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リモート会議|新型コロナウイルス対策で対面会議やイベントができなくなった時の選択肢-ネット環境を利用したオンライングラレコについて

新型コロナウィルスによって、リモート会議でグラレコできるの?何をつかって描けばいいの?と質問をいただくようになったので、何か私にもお役に立てることはないかと思い、拙い知識ですが、知っていることをまずはまとめてみることにしました!

"新型コロナウィルスによって明らかになったイベント主催者のリスクマネジメントの新常識:実施か中止かオンライン実施かの3択へ”
"世界中でイベントが相次いで中止されたり、延期されたりしている
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、WHO=世界保健機関が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言を行い、日本政府が当該感染症を「指定感染症」とする政令について施行日を2月1日に前倒しする方針を示した。 2月16日には、厚生労働省が緊急記者会見を行い、「新年会を行うとか送別会を行うとか、今はスカイプとか電話会議で遠隔地から会議も出来るので、不要不急な集まりは避けるように頂きたい」とコメントし、人混みを避けるように要請した。"  (本文より)

一つ一つのイベントに運営者の思いがあって、準備にも声かけにも時間をかけてきたから、どの決断にもそれぞれの葛藤があるはず。

” 新型コロナウィルスにより、テレワーク在宅勤務への移行が促進
中国では、新型コロナウィルスの影響でテレワーク(リモートワーク)が急増している。それを受けて、Zoom の株価は上昇し、2月3日、Zoom は8ヶ月間で最高となる15%以上上げ87.66ドルの終値で引けたのことだ。
今までテレワークに重要性を感じていなかった人達が、外出や会合に制限がかかったことで、オンラインの活用に本気で取り組み始めたのだ。その結果、現在、もっとも優れたツールであるZoomに注目が集まり、一気にテレワークの導入が進んでいる。 ” (本文より)
▼目次
1. はじめに ーVisual Practiceを会議で活用することについて
2. オンラインでグラフィックレコーディングするために必要なもの
3. 実際にオンラインでグラフィックレコーディングする
4. 事例
5. 余談

(すぐにオンラインでのグラレコについて知りたい方は、2から読んでください^^)

1. はじめに ーVisual Practiceを会議で活用することについて

VisualPractice(グラフィックファシリテーション/グラフィックレコーディング(以下、グラレコ))があることで、その場で話を確認できたり、話すのが得意な人だけでなく、話すのが苦手な人、ゆっくり考えることで頭が整理される人も対話に参画できるようになることに気づき始めた方が、今、全国で「話の見える化」を活用し始めているなぁと感じています。

※VisualPractice(グラフィックファシリテーション/グラフィックレコーディング)とは

ファシリテーター(進行役)が独断で進行したり、一見その場は上手く進んでいるように見えるコントロールされた場は、もう機能しないんじゃないだろうか、という声があちこちから聞こえてきているように感じます。

そのとき上手くいっているように見えるけれど、参加者は違和感を口に出せてなかったり、もやもやをその場で共有できる雰囲気ではないまま進んでいたり、ほとんどの人が腹落ちせずに進んでいった会議やプロジェクトは、段々と人が減っていったり、誰か1人が頑張る結果になったり、数ヶ月後にもやもやの渦に巻き込まれて取り返しがつかなくなる。そんな場に私は参画してきたし、自分自身もそんな場に加担している時期もあったし、会社員時代は、いなくなる側の人間だったこともありました。


・違和感を感じたらその場で話せる余白がある
・「?」「わからない」と言っても否定されない安心感がある
・話合いについていけなくなったときに、自分なりにそこまでの話合いを振返る手段がある
・テンポのよい話合いのスピードについていけない人も、自分のペースで意見を言うスペース(機会)がある
・大きな声の人ばかりが話しているときに、本人が気づける仕組みがある

上記は、話合いの場で大切だと感じていることの一部!このような場をつくるのに、グラフィックファシリテーションは有効だなと感じていていて。話合いのプロセスが見える化されていることで、話合いが行ったりきたりできるし、話合いについていけなくなっても、グラフィックを見ながらその場で振返れる。違和感を感じた時も、「人」に対して「違和感を感じる」というのではなく、「グラフィック」を指差しながら「違和感を感じる」と伝えると、人同士のぶつかりではなく、「意見そのもの」に対して発言することができる。よかれと思ってファシリテーターが問いを投げまくる時にも、参加者側に話に入る心のスペースがなくなったりするのも良く起きることの一つで、(できるだけそのときはグラフィッカーとして「ペースが早いです。とか「スペースが足りません」と伝えるようにするけれど)5分グラフィックをみながら振返ったり、休憩をとるだけで、話合いについてこれていなかった人が、グラフィックをみながらそこまででわからなかったところを質問したり、指差しながら、話合いをさかのぼって大事な話をいきなり始めることができるようになる。

マシンガントークの人、小さな声の人、自信のない人、高圧的な人、肩書きがあることで周りからフィードバックをなかなか言ってもらえないような人、年齢差が様々なときにも、グラフィックは、その様々な「差」を繋ぐ役割をする。差を埋めて消したり、誰かに合わせて誰かの個性や知恵を殺すのではなく、それぞれの知恵を生きたまま共有するのに役立つと感じています。

もちろん万能薬ではないし、副作用もあるので、気をつけないといけないこともあるけれど、これまで話し合いの中に入らなかった人の声に光を当てることができるというのは、これまでの話合いに変化を起こすのに一部としての機能を持っていると思うのです。

特にリモート会議では、相手の表情がわかりにくかったり、文脈が読みづらかったりするので、リアルタイムにグラレコで対話のプロセスを見えるようにしながら、話のコンテンツだけでなく、話し手の感情も描いていくことはシンプルに、リモート会議に不慣れな方でも安心して参加できる空気感に繋がります。

ということで、そんな可能性に期待を寄せて、リモート会議でもグラレコが活用されるようになっているので、まとめてみました!


2. オンラインでグラフィックレコーディングするために必要なもの

私がリモート会議でグラレコをするときに用意しているものを紹介しますね。

a. iPadなどのタブレット

タブレットのペン機能がやはり描きやすい。ただ、参加者全員でホワイトボード機能を使えるので、パソコンのマウスでもかけたり、テキストを打ち込めるので、タブレットを持っていない人も大丈夫。

b. zoomアプリ 

アプリ(無料で最大40分間使えて最大100人までグループ対話可能)
ホワイトボード機能があって、通話しながらみんなで絵や文字がかけるし、テキストを打ち込めます。(あまり機能としては多くなくて線がカクカクなってしまうのは残念ですが、確認のために書いたりする分には十分です!)

zoomアプリの使い方はこちらのサイトで丁寧に説明してくださっているので、わかりやすいと思います。
【Zoomアプリの使い方】スマホを使ったWeb会議の開催と参加方法

c. イアホンカフェや、大部屋、コワーキングでオンライン会議をするときは必須。会議の内容が他の人に聞こえてしまうし、自分は気にならなくても、画面の向こうの参加者は気になることも。(どんなものでも大丈夫だと思いますが、コードレスだと、話しているときに手元にあたって相手へのノイズになったりしないので便利)
マニアックですが・・・個人的には、コワーキングや外のカフェから会議をすることが多いので、相手にノイズが届いてうるさくならないよう、自分の声だけが届きやすいワイヤレスヘッドフォン使用しています。

d. ネット環境
ネット環境が安定しているところで実施できると安心です。こちらの顔が相手に見えるので、座る席の背景もできるだけ人が通ったり、ごちゃごちゃしたり、眩しすぎないところが親切かも?

e. 座る場所
意外と忘れがちなのが、相手の顔が自分のPCもしくはタブレットの画面に写し出されていること。自分の後ろを通り過ぎる人から参加者の顔が見えるので、参加者によってはヤダな。と思う人もいるので、できるだけ、背後から覗き込まれない場所を選ぶと心遣いになるかも。

f. 飲み物やお菓子
2,3時間、リアルに目の前に居ない方の話を聞いたり書いたりするのは、想像以上に体力を消耗します。体力を効率よく回復するため、チョコレートや干し梅、眠たくなったときのためにコーヒーをよく机に置いています。

3. 実際にグラフィックレコーディングする

⑴ 事前準備をする
事前ミーティングで確認することは後日詳しくアップする予定です。
「グラレコは事前準備が8割」

⑵ 当日
 1. 開始までのチェックポイント
・15分くらい前には接続の確認をして
 相手の音声は聞こえるか/こちらの音は聴こえているか/
 ミュート(消音)は機能しているかチェック
 (相手方の会場が広い時は、会場の音声を拾うスピーカーを用意してもらった方がよいことも)

・zoom以外のコミュニケーション手段を用意しておくと安心。FacebookのメッセンジャーやLINEなど、接続が悪くなったり、何かあった際にすぐに連絡が取れるように用意しておくと困った時にすぐ連絡がとれる
 (話合いの最中に接続が悪くなったり、不具合が起きた際に、話合いを中断するのは気が引ける・・・というシーンもよくあります。その時に、テキストで「助けて〜」と伝えられると安心です。)

・会議が始まる前にホワイトボード機能が使えるかチェックしておくと安心

2. 会議中の注意点
・ホワイトボード機能を使うと、会議に参加している人の顔の表示が小さくなるので、はじめのチェックイン(導入説明の時間など)は、まだ、ホワイトボード機能は使い始めないほうがいいかも。

・会議の雰囲気的に「みんなで書きましょう」と言い出せそうなら、はじめに伝えておくとgood。ホワイトボード機能は、みんなで書ける機能です。

・発言しないときは、自分の音声はミュート(消音)にしておくと親切。
 (自分側の背後の音が先方に聞こえるとノイズになってしまうこともある。タブレットペンを動かす音が参加者に聞こえてノイズになることもある。)

・こまめにホワイトボードを保存する。もしくは録画機能をつかって録画しておく。
 (接続が悪くなって時々接続が切れてしまうことも。ホワイトボード機能に自動保存の機能はないので、できるだけ、こまめにホワイトボード機能の画面を長押しして「保存」しておくと安心です。)

・zoomを切断する前に!!ホワイトボードを保存するのを忘れない!
 (何ページも描けるのですが、最後に保存しておかないと消えてしまいます!右下の設定から「画像を保存」してから接続を切るのを忘れないように。)

*zoomアプリの「ホワイトボード」機能の詳しい使い方はこちらのサイトがわかりやすくまとめてくださってます^^

③事後
・会議後、あくまでの自分の受け取れたところだけがグラフィックレコーディングとして残っているので、書き足したり、足りないところを見つけたりするのに活用していただけるようにすぐ共有する。

・会議の記録として議事録に貼付けたり、次回会議が始まる前に、振返りにつかったりと、活用方法は様々。相手の方は活用方法をご存知ないこともあるので、こちらから少し共有しておくと親切かもしれません。

4. 事例

 100BLT
全国各地に認知症と共に生きる方々と100のDFC(認知症の人にやさしいまち)をつくる基盤となり、「認知症・要介護になっても、こういう選択肢があるんだという社会」を作っていく取り組みでのオンライングラレコ


その他、遠方の方との会議、事前ヒアリング、ワークショップの事前会議、イベントの振り返り、コーチングなどで活用しています。

5. 余談 

会議の場でグラレコ/グラファシをきれいに描く必要はないのではないかな、と思っています。これは、とっても主観の入った考えですが、人間の心理的に、きれいな完成された絵がでてきたら、心の中で「きれいに話さなきゃ。まとまった意見を話さなきゃ」という気持ちになっていきます。グラフィックは場の鏡なので、緩やかに描くと、グラフィックを見た人も緩やかに話すようになっていきます。私自身、参加した会議で、とっちらかった話合いをしていて、さぁこれからこのとっちらかった話を自分たちで腹落ちさせながらまとめていくぞ。という時に、描き手の主観でまとめられて完成しきったグラレコが出てきたことがあって、話し合が途中で、「あ、なんかまとまったね。」と、腹落ち間なく会議が終わった経験があります。

つまり、絵が描けない人でも、この機会にzoomのホワイトボード機能で話の内容を見える化してみてはどうかなと思うのです。「見える化」のパワフルさを実感する機会になるかもしれない。

それが全てではないし、正解はないですが、会議などの場合は、目的によって、きれいな絵を描くことにこだわるよりも「場の空気に寄り添ったグラフィックを大切にする」「自分の影響力に意識的でいる」は大切なのではないかとつくづく感じています。

と、マニアックなことばかり描きましたが、実際、接続がうまくいかなかったり、音声聴こえずらいのに先方が盛り上がっているので言い出せなかったり、集中力が切れそうで、ひーひー言いながら描いていたり。何度も失敗しながらようやく慣れてきた。というのが正直な気持ちです。。だから、初めはうまくいかなくて大丈夫!練習しながらいきましょう。くらいがいいのではないかな、と思っています。

慣れるまでは、オンラインでの対話や、やりとりがぎこちなく、私自身「オンライン会議苦手」という気持ちは、はじめてオンラインを使った時から相変わらずです。とは言え、わざわざ飛行機で会いにいけない相手や、当日のワークショップまでにはお会いできない方など、オンラインで顔を会わせて話しておいたり、グラフィックを使って、先方の会議に協力できるのは、良いことだなぁと感じています。

自転車にはじめ乗れないけれど、だんだんと慣れてくると乗れるようになるように。できないことは、ない。慣れていないだけ。と思うことにして。笑

関心のある方は、ぜひ、一度試してみてください^^

そして、もっとよいアプリあるよ!オンラインで使えるこんなお絵描き知ってるよ。という方はぜひ教えてください。

・毎月開催しているワークショップ形式の対話の場を、近々オンラインに変更して実施することになりました。毎回20〜40名が参加している会なので、色々とコツも必要そう。また、こちらの実践についても開催後に紹介できればと思います!


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