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Deaglet コラム VTuber関連

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Deagletworksが執筆したVTuber関連のコラム記事をまとめています。
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記事一覧

「やりたいこと」と「ルール」、どちらを採るべきか

 去年あたりから、事務所所属のバーチャルYouTuberやバーチャルタレント(以下VTuber)が卒業や契約終了、除名といった形で活動を終えることが増えてきた。  個別の事案については、当事者間の意向や判断なども絡んでいるため、一概に良し悪しを判ずることはできない。しかし、活動が活発的だったVTuberでも卒業の告知が出されるなど、順調にもかかわらず名義を捨てて事務所を去るパターンが見られ、以前に比べて事務所所属のメリットがなくなっている雰囲気だ。  一方で、にじさんじやホ

VTuberの健康について考える

 バーチャルYouTuberという文化が表に出てきてから既に長い年月が経ってきている。黎明期のハチャメチャかつ個性的な面々が人気を集める傾向はやや薄まってきたが、その分より広く、性別や年齢、国籍、本職の有無といった属性を問わない形で浸透してきているように思う。  その一方で、これまでの元気や若さを前提にして通してきた部分が通用しなくなり、主に健康面での暗い話題や不安になる話題を目にし耳にする機会が増えている。  にじさんじ所属のライバー『舞元啓介』が、健康上の理由から無期限

にじさんじ甲子園、対戦攻略のポイントと注目点

 今年もにじさんじ甲子園の季節がやってきた。  スポーツ選手育成ゲーム『実況パワフルプロ野球』でライバーの容姿を模したキャラクターを育て、チームを作って戦わせるというこの企画は、夏の風物詩として長らく親しまれてきている。2023年度は100人を軽く超えるライバーを上手く振り分けるため、過去最大の10チームが参加する形式となり、予選リーグから白熱した内容となることは確実だ。  さて、そんなにじさんじ甲子園においては、過去の大会からある程度攻略についての傾向が見えるようになって

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なぜ配信者は「登りたがる」のか

定期的に流行する『登る』アクションゲーム 最近、配信者界隈で流行している『Only Up!』というゲーム。その内容は、ただひたすら頂上を目指し、道中に配置された多種多様なアスレチックを乗り越えていくという、実に単純で明快なものだ。  上に上がっていくほど突破は難しくなり、より正確でスピードをともなう動きが必要となる。そのため、プレイヤーは何度も失敗し落下しながら、どうやれば乗り越えられるのかを探求し、試行錯誤を繰り返してゲームクリアを目指すことになる。  RTAでは20分を

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にじさんじライバーの変化とVTAがもたらす影響

大きくなって変わったこと 2018年に、2次元CGのバーチャルライバーをデビューさせて始まったにじさんじ。当初は自社アプリのテスターや販促としての意味合いも含んでいた彼らだが、5年が経った今ではいくつもの企業案件にかかわり、オリジナル楽曲をリリース、現実の会場でライブイベントを開催するなど、タレントとしての精力的な活動を展開している。  100人を超えるライバーがひしめく大型事務所となり、またある程度の年数と実績が積み上げられたことで、ライバーのキャリアプランやステップアップ

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発掘から育成への転換期

 2021年の後半から、えにからことANYCOLOR株式会社が取り組んできたプロジェクト。その結果の1つとして送り出されたRanunculus(ラナンキュラス)は、順当に成果を示しつつあると言っていいだろう。  バーチャルタレントアカデミー(VTA)の1期生から選抜された先斗寧(ぽんとねい)、天ヶ瀬(あまがせ)むゆ、海妹四葉(うみせよつは)の3名からなる同期グループは、イメージカラーやキャラクターコンセプトなどの設定面からも、順当な地固めを行っていることが伺える。  また、

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ユメノグラフィア撤退から考えるVRビジネスの難しさ

黒字での撤退宣言 ANYCOLOR株式会社(旧いちから株式会社)がサービスを提供していたVRコミュニケーションサービス「ユメノグラフィア」は、2021年末をもって終了となった。  このサービスは、VR機器を介して「キャスト」と呼ばれるキャラクター担当のスタッフとサービス利用者が1対1の交流を行えるというものだった。内容としては画期的であり、またキャストがYouTubeで配信活動を行っていたこともあってか、そこそこに知名度を獲得することに成功していた。  が、昨年の11月に突

量産戦略から厳選戦略への転換 ~えにから2021の奮闘~

『手厚く抜け目ない』2021年の新人 前回の『セレ女』デビューから約1年もの期間を置いて、2021年7月にデビューが発表された『エデン組』。前回と同じく同期5人体制となった彼らは、しかし前年と異なる様相をもってデビューを果たすこととなった。  揃って5人のキャラクター新造ではなく、オリバーは募集段階で事前公開していたキャラクターデザインである。また、アクシアとローレンの衣装を見れば気づくだろうが、カラーリングや意匠など2人が対となるように意識されたデザインとなっている。つま

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にじさんじには『人狼』がよく馴染む

 『汝は人狼なりや?』というテーブルトークゲームをご存じだろうか。簡単に説明すると、人狼と呼ばれる鬼役を推理し、全員が倒されるよりも先に鬼を見つけ出す遊びである。  このゲームでは鬼以外にも役割が宛がわれており、それぞれできる行動が決まっている。相手が鬼かどうかを知ったり、鬼の行動を阻害することができるため、駆け引きにおいては重要となる要素である。しかし、自身以外の役割はわからないため、必ずしも出てきた情報を信用できない。そのため、誰の言葉が正しいのかという点から疑いをかけて

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ホロライブ『清掃員事件』は何故炎上したのか ~印象から生じる批判論~

 バーチャルYouTuber事務所、ホロライブ所属の5期生『ほろふぁいぶ』のコラボ配信中の発言が取り沙汰され、炎上騒ぎになっている。これまでも数多くのトラブルが生じ、各界から批判の目が向けられる中での事件ということで、批判の声も一段と強い。 どんな発言があり、何が問題視されたのか 彼女らが何をしでかしたかについては、配信のアーカイブを見てもらうと良いだろう。  問題の発言がなされたのは、雪花ラミィ・獅白ぼたん・尾丸ポルカの3人がMinecraftをプレイしていた最中のこと

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エンターテイナーとストリーマーの境界 にじさんじライバーの二極性

 公式登録の配信者が累計で100人を超える大所帯となったにじさんじ。海外で活動するNIJISANJI IDやNIJISANJI KR、NIJISANJI ENなどを含めれば、常に100人以上が現役活動中である。  このような一大プロジェクトとなった現在、各ライバーの活動分野やスタイルは実に多種多様なものとなっている。その一方で、同系統の事務所によるマネジメントという共通前提を持った集団でもある。ゆえに、バーチャルYouTuberの活動の性質を調べるのに格好の対象と言えるだろ

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にじさんじ2020年組レビュー

 8月に世怜音女学院の5人がデビューを果たし、はや1ヶ月が経過した。彼女達を含め、2020年に活動を開始したにじさんじライバーは13人となり、各々が得意とする方面での配信や動画公開、企画への参加などを行っている状況である。  9月に入りイベント等が一段落したということで、今回は2020年デビューのライバー達について簡単にレビューしていこう。 メイフ(2020年1月期デビュー)ジャンル・性格ともに個性的でバランスの取れた3人組  バーチャルクリエイターを目指しているメリッサ

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『ARKにじさんじ鯖チーム対抗戦』はエンタメの到達点となるか

お祭りイベントとして編成された3度目の『にじさんじARK』 8月23日から始まった、にじさんじ所属のバーチャルライバー21人による合同企画『ARKにじさんじ鯖チーム対抗戦』。2月から3月頃にかけて話題となってきた恐竜ゲーム『ARK』の新マップを舞台に、チーム戦と銘打って行われている今回の企画だが、その様相は今までと大きく異なっている。  最初に開設されたアイランドや、戦争後に追加されたラグナロクといったマップでは、参加者それぞれの意思や判断を尊重し、トライブや同盟関係の成立を

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VTuberにとっての2Dと3D

ソフトウェアとしての2Dと3Dの違い YouTubeへの動画投稿から始まったバーチャルYouTuber文化は、性別や国籍を問わず広がり続けている。生身のYouTuber同様に企業とのタイアップを引き受けるだけでなく、企業の広報活動の一環として専属VTuberがデビューするなど、商業分野においても躍進の止まらない界隈だ。  そんな彼らにとって大切な要素のひとつが、キャラクターとして振舞うための肉体たるCGアバターである。演者の体や顔の動きをトレースし、表情や身振り手振りを再現す

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