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池森雄也
2021年2月14日 01:32
この作品は過去に書き上げた小説です。『愛、この店だよ』『綺麗なお店だね。最近、出来たの?』『いや、そうでもないよ。随分と以前からあるよ。ただ半年ほど前にリニューアルオープンしているけどね』愛がつぶらな瞳で店内を覗き込んだ。無邪気な幼子のような表情で店内へと入る。『私、何を食べようかな』愛のほころぶ顔。涼はまだ口には出してはならない想いを胸にそっと閉まった。心のな
2021年2月2日 18:46
過去に書いた中編純愛小説です。1樹齢百年以上だろうか・・・。随分と昔からこの場所に立っている気がしてならない。麻倉涼は桜の木に背もたれしながら、木々の枝先の切れ間から射し込む太陽の光を顔に浴びながら、ぼんやりと空を眺めていた。透き通るコバルトブルーが様々な形状をなす白い雲を際立てている。涼は大きく深呼吸をした。そっと瞼を閉じて幾度となく繰り返したのち、視線を少し落とした。