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愛という名の怒り

あなたが愛という言葉を口にするとき
絶望と憎しみが溢れ出す
人として生きることが
あなたを苦しめていた
そんな頃があったのだと
思う

わたしが愛という言葉を口にするとき
悲しみと怒りを思い出す
愛は怒りだ
そう思ってがむしゃらに
人を愛し続けた
そんな頃があったのだと
思う

この社会
この人間
この命
わたしたちは
人形じゃないと
叫びたかった
生きるということは
憎むことであり
怒ることであり
時に泣くことだった
悔しかった
何がと言われれば
すべてが

そんな頃

あなたとわたしは
別々の場所で
別々の人たちと
翌日には忘れてしまうような話をして
笑いながら
絶望しながら
それでも諦めきれず
それが人間だということを
知った

2020.12.2

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