当局の新型コロナウイルス対策に振り回される中国石家荘市民と外地からの大学生
★(日本語では石家庄ではなく、「石家荘」と表記されている場合が多いようですので、そのように変えました)
中国国家衛生健康委員会が今月11日、新型コロナウイルス対策を一部緩和する20条を発表しました。
二十条発表3日後の11月14日、石家荘が大発表!
河北省石家荘市は約1,100万の人口をかかえる都市です。
14日時点で、無症状を含む新規国内感染者が440人確認されています。
(株式会社NNAの記事参照)
日本の状況から考えると、さほどでもない気もしますが、石家荘に住んでいる中国人の友人に聞いたところ、
「全国数一数二严重的城市」(quánguóshǔyīshǔèryánzhòngdechéngshì)「中国全土でも一、二を争うほどの深刻な状況の都市」だそうです。
そんな状況にも関わらず、石家荘市内では15日から突然、地下鉄などを利用する際に求めていた72時間以内の陰性証明が不要になりました。一部の商業施設も陰性証明なしで入場できるようになりました。
市内の様子が一変!驚く友人
15日、突然石家荘の景色が一変したそうです。彼女はこう言いました。
「小区的大白,做核酸的桌子都没了!」
(xiǎoqūdedàbái,zùohésuāndezhuōzidōuméile)
「居住区で防護服を着た人も、PCR検査をするテーブルも全部消えた!」
15日、石家荘の小学生全員が病気で欠席!?
感染者が増加し、自宅でオンライン授業を受けていた小学生の保護者あてに14日、学校から通知が来ました。
「15日から学校へ来るように」
以下は通知を受けた親たちが、学校へ送った画像です。
なんと、生徒全員が「欠席します」と書いています!
已请假(yǐqǐngjià):欠席をお願いしています
「歯が痛い」「お腹が張る」「アレルギー性鼻炎」「のぼせ」などなど、いろんな理由が書かれてあります。親としては、学校で感染することを大変恐れ、子どもを行かせたくないと友人が言っていました。
小学校は現在もオンライン授業が続いています。
中国全土初めての試みのため、ネットでも一時、石家荘が話題の中心に!
★「摸着石家庄过河」(Mōzheshíjiāzhuāngguòhé)
石家荘を探りながら川を渡る
★「试点」(shìdiǎn)
(政策や制度の)試行地区
★「小白鼠」(xiobáishǔ)
(ここでの意味は)実験台
石家荘に関して、上記のような表現が使われていました。
翌日石家荘は発表内容を全て撤回!!
14日の大幅緩和発表翌日、15日夜、石家荘はコロナ対策を今までの状態に完全に戻しました。
ネットではこんな表現が...
「昨天喝醉了,今天酒醒了」(Zuótiānhēzuìle,jīntiānjiǔxǐngle)
(昨日は酒に酔い、今日は酔いがさめた)
外地からやってきた大学生が悲惨!
石家荘の中学、高校、大学は、突然2か月くらい早い「冬休み」になりました。かわいそうなのは、黒龍江省や江蘇省など、外地から来ている大学生です。
大学は封鎖になりました。
ある大学生は、17日の午前3時に突然「家に帰りなさい!」と大学側から言われ、その場で強制的に宿舎を追い出されました。
下の画像は、石家荘の駅に並んで、家に帰ろうとしている大学生です。
駅に入れず、ATMの設置場所で一夜を明かした学生もいたそうです。
大学には戻れません。
ネットでは「コロナをばらまく気か!帰ってくるな!」という内容の投稿が多く、そんな中で帰宅する大学生さんたちは、心身ともにヘロヘロになったと思います。
石家荘の20日の新規感染者数は、600人を超えました。その後も増加傾向にあります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
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