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これは工作?建築? 新商品開発記 ~ハリボテ+ダンボールでDIY革命~

 こんにちは、ディアデザインの鹿内です。今回の記事では「建築DIY+工作=?」ということで、建築と工作の良いとこ取りしてみたら面白い建築材料生まれました、という内容です。


1.そもそも、建築って無駄にハードル高い

 なぜ日本でDIYリフォームが普及しないのか?の答えにもなるのですが、そもそもDIYのハードルが上がる理由は、建材の「性能が過剰」に尽きると思うのです。建築職人としてのプロの目線も応用してお客様のDIYのアドバイスをしている僕ですが、ここまでの強度や性能をお客さんが求めているのか、必要ないのに材料コストがかかりすぎるのはそもそもおかしいと、疑問に思うことも多いです。

・性能過剰→専用工具がないと加工がしにくい→ハードル上がる
・性能過剰→価格が高くなる→加工の失敗を恐れる→ハードルが上がる
・性能過剰→発生した端材の処分の困難さ→ハードルが上がる
・性能過剰→お客さんが求める簡便さとミスマッチ→あきらめる

 これがホームセンターで皆さんが感じるリアルだと思います。お客さんの相談に乗るたびに、いつも建材業界の怠慢にイライラしてしまう僕でした。
 そこで2年ほど前から、市の補助金なども活用し、弁理士の先生にも知財の面でご協力いただきながら新建材の開発に着手してきました

   紙テープ・板材・下地材・骨組み材(今回のメイン製品)

2.ハリボテな感じで建築や工作できればOKという需要に応える建材・素材がない問題

 開発にあたっては、建築に触れる機会の少ない一般の方が「ハリボテで充分だけどとりあえず作りたいな」となるものを挙げる作業からスタートしました。挙げればキリがないと思いますが、とりあえず以下のものを思いつきました。

・賃貸ワンルームアパートのキッチンの間仕切
・賃貸ファミリーアパートのプライベートスペースの確保
・店舗での臨時の間仕切り
・学校の文化祭での模擬店の店舗
・副業でのマルシェでのイベントブース
・イベントでの看板
・使い捨て陳列棚
・消毒の台
・簡易な使い捨てテーブル
・仮設工事での防塵間仕切り
・塗装工事や医療機関でのコロナマスカ―貼り付け用フレーム
・リフォーム現場での設計プラン打ち合わせ用仮設フレーム
・子供部屋の秘密基地
・試験勉強期間だけの集中室
・お父さんの書斎ブース
・テレワークスペース
・衝立や目隠しパーテーション
・簡易家具
・災害時のプライバシー確保や生活空間確保  etc…

材料を繋げて間仕切を作っているところ。シートとか貼れば実際はこんなんで十分。

 作り方としては、骨組みと布や養生用マスカ―などシート類を組み合わせたりすればいいもの、骨組みと強化ダンボール板などで作るものなどを挙げています。
 加工が簡単で廃棄が容易で丈夫、輸送コストが最小限という特徴が必要で、素材選びから形状まで開発は本当に苦労しました。試行錯誤の末、強化ダンボールを折り曲げてお客様自身が組み立てる形式の建材とすることにしました。

3.ついに完成!その名はとりあえず「ハリボール」で行きます笑


下地材(左)     骨組み材(右)

 ようやく完成したその新建材はとりあえずハリボテ+ダンボール=「ハリボール」という名前にしました。言うなれば、ハリボテ工作用の骨組み用段ボールです。プラモデルを意識して骨組み材・下地材共にフレームのあちらこちらに補強部材が組み込まれていて、創作意欲を描き立てることに一役買っているとかいないとか(笑)。保管スペースや流通に配慮して、面材のまま流通保管することにし、お客様が使うときに自分で組み立てることにしました。
 骨組み材は、いくらでも繋げることができる形状なので、長ーい材料が手に入ります
 工具類はノコギリやカッター、ガムテープや液体のりや木工ボンドなど、最低限でいろいろな作り方ができます。接着に使うガムテープは水接着式を使うと、捨てるとき分別不要ですごく楽で環境にも優しくおすすめ、ということで希望に応じて一緒に販売しようかと思っています。

折り曲げて組立て

 実はこのハリボール、完成直後に面白いことがありました。無印良品を展開する良品計画様との商談のテーブルに乗ったのです。完成直後ということもあり準備不足で結果は実りませんでしたが、一流の考え方に触れる素晴らしい経験を頂き、ものづくりの将来性にワクワクする出来事となりました。
 今後はこのハリボールを使って「はりぼて」の更なる可能性を広げる活動を展開して行きたいと思います。


4.まとめ

 以上、ハリボテ工作用の新材料 骨組み用段ボール「ハリボール」開発記でした。実際にこの材料で家具を作ってみた記事に続きます↓

 ☟弊社ECストアにてついに販売開始!!☟

ディアデザイン  代表:鹿内 浩樹


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