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はじめての家族たび〜美味しい食事と人の温かさに触れて改めて家庭の大切さに気づく〜

こどもが出来てはじめて家族で旅行をしました。
実はずっと夢だったんです。
コロナで自粛していた中で、全国旅行支援が始まったのをきっかけに決断しました。

わたしは、環境の変化が苦手で、床が変わると寝れなかったり、知らない土地だと緊張してとても疲れるので、これまで旅行の手配を自らしたことがありませんでした。

ありがたいことに、周囲に旅行好きが多く計画を立ててもらい「誘ってもらってやっと重い腰を上げる」という環境で過ごしてきたのですが、今回はじめて計画を立てる側に回りました。

ネットを使っていろいろと調べて、目的地を決めて1日の予定を立てて、さあ宿泊施設はどうする?となった時に、目的地周辺にあまり宿がないことが分かりました。

そんな中で調べていると少し離れたところに、口コミが大変良いペンションがありました。HPを見てみると雰囲気も良さそうで、ビビっときてしまったんです。

「これは絶対いい!いきたい!」と胸を膨らませワクワクしていると、主人にまさかの大反対を受けました。

理由は、料金でした。主人はとても倹約家なので厳しいというのはありますが、わたしも宿泊施設のそもそもの相場が分かっていなくて、動揺して一緒に調べてもらいました。

すると、どこも休日は値段が上がることが分かり、食事付きの値段だと他と比較するとお得感があるため、何とか了解をしてもらえました。

しかし、ずっとその時に言われた「絶対実際はHPみたいじゃないと思うよ。口コミも当てにならないんだからね」という言葉が引っかかって、楽しみだった気持ちが不安へと変わっていました。

当日旅行先で遊んで宿に辿り付きました。不安でいっぱいになっていたペンションは、たしかに写真で見るのと印象が違いました。

思っていたより、古かったのです。

部屋の鍵が、取っ手式で一昔前のトイレの閉め方というか、反対側のボタンを押してから鍵をかけるという仕組みで最初分からなくて困惑しました。

築年数がちょうどわたしと主人の同じ年代で自分たちが生きてきた年数を重ねたりもしました。

「ちょっと思ってたのと違ったかも。失敗だっ
た?」と着いてから不安になりながら、キッズルームで子どもと遊んでいました。幸いにも子どもはとても楽しそうでリラックスした様子でした。

そんな中で、こころの変化が訪れたのが夕食の時でした。

受付の時は強面で近寄り難く感じていた店主さんが、優しく声かけをして下さって、出された1品目の料理に「うわっ」と胸が高揚しました。盛り付けがきれいで、どれも美味しそうでした。


料理の内容を店主さんが気さくに丁寧に心を込めてつたえてくれました。

味わってみるとどれも新鮮で抜かりなかったです。何気なく添えられたお野菜(例えば茹でられたブロッコリーだったり)まで普通とは一味違って愛情とこだわりと温かさが感じられるお料理でした。

わたしは、美味しい料理に出会うと食通だった大好きな祖父を思い出すのですが、「おじいちゃんの家で食べた味を更に美味しくしたやつだ〜」とずっと感動していました。

いつも何かしら考えや感情が頭の中を巡っていて忙しいのですが、メインのステーキを食べた時は「美味しすぎて何もかも吹っ飛ぶ」という初めて食の絶頂体験なるものをしました。


自然と笑顔が溢れてきて、向かいに座っている主人も食べる手が止まらなくて「ああ、美味しんだな」というのが伝わってきて嬉しかったです。

食後に出てきた手作りのシフォンケーキもキメが細やかで、あとになって「あのケーキまた食べたいな」としみじみ感じる味でした。シメに飲んだ紅茶までも濃くて深みが感じられて美味しかったです。


最近「食」の大事さを感じていて、もっとご飯を上手に作れるようになりたいけれど、どうしたらいいんだろうと思っていました。

そんな中で、料理は作り手の人柄や
思いがこんなにも伝わるものなんだと実感しました。

「食べる人のことを思って、丁寧に心を込めて料理をすること」が上達の秘訣なんだろうなと気づかされました。


はじめは、予想より古く感じたペンションでしたが、段々と懐かしさを感じるようになりました。

それも、そこに置かれたおもちゃや、所狭しと置かれた漫画や絵本や本の中にわたしが子供の時に慣れ親しんだものが多くあったからです。

もう建て壊してしまった実家を彷彿させる部分がたくさんあり感慨深くなりました。

家族が寝静まった後に、もう寝なきゃと思いながら、受付近くにあった本のコーナーに立ち寄りました。

店主の方が読んできたであろう本と、おすすめの本が見えやすく並べられていてミニ本屋さんみたいになっていて、テンションが上がりました。

そんな中、女性の店員(店主の奥さんらしき方)が「本お好きなんですか?」と声をかけてくれました。

そこで、店員さんが「わたしの1番のおすすめがこれです」と差し出してくれた本が、なんとわたしもこれから読もうと家に買ってある1冊で話に花が咲きました。

最近は人との会話が減ってしまって、うまく打ち解け話しができない自分に凹むこともありましたが、久しぶりに本をきっかけに会ったばかりの人と楽しく話しを交わすことが出来て、旅の思い出になりました。

こういう何気ない人との関わりが結構こころを慰めてくれるなと感じました。

寝る時にいろんなことを思いました。実家の家族のことを思いました。

よく旅行に連れて行ってくれたこと。自分は恵まれていたということ。愛されていたんだなということ。守られていたんだなってこと。それにも気づけず反発と破壊に進んでいったなということ。

家を出て、自分の家族を持って初めて当たり前にあった生活が両親がいろいろな努力や思いをして与えてくれていたことに気づきました。

生きるって大変です。そんなことを感じる中で、やっぱり身近な人の愛情に支えられることが大きいなと感じています。

自分の原点(ルーツ)を思い出させてくれる旅でした。行くまではまさかこんな気持ちになるとは思っていませんでした。

1日しか経っていないのに、多くの発見があって、旅行する前と後では自分が変わってしまったような感覚に陥っています。そして、楽しみがひとつ終わってしまった物悲しさを感じています。

また行きたいな、旅行。そして、あの思い出深いペンションにも。
非日常体験って良いなと思わされた1泊2日でした。


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