おごれる人も久しからず、おごらざる人も久しからず
話を『私の人生観』における「諸行無常」に戻そう。
小林秀雄は、「諸行無常」という言葉は誤解されていて、「おごれる人も久しからず」つまり、驕り高ぶる人は決して長続きせず、「盛者必衰のことわりを示す」すなわち、いずれ必ず滅びるだろうという間違った解釈をされていると語る。
さらに、江戸城を築いた室町時代の武将である太田道灌が若い頃に、父親から「おごれる人も久しからず」とたしなめられたところ、「おごらざる人も久しからず」と返したという逸話を紹介して、説明する。
仏教は、生まれる