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クラスがしんどい。 その1 ヤバいと思ったら、逃げるが勝ち。

 初めまして。私は公立中学校で教師をやっています。教師歴は今年で14年目です。今は1年生の副担任で教務主任ですが、昨年までは初任からずっと担任で、学年主任も3年間経験しました。
 最初に赴任した学校は都市部から離れた貧困地域にあるいわゆる「困難校」で、校内でタバコはもちろん、校内暴力、破壊行為、ここでは書けないような触法行為を安易とやってしまう生徒たちと、毎日がスペシャルな日常を8年間過ごしました。今思えば、彼らとのしんどいながらも喜怒哀楽に溢れた生活が、いまの自分をつくっているなあと感じています。

 さて、このnoteでは、担任しているクラスが荒れてしんどい、授業が成り立たなくなってきてしんどい中学校の先生に、私がこれまで試して効果のあった小手先の技術を伝えて、ちょっとでもしんどさを軽減できないかと考えて書いています。なので100%私の経験で書きますので、どこの学校でも、どの先生でもできるか、うまくいくかどうかは分かりません。でも、私が今仮に、クラスがしんどくなったらまずこれをやる!というものを書くつもりです。
 
 最近本屋の教育書のコーナーに行くと、主体的・対話的で深い学びだとか、GIGAがどうだGoogle Workspaceがどうだとか、そういう本が平置きで並んでいます。ですが、今現場でしんどい先生に、そんな本はなんの役にも立たないのではないでしょうか。今現場で本当に必要なのは、教え方がどうとか新しい学びがどうとかではなくて、しんどい状況をどうしなやかに乗り越えるか、そのために生徒とどうやってコミュニケーションを図り、集団とどう関わり合うか、というちょっとしたコツや、小手先の技術なのではないでしょうか。

 あと、私がこれを書き始めた10月初め、まさに私の勤務する中学校のあるクラスの担任の先生がしんどくなっています。まだ授業は成立している状態ですが、クラスの男子の数人が授業に全く集中できず、何もしない、もしくは授業を妨害する様な言動が目立ち始めています。そういうムードは他の生徒にも伝わって、コミュニケーションが尖り始め、やがて暴言や暴力へとエスカレートします。もうすでに担任の先生は元気がなく、ホームルームを終えて職員室に戻ると、大きなため息をついていました。問題の数人の男子のことで頭がいっぱいなのでしょう。そういう時って、問題の生徒の事しか考えられなくなって、その他の大多数の生徒はうまくいっている、あるいは問題が無いとことに気づきません。そう、まだ数人の生徒と自分との関係性の悩みを、クラス全体がうまくいっていない悩みにすり替えてしまうのです。こうなってくると、問題の生徒にばかりに目がいって、肝心のこちらに向いている生徒の心をこちらに留める方策を取ることができなくなります。そして、こちらを向いてくれていた生徒の信頼も失うことになってきます。そうなってくるとクラスのしんどさは全体に波及して、深刻さを増していくのです。

 その担任の先生が少しでも生徒との関係性を改善させて、クラスのしんどさを減らすことができよう、私のコツや技術を伝えるためにこのnoteを書こうと思います!

 では今回は手始めに、大前提の技をまずひとつ。

ヤバいと思ったら、逃げるが勝ち。

・・・いきなり逃げてんじゃないかよ、と思われるかもしれませんが、すごく大事な技術です。しんどさを抱えているあなたが元気になるためには、まずはその場を、そのクラスから離れることが一番大事です。無理して続ける必要はありません。ヤバい、と思ったらすぐに休みを取りましょう。
 体調に支障をきたしてからではちょっと遅いです。学校に行きたくないな、と思ったら休暇を取りましょう。理由もいりません。「今日は休ませていただきます。すいません。」で良いです。中学校なら担任いなくても授業は進むし、自分の授業は自習にすればいいんです。管理職に理由を聞かれて話が伝わる様な人でなければ、「私事都合です」と言いましょう。
 あと、自分のクラスがしんどくなったときによくあるのが、自分の学級経営の至らなさがこう言う状況を招いている、という誤解です。それは本当に誤解なので、絶対にそう思わないようにしましょう。クラスがしんどくなるのには色々な要因が重なっています。クラスのメンバー、学力、時間割、家庭の状況、学年の担当教員メンバー間のパワーバランス(たいてい、厳しい教員のしわ寄せが立場の弱い教員にいくんです。中学校はこの要因が結構大きい。)、さらには学校の体制の問題かも。もし、クラスの荒れをあなただけの責任だ、という管理職や同僚に会ったら、その人は頭がおかしい人です。すぐに距離を取って自分を守りましょう。
 クラスの生徒や学校よりも、自分を一番大事にしてください。自分が大事にできなければ、人のことも大事にできませんよ。
 その場を逃げたからと言って、すぐに教員をクビになることはありません。公立であれば異動して心機一転やることもできるんです。今の学校で教師をやることだけが教育ではないのです。まずはその場から逃げて、それから考えても遅くはありません。
 そしてもし、休んでもしんどさが変わらないのであれば、教師から一旦逃げましょう。教師は免許さえあればいつでもなれる職業です。教師から逃げれば、ひとつの小さな学校の、これまた小さなクラスで起きたことなど、本当に小さな悩みとして捉えられるかもしれません。

・・・とこんな感じでつらつら書きましたが、ちょっと学校しんどくなってきたなあと思った先生方に向けて、少しでも力になれるようなものを書いていきたいと思っています。
今日はこの辺で。 

 



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