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なりたい自分を否定されるのが怖かった 後編

コロナ別れを経験して

組んでたグループが解散して少しした頃
歳の近い彼と付き合い始めた。

相変わらず服装は適当なままで
一緒にいても化粧すらしなかった。

そんな中コロナウイルスが流行り出し
世の中で、密に人と会うことに抵抗が出始めたタイミングで
あっけなく別れを告げられ。

ふと「もう少し身なりを気にしよう」
と思うようになる。

そういえば昔、こういう服装に憧れがあったな…と
ナチュラル系ブランドの存在を思い出し
コロナ禍でセール中だったことをいいことに
これでもか、と買い漁った。

初めて、憧れに素直になった瞬間だったと思う。
届いた服に袖を通した時の高揚感は忘れられない。

それからセールのたびに買い漁るようになるんやけど
半年もたたないうちに、職場から辞令が出る。

大阪から関東へ
初の一人暮らし生活が始まった。

その頃には新しいパートナーがいたのだが
その人はあまり自分の服装に対して言ってこない人で
あなたが着たい服を着たらいい、という人だった。

ひとり暮らしが自分のタガをはずしてくれた

初めて親元を離れた生活は
不安なこともあったけど楽しさで満ち溢れていた。

自分の好きな服を着ても何も言われない。
何時に帰っても何も言われない。
化粧をしても、何も思われない。

タガが一気にはずれ
着てみたかった服は片っ端から買ったし
「なりたい自分」を見つけるべく
見た目や服装に対して、貪欲になっていった。

カラコンもつけるようになり
まつげパーマに通ったり、ネイルにもハマった。

服に年間10万も使ったのはこの年が初めてだった。

今のバンドに出会って

関東勤務からさらに東京勤務への辞令が出て
上京して2年が経った頃
今のバンドに出会った。

THE バンドマン!な今のメンバーは
本当にかっこよくて
負けてられない、とさらに
「なりたい自分」に近づく努力をするようになった。

この頃にはもう、親の目とか
周りの目とか関係なくなってた。

髪の毛をブリーチし
先輩のブランドの展示会に行って気に入った服を買って。
土日は必ず化粧をするし、ネイルもする。

それは、女らしさ、とかじゃなくて
自分がなりたい自分に近づきたいからそうしてるだけ。
昔感じてた化粧に対する嫌悪感は
そう思うことでだいぶ緩和されてる。

散々嫌だったリップでさえ、今は喜んで塗ってる。
真っ赤なリップティント。周りからも評判がいい。
自分自身一番似合うと思ってる。

散々パートナーと喧嘩したけど
夢だったタトゥーも入れた。
毎年少しずつ増えて今8つ。

幼い頃憧れていた「かっこいい人」に
今、確実に、少しずつ近づけてる自信がある。

周りの求めている自分にはなれない

昔から、気になる人や好意を持った人、素敵だと思う人から
まぁこぞって言われた。今も言われる。

「もっと女の子らしい人になってほしい」
「清楚系が好き」「スカートを履いてほしい」
「黒髪ロングが…」「パンツスタイルはちょっと…」

実際、その人に好かれようと
綺麗めな服装をして出かけたこともある。

けど結局、その場しのぎにはなっても
その時の自分を自分自身が愛することはできなくて。

どれだけ好意を持っていても
自分がなりたい自分を理解してもらえんかったら
自分がしんどくなるだけやし
そこで「素敵です」言われたところで
そうでしょうよ、嘘ついてあなた好みにしましたから、って話で。

好きな人のために自分を作るとか
親の目気にしてなりたい自分になられへんとか
もう嫌やなって。

せっかく自由に、なりたい自分を追い求められるようになったから
そんな自分を素敵やと思ってくれる人だけ
大切にしたいと思うし

自分自身が自分のことを愛せるように
せっかくの環境、存分に利用して
自分の理想像、追い求めていこうと思うよ。

自分が素敵だと思う人はみんな
優しく明るく柔軟やけど
とても強くてかっこよくて、周りに流されへん人ばかりやから。


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