息をする場所が欲しくて作りました

息をする場所が欲しくて作りました

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とりとめのない。

話はとりとめがない。そういうものだと思う。 だって、人生だってとりとめもないでしょう。 主語を大きくすればそれらしくなるって? でも、主語が大きいほうがそれらし…

斑
3年前

暗闇にいると話していたくなる

今のことだけれど、ふと自分の手を見たらしろくてくろくてあおくて吃驚した。 不意にわたしはまた、ふ————っ……と沈んでいった。 ついさっきまで、ぱちゃぱちゃと水面…

斑
4年前

2019年

2018年の末はどういう気持ちだったかな。 慌ただしくて、年末だとか年始だとか、それどころじゃなかった。 2019年。 1月。 前年末に劇悪化したアレルギー治療のためお医者…

斑
4年前
2

深い愛の血

 わたしの母は、愛が深い。  わたしのこれまでの母とのかかわりを振り返ってみても、愛するがゆえに「どうして伝わらないんだ」と苦しんでいたように映る。  母は、子供…

斑
4年前
3

息をする

 金木犀が咲いた。  これから暫くは、沢山息をしないと勿体無い。  中学生くらいの時から、人は絶対に孤独なのだと思っていた。  それを忘れかけていたけれど最近、思…

斑
4年前
とりとめのない。

とりとめのない。



話はとりとめがない。そういうものだと思う。
だって、人生だってとりとめもないでしょう。
主語を大きくすればそれらしくなるって?
でも、主語が大きいほうがそれらしくなるよね。

わたしが昔むかし好きだったひとの話をします。

そのひとは本が好きで物語が好きで音楽が好きで、
わたしのことを好きなひとでした。
そのひとは寂しがり屋で愛されたがり屋で欲しがり屋でした。
前に付き合った女の子にこっぴどく

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暗闇にいると話していたくなる

今のことだけれど、ふと自分の手を見たらしろくてくろくてあおくて吃驚した。
不意にわたしはまた、ふ————っ……と沈んでいった。
ついさっきまで、ぱちゃぱちゃと水面を飛び跳ねて遊んでいた軽いからだのこどもが、ぱたりとゆらりと倒れて深くて長い水中を落ちていくみたいに。
ついさっきまで、ぱちゃぱちゃと水面を飛び跳ねて遊んでいた軽いからだのこどもが、ぱたりとゆらりと倒れて深くて長い水中を落ちていくみたいに

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2019年

2019年

2018年の末はどういう気持ちだったかな。
慌ただしくて、年末だとか年始だとか、それどころじゃなかった。

2019年。
1月。
前年末に劇悪化したアレルギー治療のためお医者を調べまくり通う。
自然派治療に傾倒する。
化学的なものに敏感になる。

2月。
信頼できるお医者に出会え、結局標準治療をすることに決める。
大規模病院に3週間ほど入院。
パートナーとの関係、家族の有難み、会社、生き方、自分の

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深い愛の血

深い愛の血

 わたしの母は、愛が深い。
 わたしのこれまでの母とのかかわりを振り返ってみても、愛するがゆえに「どうして伝わらないんだ」と苦しんでいたように映る。
 母は、子供たちがどんなに世間からずれても、最後にはずっと味方でくれる大人だった。
 最初はほとんどひとりで子供たちを育て、愛するひとをうしなってもとにかく子供たちと生き抜くことを頑張り、内的な愛情の枯渇と外的な愛情の放出という混沌の奥深くで自分の愛

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息をする

息をする

 金木犀が咲いた。
 これから暫くは、沢山息をしないと勿体無い。

 中学生くらいの時から、人は絶対に孤独なのだと思っていた。
 それを忘れかけていたけれど最近、思い出した。
 思い出してから、何も言えない気分になり、
でも押し黙っていると死んでしまう気がした。
 昔のわたしはそういう時によく自分を殺していた。

 幸せな気持に包まれて過ごし、
沢山傷付いて沢山愛し、愛され、過ごしているうちに、

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