米国株、ダウ反落し348ドル安 米国債の格下げを嫌気 ナスダックは続落

米国株、ダウ反落し348ドル安 米国債の格下げを嫌気 ナスダックは続落

米国・欧州株概況

2023年8月3日 5:35



【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比348ドル16セント(1.0%)安の3万5282ドル52セントで終えた。大手格付け会社が1日に米国債を格下げした。市場予想を上回る雇用指標の発表もあり、米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識され、売りが広がった。ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった。

フィッチ・レーティングスが米国の長期外貨建て発行体格付けを最上級の「トリプルA」から1段階引き下げ「ダブルAプラス」にした。今後3年間で予想される財政悪化、債務上限を巡る政治対立に代表される統治上の問題などを理由に挙げた。市場では「格下げの理由は新たな問題を提示した訳ではないが、発表時期は驚きを誘い利益確定の売りのきっかけとなった」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との声が聞かれた。

堅調な雇用指標も相場の重荷となった。2日発表の7月のADP全米雇用リポートは非農業部門の雇用者数が前月比32万4000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(17万5000人増)以上に増えた。4日には7月の米雇用統計の発表を控える。労働需給の逼迫を背景とした物価高が続き、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを停止しにくくなるとの観測を誘った。

米債券市場で長期金利は一時前日比0.10%高い4.12%と昨年11月以来の高水準を付けた。相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株は売られやすかった。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースが安かった。半導体のインテルや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、航空機のボーイングも下げが目立った。

半面、医療品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や製薬のメルクなどディフェンシブ株は買いが優勢だった。四半期決算を発表した同業のCVSヘルスに連れ高し、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは4%高となった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比310.466ポイント(2.2%)安の1万3973.447で終えた。前日夕に四半期決算を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は7%安で終えた。同業他社にも売りが波及し、エヌビディアは5%下げた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズ、電気自動車のテスラなど主力株も軒並み売られた。

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