見出し画像

知性とは:マーケティングとポーカーに共通する答えのない問いへの向き合い方

知性とは

知性とは何でしょうか。

広辞苑で調べると次のように定義されています。

新しい状況に対して、本能的方法によらずに適応し、課題を解決する精神機能

広辞苑

例えば、複雑な計算問題があったとしましょう。

123かける456は?

56,088!と勢いよく答えた人を見て、「おぉ!あの人は知性があるな」となりますか?

「暗算が得意なんだな」、「頭がいいな」とはなるとしても、「知性があるな」とは表現しないと思います。

これは、正解がある問題。答えが一つに定まる問いに対しての、解決能力だからです。

逆に知性とは、「新しい状況(答えのない問い)に対して、本能的方法によらずに適応し、課題を解決する精神機能(冷静に最もらしい決断ができる能力)」と捉えることができます。

答えのない問いに対して、冷静に最もらしい決断ができる。

知性

これは非常に難しいことだと思いますが、実はマーケティングやポーカーにおいてはこのような状況が多発し、常に冷静に最もらしい決断を積み重ねていかねばなりません。

AIと知性

AI (Artificial Intelligence) は日本語で「人工知能」と訳されます。

一方で、その対となるHI (Human Intelligence) を「人間知能」と訳す例は見たことがありません。

私は「人間の知性」と訳すのが最も納得感があると思います。

AIの登場により、正解がある問いに対する解答は、人間よりAIの方が圧倒的に早くなってしまいました。

記憶力や計算の速さはほとんど意味をなしません。誰でもインターネットで調べれば答えが出てくるし、計算機で計算すれば答えがわかります。

さらに生成AIの登場で、正解のない問いすらも危うい状況になってきています。

しかしどれだけAIが進化しても、「人間の知性」を備えることは不可能です。

戦略性・創造性・倫理観などは人間にしか持てない部分です。

マーケティングにおいても、生成AIの活用は今後加速します。

例えば、Google広告で効果的なキーワードや広告見出し、画像を作成する際にも、Chat GPTを使うかのように、対話形式で広告の最適化をすることができるようになります。

しかし、そもそもどのような戦略で広告を打つのか、人間が見たときに違和感を感じないクリエイティブに仕上がっているか、差別的表現やプライバシーを侵害するような項目がないか、といった観点では、人間の知性が必要です。

優秀な経営者やビジネスパーソンは、正解のある問いはAIに任せて、正解の無い問いに向き合うことに時間を割き、知性を発揮することで成功し続けるでしょう。

知性の鍛え方

それでは、人間固有の能力である知性を鍛えるにはどうすればいいのでしょうか。

私は趣味としてポーカーをすることをおすすめします。

アメリカでは経営者やビジネスパーソンがポーカーを嗜むのは昔からの慣習ですが、最近はテキサスホールデムポーカーが日本でもものすごい勢いで流行ってきています。

ポーカーYouTuberの活躍により日本にアミューズメントポーカーがとても増えました。また、2030年に大阪IR・カジノができることも後押しになっているかと思います。

ポーカーは、マーケティングと同じく正解のない場面で意思決定が必要な、マインドスポーツなのです。

この場面でベットするべきなのか、勝負を降りるべきなのか。
論理的な勝率の計算はもちろん、非論理的なその場の流れ、相手の癖なども考慮して意思決定をしなければいけません。

将棋・囲碁・チェスなどの「完全情報ゲーム」で、AIが人間に勝つのは容易でしょう。

しかし、ポーカーや麻雀といった「非完全情報ゲーム」では、まだAIが100%人間に勝つのは難しいです。(すでに「最も搾取されにくい戦術」を取ることはできます)

もちろん、いつか人間が、ポーカーでAIに勝つのは不可能になる日が来るかもしれません。

しかし、AIは同じテーブルの人間と楽しみながらポーカーを嗜むことができるでしょうか。

ポーカーを趣味として嗜むことで、楽しみながら、人間同士交流し、大人の知性を磨く

これは人間にしかできないことだと思います。

そしてこの差が、これからのAI時代で人間が磨くべきスキル、「知性」なのだと思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?