自治主義があり、SREチームなどインフラ面に専門性を持つメンバーのフォローを受けることもできますが、基本的にはインフラに関わる部分の構築も採用する技術の選定も各チームで行っています。
そのため、開発本部ではインフラストラクチャとアプリケーションの境目なくエンジニアリングできる状態(サービス・エンジニアリング)を目指し、必要な資格取得については、「試験受講料負担」、「関連図書購入費負担」、「資格取得を前提としたセッション参加費用」などのサポートを行っています。その上で、社内で学習体験をシェアすることで開発組織全体に還元することを推奨しています。
直近では、スクラムマスター認定資格やAWS認定資格といった資格を取得したエンジニアたちが社内でナレッジ共有をしてくれているのですが、社内共有だけではもったいないのでnoteにまとめることにしました。
AWSの認定資格(SAA、SOA)を最近取得したエンジニア2名の体験談&おすすめ勉強方法をお伝えします。
話し手紹介
SREチーム 青木さん:
2021年9月にSolution Architect Associate (SAA)取得
2022年3月にSysOps Administrator Associate (SOA)取得
Paymentチーム 鈴木さん:
2022年8月にSolution Architect Associate (SAA)取得
AWS認定試験のどれを受けましたか?
▼公式リンクはこちら
https://aws.amazon.com/jp/certification/
青木:SREとしてインフラ回りを担当しているので、SAAとSOAの資格を取得しました。希望する人がDiscordで集まって、みんなで自習や作業をする「もくもく会」の時間が週に1回開発本部ではあるのですが、その時間で勉強していました。
SAAはインフラ構成の全体像やAWSの基本サービスについて学べる内容になっているので、エンジニアとしてまず勉強をしておくと良いものですね。SOAは、管理運用に特化した内容なので、SREやインフラの保守・運用をする人向けだと思います。SOAのほうは試験傾向としても、障害調査とか、この状況から復旧させるにはどうすればよいかみたいな問題があるんです。
SAAは業務で普段使う分野だけでなく、エントリーレベルの知識を幅広く得ることができたのでめちゃくちゃおすすめです。開発だけをやっていると、クラウド環境を「プログラムを実行する基盤」とだけ考えてしまいがちなので、SAA取得のための勉強をすることで、運用・バックアップ・監視といった幅広い視点や知識が身につくのがメリットだと思います。運用や監視の視点を持って開発をするのとしないのでは大きな違いがありますし、開発途中で監視のポイントは大丈夫かな?という疑問を持って専門担当に相談することができますよね。AWS運用に関する共通の言語ができるのはとても良いことだと思います。
鈴木:僕の場合は、SAAを取得しました。アプリケーションを触っていると、使っているサービスしか触れることがないのですが、AWSを全体的に理解ができ、なにがどこでつながっているか体系的に理解できたのが良かったと思っています。
試験を受けようと思ったキッカケは?
青木:マクアケでは半期ごとにOKR(目標)を設定するのですが、入社して個人のOKRを設定する際に、能力開発もひとつのKRに入れたらどうかとCTOの生内やEMから提案を受けたことがきっかけです。僕の場合、前職までバックエンド中心にCI/CDだったりIaCといったインフラ関連の業務経験も少しあるというスキルセットから、マクアケに入ってSREという主にインフラ回りの担当になったという背景があり、業務に必要な知識を総合的に身に着けたいと思いAWSの資格取得を目標に入れました。
SREの扱うクラウドや技術は日々変化しているので、常に最新情報をキャッチアップしているべきという危機感はチーム内で共通して持っていると思います。SREの対応が遅れると、開発の速度の足を引っ張ってしまう可能性もあるので、きちんと知識を仕入れておきたいと思い、まずはマクアケ内でも利用規模が大きいAWSの資格取得を選びました。
鈴木:僕の場合はWorking Group(専門技術分野ごとに別れてチーム横断で新しい技術に取り組む活動)がきっかけでした。所属はPaymentチームでアプリケーション開発の担当ではあるのですが、Working Groupではバックエンドのグループに入っていたんです。バックエンドグループでは「Makuake」のインフラをアップデートさせてコンテナ化するプロジェクトに取り組んでいて、AWSを使う機会が多い環境でした。
僕はもともとサーバーサイド開発の経験のほうが長かったというのもあり、バックグラウンドとしてインフラ関連の知識があまりありませんでした。AWSを触ってきて自分なりの知識は何となくついてはいたのですが、AWS全体を体系的に理解しなおして、業務に活かしたいと考えている旨をEMに相談したところ、SAAの資格取得をすすめてもらいました。そこで、僕もOKR目標のKR項目のひとつとして設定しました。
目標としてみんなに宣言すると、やらなきゃいけないという気持ちになるのでいいですよね。
どうやって勉強しましたか?
・準備について
青木:僕の場合は以下の流れで進めました。今後受験する方に向けたアドバイスもまとめているのでご参考までにどうぞ。
SAA
まず公式の模試をやり、自分の理解度を把握
・最近AWS Skill Builder の模擬試験が無料化したので活用してもいいと思う
対策本 (教科書っぽいやつ) を読む
・参考書籍はたくさん出ているのでまず読んでみる
・サービスを触っていても知らない知識がポロポロあったので、やっぱり先に知識のインストールは重要
・自分の場合はEBS とかのストレージタイプごとの特性とかS3 のストレージクラスの特性とか監査系サービスとかが弱点であることを発見
問題集をひたすら解く
・模擬試験集をひたすら繰り返し
・足りなかったので Web で公開されているものもやる
・問題を解きまくり千本ノックで鉄板パターンを覚える(Elastic Load Balancer + Auto Scaling Group とか、CloudFront + S3 Origin とか)
自信のないサービスや領域は公式のドキュメントを読み込む
・試験対策というよりは、普通に知らないことを知れて楽しかったりもする
試験直前は再度対策本を繰り返し読み直す
・ノリで試験を解く癖がついていたので、きちんと知識を定着させる
【事前準備期間】
なんだかんだで2ヶ月くらい
SOA
公式の模擬試験
・試験ページにあるPDF のもの
・Skill Builderの模擬試験1回分
Udemy の模試
試験前はこのまとめサイトを読み込む
https://zenn.dev/itoo/books/0322852d544d63938788
アソシエイトクラスの共通のまとめはあるものの、それぞれの内容をまとめている情報がほぼない中、このzennのぺージは参考になった
【事前準備期間】
舐めてかかって1ヶ月弱くらい (反省した)
鈴木:僕の場合はまず、どうやって勉強しようか調べていた時に、たまたまマクアケのエンジニア竹内さんのブログで受験体験記が公開されていて、それがかなり参考になりました。
青木:もくもく会などで資格取得の勉強をしていることを話すと、他のエンジニアのメンバーで同じ試験を受けたことがある人から、いろいろアドバイスをもらえるので、心強いですね。僕はもくもく会のやること宣言でこの話をしたときに、この記事を竹内さん本人から参考にどうぞとシェアしてもらったんですよ。
鈴木:そうだったんですね!実は同じものを見てたとは。あとはこんな感じで進めました。
SAA
資格の本を買って勉強
基礎的な情報ばっかりだったのでさくっと終わらす
Udemyの実践問題などの動画
難易度の高い模試もあり、時々意味わからんと思いながらやっていましたが、本番の時に気持ちの余裕が生まれてよかった
マクアケ Re-architectureチーム竹内さんのブログ
https://bmf-tech.com/posts/AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトを受験した
これから受ける人に向けて試験を受けて感じたことがあれば教えてください
青木:試験を受けた後の感想をまとめるとこんな感じですね。
SAA
その名の通りアーキテクトなので、どういうアーキテクチャにすると目的が達せられるか、という観点の質問がくる
問題文が長い上、必ずしも選択肢と関係のある内容が必要十分に書かれている訳ではないので、素早く読解するのが大事(特に目的が経済性なのか運用効率性なのか耐障害性なのかとかを見誤るとヤバイ)
サービスと単語でこれが来たらこれみたいなのは一部あるので取りこぼさないようにするとラクできる(本質的な対策ではないが……試験通ることを目的化するならこういうのも大事)
知識量をガッツリ入れることよりも、解き方を覚える方に振った戦略は正解だった(重箱の隅っぽい知識問題はほぼ無い)
構築の経験があれば体感として設問の意図がわかることが多い(似たような要件あったなー的なやつが多い)
SOA
はっきり言って対策書籍が全然無い!(模擬試験を探すのに苦労した)
出題範囲はほぼ SAA と変わらないので SAA を先に受けた方が個人的には取りやすいと思う
問題の観点が SAA と違い、障害の調査をするとかセキュリティを十分に担保するとか安全に環境構築するとかに目線がいく
特に以下サービスが多かった印象(代わりにデータベース系が少なかった印象)
CloudWatch…障害調査、監視・アラート発報など
CloudFormation…SAA では少なかったが、オプションとかも含めて
実利用知識を問う感じ
IAM…最小権限設定にするとか
ラボ試験は難しくは無いが、慣れが必要
設問に出てくるサービスを Web コンソールや AWS CLI で触った経験があれば何も怖く無い(運用観点なのでとりあえず CloudWatch はノリで触れるようになっておくに越したことはないと思う。自分は試験では SNS Topic を作ったりしたのでその辺りも出やすいかも?)
世の中のテックブログでも情報がたくさんあるので見ておくとよさそう
SAA はいくらか考えればわかる問題が多かったが、SOA は挙動・仕様などを知らないと詰む問題が多い
触った経験がだいぶ自分を助けてくれたので色々なサービスを触っておくと強い(それがないとドキュメントから知識をしっかり頭に入れる必要が出てくる)
繰り返すがラボ試験は難しくはない、ノリで触れることが大事(とりあえず指示される作業は比較的簡単なものなので、恐れず触ればおおよそできる。操作ミスで減点とかあるのかわからないけど、壊さなければ大丈夫。)
普段の業務に活きているポイントは?
青木:SOA は管理系のため、監視や権限制御に関する内容が厚くカバーされています。
学習していた当時、実業務の中で大きなトピックとしては、SLO(サービスレベル目標) の設定や、パートナー企業への開発環境 (子アカウント) 提供などがありまして、それぞれ、モニタリングメトリクスに関する内容、IAM ポリシーのユースケースに関する知識などが、実業務に直結して活かすことができました。
業務で使うサービス以外にも、様々なサービスやそのオプション機能に関する知識が身に着いたのが役立っています。マクアケでは現在、アーキテクチャを新しくし、機能的な部分を守りつつ、作業負荷やコストを下げて運用をしやすいモダンな仕組みをつくる方向で動いています。SREとして、今あるものだけではなく、新しい発想や改善のための手立てを多く持てているのが良いと思います。
今期も資格取得を目標の一つに入れており、認定Kubernetes管理者(CKA)試験の勉強をしています。
鈴木:Working Groupでのバックエンドのタスクの見立てを立てやすくなったのがまずよかったなと思っています。また、メイン業務の方でも、マイクロサービス化をしてチームごとにインフラを運用しようという流れになっているので、インフラを勉強しているおかげで気持ち的に積極的に取り組めているのと、リードできる部分が出ているのが大きいですね。
次はAWS Certified SysOps Administratorを取得するために現在勉強中です。
一緒に働く仲間を大募集中です!
いかがでしたか?マクアケに少しでも興味を持っていただいた方は、是非カジュアル面談でお話しませんか?お気軽にご連絡ください!
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