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左端の椅子に選ばれたい

ふと、なんとなく「選ばれてこなかったなあ」と思います。

選んでくれる人いたじゃん、と言われます。確かに、私は大学入試を突破して学部に選ばれました。高校の担任の先生は私を卒業記念品授与代表者に選んでくれたし、中学二年生の時に一度だけ、学級委員に選んでもらいました、あれは今でも私の宝物です、まあ向いてなかったんですけどね。他には、友人は私に興味を示して、会う事、話す事を選んでくれた。ありがたい話です、まあこれは私の性格が良くなったからだと思いあがっておきましょう。


でも、大学合格とか、○○代表とか友達って、私だけじゃないじゃないですか。そんで、私にとってはその相手をただ一つだと思っていても、相手は私以外にも選択肢があるじゃないですか。


ちょっと話がずれるんですけど、私、あんまり苦手なものとか嫌いなものとか、作らないようにしてるんですよ。食べ物も、人間も、趣味も。だから、好きじゃないとか、苦手とか、そういう言葉を使うようにして、直感で苦手でも慣らして慣らして、だんだん好きになろうとしてきたんですよね。あいみょん最初は苦手だったけど、何度も聞いてたマリーゴールド、今ではカラオケでよく歌います。そんなかんじで善人ぶってるんですけど、それでも、やっぱり、はっきりと大嫌いだと言いたくなる人が、少しはいます、人間ですから。私が一番嫌いなのは、「あなたのことが一番だよ」って四方八方言いまくって人を傷つけることに何とも思わないテンプレn股人間なんですけど、でもその次の次の次、レジで理不尽クレームつけてくるおっさんの二つあとくらいに、「○○が一番の友達だよ」ってあちこちで吹聴する人が、非常に苦手です。一番の友達、何人いるんだろう。そしてそんな人間は決まって魅力的で彼氏がいるので、それこそ狂おしいほどに嫉妬します、嫌いになんてなれるわけないだろうがこの人たらしめ…と呟くように白旗を掲げるのです。苦手と言いつつ惹かれてしまってる時点で大敗北です。

話を元に戻すと、友達と恋人の違いは一番かどうかなのかな、と思います。
かつて、友達と恋人って一体何がそんなに違うんだろ、と真剣に考えたことがあります。友達って、やっぱり恋人には勝てないじゃないですか。大好きな友達に、彼氏ができると、やっぱり決まってショックを受けるんですよ。勿論、嫉妬もあるかも、それは否定できない。それでも友達が幸せそうなら、それでいい。でも、これから彼氏がいる限り、友人の最優先事項に私が一瞬でも居座ることはないんだなあと思って、凄く寂しくて、やっぱり悔しい。なんか、彼氏に友達を取られたような気持になってしまうんですね。ここでふと、これって独占欲なのでは?と考えました。私ってもしかして女子が好きなのか?いやでもな、男性にドキドキするんだけどな。あれ、でも急にくっついてくる女子にもドキッとするし嬉しくなるなあ。じゃあバイなのか?でも軽率にバイかもなんていったら本当にそれで悩んできた人に失礼じゃないですか。私が、彼氏ができたことがない現状から目を背けるために、女子が好きなんじゃないかと考え始めたみたいじゃないですか。そして何より、ほんの少しだけ、彼氏がいない理由を探してこんなことを考えているので、救いようがないじゃないですか。

もうわかんないや。感情論で考えたらお手上げでした。友情も恋愛感情も、私が憧れてやまない数学で、論理的に考えられたらよかったなあと思いました。そこでふと、確率の話を思い出しました。

友人になる確率って、組み合わせなんですよ。バイトの人、部活の人、ゼミの人、たくさんいる「関わる人間」の中で、これもこれも、ああこっちもよさそうだなあって感じた〇人から△人を選ぶ確率なんです。数学問題になっていない?いいじゃないですかたとえ話なんだから。
それでね、恋人になる確率って、順列です。ちょっといいなと思ったり、仲が良くなったりした人たちの中で、順番に並べて左端の第一位の席に座れる確率。〇人分の1です。ちなみに、そこに座った人間があなたも第一位の席に座らせてくれたら、便宜上の両想いです。本当は、その左端の第一位席の、何もない左隣には、過去の人がいたり列にすら並べない人がいたり、するかもしれませんけどね。

なんの話だっけな。そう、友人と恋人の違いですね。順列と組み合わせなんて、もうフィールドが違いますよね。もしかしたら、たくさん選んだ□人をさらに順番に並べて、なんて入試問題みたいな、友人の順番みたいなのもあるのかもしれませんけど、はっきり言って恋人の順列確率から言ったら勝ち馬みたいなもんですよ。

そう考えると、やっぱり一度でも恋人ができた人って選ばれた事のある人たちなんだ、すごいなあと思うのです。どれだけ続いたかとか、ノリで付き合ったとか、そんなことはどうでもいい。とにかく、「一番ですよ」って、自分にとって大事な人の数ある選択肢の中から左端の最重要席に選ばれた事、それってものすごく自信になるじゃないですか。二人の間で選びあって、本心はどうであれ自分の最優先事項に相手を置いた。すごいなあ、対人消費カロリーでいえば水泳並みの重労働です。

そして、漸くここまで書いて、私も「私の左側寄りの人たちの、左端の席に選ばれたい」っていう本心に気付けました。


じゃあ、私の左端って誰だろう。空席、ではない気がする。でも誰かが、いる気がする。そう思って、ちらっと覗きに行きました。

そこにいたのは、でした。

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