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好きな詩 とか(2022年)

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#ポエム

望郷

望郷

森の景色は
ここにはない

森から街に下った
小さな私は
楽しい気持ちで
歩いてる

光る電気信号
たくさんの自動車
流れる人と
高い建物の群れ
時間は早く流れる

森にはない景色
街は楽しい
いろんな魅力に
あふれてる

いろんな夢に
あふれてる
人はここで夢を叶える
私も夢を叶えたい

夢を描いて
ふと歩いている道
踏みしめた
一枚の落ち葉

ふと我に戻った
気がして
足元を見つめれば
豊かな

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自惚れガールになりたいわ

ダイエットの神様にそっぽむかれてわたし、死にそうな顔してミルクティーを飲む。女の子はあざとさの鬼ごっこをする。並べられた可哀想という言葉、蔑んだ目線、おしまいのない見定め合い。わたしは仕方なく愛しさの亡骸を抱く。
夜になるといらっしゃいませの温度がだだ下がりして、こすった目で視界は滲む。対峙したエクセルのセルは地獄に見えて、意思に反する時計は悪魔と化す。店の隅で数時間もあの子は、スマホとにらめっこ

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サヨナラ

崩壊して行く世界に
言葉は何の意味も持たない

ありがとうも愛してるも
おはようもおやすみも
すべては過去という暗闇に
放り捨てられてしまう

唯一意味を持ったその言葉は
サヨナラという冷たい響きを持って
二人の間を駆け抜けていく

サヨナラわたしの王国

二人で築きあげた
楽しさや嬉しさ
悲しみや寂しさ
幸福や不幸は

もう何の意味も持たず
灰色に朽ち果てていく

サヨナラ

この言葉は未来へと

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現実逃避

現実逃避

逃げてきた
現実から
深い森の奥

現実は追っては
来れない

ここは
人間が決めた
価値観は何もない
答えもないし
正解もない

ただ森が
空が広がるばかり
時間も
ゆっくり流れる

何も
求められない
求めるものもない

ありのままの
私の時間が
ゆっくり流れてく

八重桜の川

八重桜の川

八重桜の
花びら
風にのって
さらさら

陽射しが
豊かにやわらぐ
花びらの風よ

私の悩みも
どこかの宇宙(そら)へ
流してはくれないか

花びらが
空に描いた
天の川

清い流れよ
桃色の花びらと
一緒に
私の悩みを
流してはくれないか

白いアベニュー

白いアベニュー

新しい雪
たくさん積もる
この街並み

陽が射せば
白いアベニュー

きらきらした
街を歩いたら
嬉しい気持ち

描いてみよう
私の新しい物語を
いまここから

新しい雪に
新しい自分を
見つけて

雪原の花

雪原の花

枝に積もった
雪は
桜の花

野原に積もった
その雪は
淡い花畑

降る雪は
散る花びら

白いおぼろに
心を開けば
大地は豊か

小さな
蜂になり
雪の花畑を飛び
甘い蜜を
吸いにゆく

心を
ときめかせて

冬に咲く花の
透明な命の
清い蜜を求め

青い景色

青い景色

青い花が
群れている
丘の上から
眺めたは

それは青い
空でした

前に見えるは
青い海
青いばかりの
この景色

風に吹かれ
青い花
小波のように
咲いている

もうすぐ
見えよう
茜色の夕日

青い景色は
どんな色に
なろうもの