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予算, 消費税, 金融所得課税

高橋ダンのダイアリー
令和2年2月17日

今週の予算委員会

第201回国会(常会)における予算委員会の続きが今週行われました。令和2年2月14日午前9時に第15委員会室で財務金融委員会が開会され、私はNHK中継で観察しました。最も印象に残った部分について自らの所見を述べたいと思います。

第一に、 当初予算の課題について質疑が行いました。財務省の2020年当初の予算が、なぜ+1.4%の国内総生産率(GDP率)の根拠をもって集計しているのかと質問がありました。日本中央銀行 (日銀)が2020年の見積もりとして公表してる GDP率 は +0.9%なので、財務省の仮定と0.5%の差があります。しかも、日銀が予測している国内総生産率+0.9%は楽観的な予測に見えると思います。なぜなら、日銀は +2%の物価上昇率(インフレ率)を根拠 としてGDP率を算していて、現在のインフレ率は0.7%程度なのです。2019年第4四半期は消費税増加などの影響でGDP率は ー1.6%のマイナスでしたので、この傾向は2020年にも継続する可能性はあります。財務省は過大な税収を見積もりとして計算されていると思います。来年の年明けには2020年補正予算で減額が必要となる確率は高く、財政の健全化は税制予測の正確度から始ると思います。

当初予算の見積もりについて、麻生財務大臣はGDP率に影響を与えるサプライチェインを予測するのは難しいいと認めました。2019年第4四半期のGDP率は日米貿易、台風、暖冬などの影響がありましたし、2020年にはコロナウイルスも経済に影響を与えるかもしれないと述べました。しかし、これらの問題は長期的ではないので、回復して2020年には63兆円のGDPは達成できるであろうと麻生財務大臣は述べました。

第二に、 消費税の課題について質疑が行いました。地方では最近の消費税増加が引き金となって倒産してる中小企業が多くなりました。前回の消費税増加で5%から8%に上がったときに比べて消費者に価格添加できなかった企業が増えている影響もあります。さらに分析すると、企業から消費者への添加(B2C)の方が企業から企業への添加(B2B)より難しく、滞納の数が上がり、倒産する個人企業経営者が多くなったこともありました。

麻生財務大臣は消費税について答弁しました。 最近の8%から10%への消費税増加では、自動車中小企業アンケート調査によると、すべて価格添加できたと答えたのはB2Bで88%、B2Cでは76%でした。 さらに、滞納の件数を全体の割合で計算すると、消費税が5%のときは28%、 消費税が8%のときは33% 、 消費税が10%のときは44% でした。 麻生財務大臣は、少子高齢化は日本社会での最も深刻な問題の一つであり、消費税の追加税収は未来への負担軽減に利用したいと、答えました。

第三に、 金融所得課税の課題について質疑が行いました。 高所得者層では株式等の譲渡所得の割合が高いことや、金融所得の多くは分離課税の対象になっていること等により、高所得者層で所得税の負担率は低下しています 。下に添付してあるグラフで分析してみますと1億円を超えると所得税負担率が下っています。

金融所得課税については 、増収額の見積りをするのは混乱を招く、と麻生財務大臣は答弁しました。 麻生財務大臣は経済の影響は総合的に検討すべきだと簡潔的に述べました。

私は、この財務金融委員会で議論された話題は日本にとって重要な議題だと思いました。財務省の見積もりGDP率がこれほど日銀の見積もりGDP率より上回る理由を次の財務金融委員会でもっと深く議論してもいいかと思います。 麻生財務大臣が答弁した消費税ののデータを見ると、確かにB2Cの価格添加の方がB2Bより難しいいようですし、 消費税を上げるとは滞納率は上昇するようです。 高所得者層で所得税の負担率が低下してるのは他の先進国でも時々ある事実で、理由も似ていて、株式等の譲渡所得や分離課税の割合が高所得者層で多いためです。日本で高所得者層の負担率が低下しない公平な税制度を作るにはやはり議論がまだ必要かと思います。

高橋ダン
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