まにまに‐ 第17回
”まにまに(随に)”= 物事の成り行きに任せる様
この記事は、2019年10月28日の最近の出来事や感じたこと、考えたことなどを、筆と気の向くままに綴っている、ただの日記です。
最近の仕事のこと
先週は特に新しい家具の仕上げには取り掛からず。
というのも、そろそろ次の買い付けに行かないとな~と夏ごろから考えてはいたのですが、来年のスケジュールのことなどで諸々とありまして。
今このタイミングでフルパワーで買い付けを行うことに躊躇。
でも在庫が欲しい。
と悩んだ挙句、デンマークのディーラーさんに相談してみることに。
このディーラーさんのところではお客様から頼まれていた家具と、前から入荷したら教えて!と頼んで取り置きをお願いしていた家具があったので
追加で一通りの家具の写真とプライスリストをメールで送ってもらい、12月初旬には日本に届くように手配をしてもらいました。
そのための書類作製やら請求書の処理やらを行っていたここ最近。
次回の入荷についてのお知らせです。↓↓↓
そして来年のスケジュールの諸々についてはまだ不確定要素が多いため、確定したらお知らせいたします♪
お気に入りの椅子
先日ご来店されたお客様に聞かれました。
「一番好きな椅子ってなんですか?」と。
そのお客様はデンマークのHans.J.Wegnerの「Yチェア」がずっと欲しくて買おうと思っている、みたいな話でした。(確かまだ買ってはいない、と言っていたはず。)
椅子って難しですよね。良い椅子はたくさんありますからね。椅子を選ぶって、ほんと難しいです。
で自分の一番好きな椅子ってどれだろう?と頭の中フル回転して考えて
なんとなく、僕の中で一番好きだと思っている椅子
「Hans.J.Wegnerの”CH-30”です」と回答しました。
お店の在庫では持っていないのですが、先日カールハンセン社に伺った際にこんなリーフレットを頂きました。今年かな?このCH-30という椅子も復刻されたそうで、取り扱っているお店では実物を試すことが出来ます。
この椅子のどこが好きかというと、すごく”ふつう”なところです。
たぶん、「椅子」というものを頭の中でイメージすると
きっと誰もがこんな椅子をイメージするだろうな、という、そんな椅子。
”ふつう”をデザインすること。
その”ふつう”を長く愛される製品として発表しつづけること。
”ふつう”を生み出すことって、きっとすごく難しいことなんだろうと思う。
(もしかしたらこの”ふつう”なデザインは、はじめから”ふつう”だったわけではないのかもしれない。。
長い時を経て、徐々に徐々に人の心の側で、”ふつう”になっていくのかもしれない。。
こんなことを考え始めると、禅問答のような迷宮をひたすらさまようことになるので、やめる。)
もちろんこのCH-30も、細部に目を向けると”ふつう”を超えた他とは違う美しさや、安心できる座り心地の良さも備えている。
奇をてらわず、普遍性をも損なわず、しかし確りとオリジナリティ溢れる美しさを両立させている。ウェグナーのデザインした椅子が広く評価されている所以でしょうか。
復刻された新しいCH-30も良いのでしょうが、ヴィンテージのものと比べると背板が心なしか肉厚な感じがしたような(記憶を探り探り、、)。
いつかヴィンテージのCH-30も仕入れてみたいな。
みんなが好きな椅子
好きな椅子と言えば、、
少し前に、ここ西荻窪の神明通りにある『信愛書店 en=gawa』さんから椅子の修理依頼を受けました。
『信愛書店 en=gawa』さんは本屋さん兼ギャラリーやらワークショップやらまちのみんなのコミュニティスペースとして西荻窪で愛されているお店。
そのコミュニティスペースで使用している椅子の背もたれがボロボロになってしまったので~という修理の相談です。
建前ですが、お店としては持ち込みでの『家具修理』は行っていないのですが、でも「家具を長く使いたい」という”使い手の想い”はすごく分かるし、出来ることは限られていますが、出来る範囲の中で、持ち込みでの修理も少しづつ対応していきたいと、密かに考えています。
今回依頼を受ける中で、信愛書店のオーナーさんからも
「みんなこの椅子が大好きなので、修理ができたらみんなが喜びます~」と伝えられまして。
これはやるしかない。
ということで先週の書類仕事の合間を縫って修理を行い
丁度今朝納品に伺ってまいりました~
なんと「おうさまのいす」だそうです。
きっと今頃オヤジさんたちが喜んでくれていると思うと、修理冥利に泣けてきます。。
好きな..
完璧余談です。
一年半前にデンマークの蚤の市で買った馬の木製オブジェ。
デンマーク語で馬は”hest=ヘスト”なのでヘスト君(と心の中で呼んでいます。そのまんま。)
僕のお気に入りです。
買った時から右足の膝あたりに骨折の手術痕もあり
また、このなんとも言えぬ怠けた表情が大好きだった為、非売品として店頭で飾ったりしていました。
そう、飾ったりしていたのですが、ある日、文字通り落馬(棚から落下)してしまい
右足分裂。
買った当初から接着剤だけで、結構雑に接いであったため、このままでの圧着は難しいだろうなと、しばらく放置していたのですが
ちょっと空いた時間を見つけてようやく手術を行いました。
復活しました。
凛とした佇まいがなかなか麗しい。(非売品です。)
さてこのヘスト君。
家具屋として一つ気になっていることがありまして。
それは、何の木だろう?ということ。
・かなりはっきりとした黒い縞模様。
・結構堅い。そして若干重い。
チーク材ではない。ローズウッド材でもない。
ローズウッド材と同じマメ科のゼブラウッドやぺリコプシスとか。
恐らく南洋材のどれかだとは思うのだけど。
うーん、気になる。なかなか良い木だと思うんだけどな~。
うっすらウレタン系の塗膜が邪魔で色がはっきりしないので、今度オイルで仕上げて濡れ色を見てみようと思う。ヘスト君の件もまた、報告します。
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そんなこんな軽い感じの、”まにまに-第17回” でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございます◎