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発達障害を和らげる方法

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ASD/ADHD当事者の実体験をもとに、発達障害の生きづらさを軽くするコツを紹介中。
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2022年5月の記事一覧

ASDのぐるぐる思考は同じ曲をリピートしている感覚に似ているかもしれない

自閉症スペクトラム(ASD)当事者はこだわりが強く、同じ行動を繰り返したがる傾向があると言われています。いつも同じ服を着ないと気が済まなかったり、日々のルーティンワークが崩されるのを嫌ったりするなど…… ASD当事者の私には、そこまで激しいこだわりはないのですが、ネガティブな思いがいつまでも頭の中をめぐることがあります。いわゆる「ぐるぐる思考(反芻思考)」ですね。それはあたかも、同じ音楽を何度も何度も聴いている状態に似ています。 「ASDの人の脳のなかって、例えるならどん

言葉を真に受けるのは真面目で素直だから…発達障害の困りごと

発達障害がある人のなかには、相手の言葉を真に受けるクセがあって、困っている人がいます。私もわりとその傾向が強いです。 人の言葉に裏表があるなんて1ミリも思わずに、そのまま受け取ってしまうのは、ある意味とても真面目です。でも、真面目であればあるほど、複雑な世の中で生きていくのが難しくなります。 ここでは、自閉症スペクトラム(ASD)当事者の私が、言葉を額面通りに受け取ってしまう特性について語っていきます。 でらためな言葉をスルーできない 発達障害を持つ人が誰かの言葉をその

発達障害と診断されて丸8年。私は元気に生きています。

私は8年前の今日(2014年5月23日)、発達障害と診断されました。 今回はせっかくなので、当時と思い出話と近況報告を……もしよかったらお付き合いください。 2014年 2014年の当時はコールセンターに勤めていたものの、電話応対が大の苦手。あまりにも追いつめられた私は、発達障害専門の診療所に駆け込みます。 診療所に通院している最中に、何と祖母が亡くなったのですが、当時の私はとにかく切羽詰まっていました。 「早く仕事を辞めなかったら、私も死んじゃう!」 大げさではな

『LDは僕のID ―字が読めないことで見えてくる風景』感想

『LDは僕のID ―字が読めないことで見えてくる風景』(南雲明彦:著)は、LDがある人に限らず、多くの人におすすめしたい良書です。 南雲さんは「読み書き」がとても苦手な子どもでした。その原因が分からないまま悩み苦しみ、不登校となって引きこもります。 手を差し伸べる方がいたことにより、暗闇の底から立ち上がることができ、通信制高校を卒業。そして21歳の夏、LD(学習障害)の一種であるディスレクシア(読字障害)という言葉を初めて知ります。 ディスレクシアがあることが判明してか

自閉症スペクトラム(ASD)の人に芸術家の仕事は向いているか

自閉症スペクトラム(ASD)やアスペルガー症候群の人の適職について、本やインターネットで調べていると、時々疑問に感じることがあります。そこには何故か、「芸術家」と書かれていることが多いのです。 前回紹介した「アスペルガー症候群・高機能自閉症の人のハローワーク」(テンプル・グランディン/ケイト・ダフィー:著)にも、芸術家として成功した当事者の体験談が載っています。 前回の記事はこちら↓ しかし、英国の児童精神科医であるローナ・ウィングさんによると、ASDには三つ組みの障害

3つの思考タイプ別・ASDの適職と仕事へのアプローチ方法

自閉症スペクトラム(ASD)の人にとって、どのような仕事を選ぶかは、まさに死活問題。得意・不得意の差が激しい当事者にとって、苦手なことばかりを強いられる職種は、長く続けることが難しいからです。 ここでは、『アスペルガー症候群・高機能自閉症のハローワーク』(テンプル・グランディン、ケイト・ダフィー:共著)を参考にしながら、ASD当事者が適職を選ぶポイントを紹介します。 テンプルさんは、脳を3つのタイプに分類して、それぞれのタイプが得意なことを生かしやすい職種をリストアップし

黒柳徹子さんが発達障害を告白…『私ってLDだったの?』感想

黒柳徹子さんの国民的ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』では、徹子さんが多動な小学生だったことが明かされています。多動ゆえに小学校を退学させられた徹子さんは、ユニークな教育方針を貫くトモエ学園に転校して、その個性を伸ばせるようになりました。 徹子さんは大人になってから、女優・マルチタレント・ユニセフ親善大使として活躍するようになりましたが、実は自分が発達障害(LD、ADHD)だったと気づきます。 『私ってLDだったの?』(新潮文庫『小さいときから考えていたこと』に収録)と

発達障害で悩む人に~ストレスサインを味方にする3つのポイント

発達障害を持つ人のなかには、自分のストレスサインになかなか気づけない人もいます。例えば、以下のように。 物事にどっぷり集中して、我を忘れてしまう。 仕事で緊張しすぎて、身体に意識が向かない。 ひらめくままに動き回って、気が付けばどっと疲れをためてしまう。 うっかりミスが多すぎて、自分の体調まで注意が行かない。 では、どうすれば身体からのSOSに気づきやすくなるのか。3つのポイントをお伝えします。参考になれば嬉しいです。 1.【外見のチェック】鏡で顔と全身を確かめる

ASDの強い思い込みをウォーキングで解消した話

自閉症スペクトラム(ASD)がある人は、こだわりが強いと言われています。ASD当事者である私も、わりと思い込みが激しい方です。 今回は、「やっているつもり」「わかっているつもり」「がんばっているつもり」のことでも、我に返れば、もっと世界が広がるかもしれないというお話。運動しているつもりだった私が、ウォーキングをはじめて気づいたことをお伝えします。 運動しているつもりだったけれど…私は約7年前、頸椎椎間板ヘルニアを患って、自宅療養をしていた時期があります。 ASDについて

発達障害、聴覚過敏、不眠…そして気づいた大事なこと

発達障害の人のなかには、聴覚過敏で悩む人も少なくありません。私もまさに、そのうちの一人。聴覚過敏があると、ふつうの人なら当たり障りのない物音でも、異常に大きく聞こえたり、苦痛に感じられます。 発達障害を理由に無職になった約7年前、やはり音がうるさくて不眠になったことがありました。その時に得た大事な気づきを、ここで紹介いたします。同じくこの特性で眠れなくなるほど困っている人に、読んでほしいです。 無職のストレスから不眠症に私が発達障害の診断を受けたのは、コールセンターで働い

自閉症スペクトラム(ASD)・3つのポジティブな特徴

自閉症スペクトラム(ASD)には、どのような特徴があるのでしょう。イギリスの精神科医であるローナ・ウィングさんは、「三つ組み」の障害があると定義しています。 社会性(人とのかかわり方) コミュニケーション 想像力(気持ちの切り替え・応用力) ASD当事者なら個人差はあっても、この3点に何らかの困難を抱えています。 ところで最近、この「三つ組み」について、とても分かりやすく書かれている本を見つけました!「あなたがあなたであるために」-自分らしく生きるためのアスペルガー

自閉症スペクトラム(ASD)とは

自閉症スペクトラム(英語:Autistic Spectrum Disorder 略称:ASD)について、ご存知でしょうか?この文章を見ている皆さんのなかには、すでに知っている方も多いと思います。ご自身やご家族やご友人が、ASDの方もいらっしゃるかもしれませんね。ここではASDの特徴について、おさらいのために説明します。 自閉症スペクトラム(ASD)の三つ組みの特徴 自閉症スペクトラム(ASD)は、発達障害の一種。発達障害は、脳の発達が原因とされていて、「できること」と「でき

ごあいさつ

「初めまして」の方も、「お久しぶりです」の方も、こんにちは。 私は発達障害(ASD・ADHD)の当事者で、会社で事務をしています。今から約7年前に、ブログやTwitterを通して、発達障害に関する情報発信をしていました。 私と同じ障害を抱える人に、もう一度、お役に立てるような言葉を届けることができたら……そう思ってnoteへの投稿をはじめることにしました。 まずは自己紹介。私が発達障害と診断されてから現在に至るまでを、年表にしました。もしよかったら、ご覧くださいね。