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連載小説「オールド・クロック・カフェ」

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京町屋を改装したカフェは、一歩入ると時計の森。そこでは、時のはざまに置いてきた忘れ物を教えてくれる「時のコーヒー」があるという。
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#カフェ

小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(1)

 その店は、八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だ…

deko
3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(2)

前回のストーリーは、こちらから、どうぞ。  <あらすじ> 京の八坂の塔近くにある『オール…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 #1杯め「ピンクの空」(3)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 はじめから、読む。 (2)から、読む。 <あ…

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3年前
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オールド・クロック・カフェ #1杯め「ピンクの空」(4)

前回までのストーリーは、こちらから、どうぞ。 (1)から読む。 (2)から読む。 (3)か…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 2杯め 「瑠璃色の約束」(1)

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 2杯め 「瑠璃色の約束」(2)

前回のストーリーは、こちらから、どうぞ。 <あらすじ> 『オールド・クロック・カフェ』の…

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3年前
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小説『オールド・クロック・カフェ』 3杯め 「カマキリの夢」(1)

『不器用たちのやさしい風』は、断ち切ることのできない想いを抱える達也の、せつなくて心あたたまる恋物語とだけ記しておきます。 ぜひ、本編をお読みください。もれなく感動がついてきます! https://note.com/589sunflower/m/me08a78c52363 * * Welcome Again * *  その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だけ改装したような店で、入り口の格子戸はいつも開いていた。

『オールド・クロック・カフェ』3杯め「カマキリの夢」<後編・祇園祭>

前編・カフェ編は、こちらから、どうぞ。 <あらすじ> 『不器用たちのやさしい風』で明るい…

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2年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め「キソウテンガイを探して」(1)

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必…

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2年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め 「キソウテンガイを探して」(2)

第1話は、こちらから、どうぞ。 * * * hesitation * * *  大樹と泰郎を追いか…

deko
2年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め 「キソウテンガイを探して」(5)

第1話から読む。 前話(4)は、こちらから、どうぞ。 * * * Reason * * *  …

deko
2年前
51

『オールド・クロック・カフェ』4杯め「キソウテンガイを探して」(13)

第1話から読む。 前話(第12話)は、こちらから、どうぞ。 * * * Confession * *…

deko
2年前
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『オールド・クロック・カフェ』4杯め 「キソウテンガイを探して」(14)最終話

第1話から読む。 前話(第13話)は、こちらから、どうぞ。 * * * Merry go round *…

deko
2年前
39

『オールド・クロック・カフェ』4杯め <全文>

 その店は、東大路から八坂の塔へと続く坂道の途中を右に折れた細い路地にある。古い民家を必要最低限だけ改装したような店で、入り口の格子戸はいつも開いていた。両脇の板塀の足元は竹矢来で覆われていて、格子戸の向こうには猫の額ほどの前庭があり、つくばいに浮かぶ玉椿があざやかだ。格子戸の前に木製の椅子が置かれ、メニューをいくつか書いた緑の黒板が立て掛けられていなければ、そこをカフェと気づく人はいないだろう。  そのメニューが変わっていて、黒板には、こんなふうに書かれている。  なぜメ