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2020年12月の記事一覧

最後の雨

最後の雨

最後の雨
覚悟もないまま
迎えた


朝はどこからやってきて
人は死んだらどこへ向かうの
最後の問いは重い曇り空に吸い込まれ
わたしは少しの後悔を覚え
思わずあたりを見渡してみた

過去に散らばった沢山の孤独と
今ここにいるわたしとを見比べて
何も違わないと気づいた
優しさと嘘と煮えきらなさの間で
わたしを憎むわたしがいた

長い冬
だから
覚悟なしには渡れない
過去と未来の架け橋
それなのにわ

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お祈り

お祈り

裸になった木が
神様に
お祈りをしているように見えたから
わたしは
誰もが
ひとりぼっちになると
お祈りをするのかなって
思った

あの日、きみの歌を聴いて
涙が出なかったこと
今でも悔やんでいる
それは
きみの愛が哀しくて
わたしの不器用さが哀しすぎたから

今宵わたしがお祈りをするのは
あのひとがいるからで
それは
愛しいからで
涙が出ないわたしに
あのひとは
誰よりも優しく
哀しく笑ってくれ

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愛という名の怒り

愛という名の怒り

あなたが愛という言葉を口にするとき
絶望と憎しみが溢れ出す
人として生きることが
あなたを苦しめていた
そんな頃があったのだと
思う

わたしが愛という言葉を口にするとき
悲しみと怒りを思い出す
愛は怒りだ
そう思ってがむしゃらに
人を愛し続けた
そんな頃があったのだと
思う

この社会
この人間
この命
わたしたちは
人形じゃないと
叫びたかった
生きるということは
憎むことであり
怒ることであ

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暮れ

年の暮れ
ネオンの色
駆け足で街にやってきて
過ぎ去っていく
逃げ場のない派手なクリスマスソング

わたしたち
いつしか忘れてしまった
失った歳ひとつ
戻らない時ひととき
この凍える体に
身籠ることを

騒々しいだけの
クリスマスやお正月ならいらない
ただ白い祈りさえあればいい
それが寒さであればいい

そうすれば
落ちる木々の葉の
黄や赤をひとつひとつ
覚えているだろう
小さく光る緑を
思い出し

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