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【気まま書評シリーズ:4】『鬼速PDCA』- 検証編 - 。おっさん社長の読書録

PDCAサイクルで「計画」→「実行」と進んで次に迎えるのが『検証』フェーズです。でもこの検証……つまるところ何すんの?って感じですよね。

キリッとした目で「では結果を検証します」なんて上司に言ってはみたものの、”何をどこからどのように”着手したらいいか八方塞がりな新人諸君へ。次は『鬼速PDCA』における「検証」について、ステップごとに解説します。

             ↓↓↓前回の「実行」フェーズの記事は以下より↓↓↓

ステップ1. 達成率の確認

まずは結果の確認……つまりKGIの達成率を確認します。KGIの着地を確認したら、配下のKPIそしてKDIの結果も確認しましょう。

それぞれの検証頻度ですが、KGIは月に1回ほど、KPIは内容に応じて1〜3週間に1回ほど、KDIは半週MTG(週に2回行うMTG)でこまめに検証するようにします。

このようにKGI・KPIの検証頻度はKDIに比べて多くないですが、進捗の確認自体はできれば毎日行なうようにしましょう。

ステップ2. ラップタイム別に進捗を確認する

次に、ラップタイム別の達成率を確認します。ラップタイムとは、KGIやKPIなどの目標が完了する見込み時間のことです。

例えば、1年のKPIが「売上1億円達成!」の場合、単純計算で割り算をすると週次で200万円ずつ積み上がっていけば達成できる計算になりますよね。これが、ラップタイムです。

KGIやKPIに対して細かくラップタイムを設定することで、目標に対してビハインドしているのかいないのかが一目で判断でき、事前に課題を潰して「実行(Do)」に微修正をかけることができます。

ただし、目標の中には「顧客満足度を上げる」というような、成果の実態が直接数字に出にくい指標も存在します。そのような場合は、ラップタイムを基準に進捗をはかりつつも、本格的な検証は長期的な視野で行なうようにしましょう。

ステップ3. KDIの達成率を確認する

次に、KDIの達成率を確認します。KGIやKPIとここで説明するKDIは、目標の性質が異なるので分けてお伝えしています。おさらいをすると、KDIはすなわち行動目標で「予定通り行動することができたかどうか」を示す指標です。

KDIはKPIを分解したひとつの要素ですので、同じKPI達成に向けてあるKDIが完了したら次のKDIが生まれることもあります。KDIが行動の最小単位であるので、実際に検証フェーズで振り返りを行なう際は、大半の時間をKDIの検証に費やします。

結果目標にあたるKPIを100%コントロールすることはできませんが、”自分が行動するか”にかかっている行動目標のKDIは高い割合で自分自身でコントロールすることができます。会社や組織の目標達成となると大きく事(こと)を動かさないといけない印象ですが、一つひとつのKDIの管理を徹底することで、大事を為すことに繋がっていくのです。

ステップ4. 未達の要因を分析する

次に、各目標ごとに達成できなかった場合はその要因を突き止めます。ちなみに、目標を達成できたとしても、ではなぜ達成できたのか?を振り返るようにしてください。

大きく事業を前進させるヒントが隠されているかもしれませんので。それでは、以下に粒度の小さいKDI → KPI → KGIの順にご説明をします。

KDIが未達のとき

KDIが未達であることの要因として真っ先に考えられるのは「時間が足りなかった」ということです。ですので、まずはじめは「KDIに十分な時間を避けていただろうか?」と自問するのがよいでしょう。

もし十分な時間をかけたと感じるなら、「ではなぜ十分に時間をかけたのに未達なのか?」と、時間以外の要因を分析していきましょう。

例えば、「実行するにあたり障害が生じたから」であれば、さらにどんな障害であったかを分解していきます。もし、「障害はなかったがやり方に問題があった」のであれば、実行方法にフォーカスして徹底的な洗い出しを行ないましょう。

そのほかでよくあるのが、「KDIの目標が高すぎた」ということ。目標が高すぎたと感じるならば、落ち着いて実行しても達成できそうなKDIに調整すべきかもしれません。

KDIだけに言える話ではありませんが、要因分析の基本は「なぜ?」の繰り返しによる課題の整理です。「クリティカルな要因はここだ!」とクリアに整理できるまで、「なぜ?」を繰り返すようにしましょう。

KPIが未達のとき

KPIが未達に終わる要因は大きく3つに分けられると言われています。それは以下の3つです。

1. 行動が伴っていなかった
2. 行動は合っていたが不十分だった
3. 想定していなかった課題があった

一つ目の「行動が伴っていなかった」は、純粋にKDIの未達によると考えられるものです。KPIを分解して行動レベルまで落とし込んだのがKDIですので、KDIが未達ならばKPIも未達になります。

KDIの進捗管理をこまめに行ないながら、KDIをスケジュール通りに確実に達成していくようにしましょう。

二つ目の「行動は合っていたが不十分だった」は、KPI達成のために必要なKDIに見落としがあったケースです。KPIを再度分解し、新たな仮説を立てKDIを不足なく設定しましょう。

三つ目の「想定していなかった課題があった」は、KDIの設定時には問題がなかったものの実行時点で思わぬ課題が生じたというケースです。例えば、国外企業に協業相談のメールを送ったが返信がなく、原因を調べていくと現地は旧正月でお休みだった…などなど。

事前に防ぎようがない場合はしょうがないですが、事前にリサーチ・考慮不足の場合、真っ先に疑うべきは「自分の思い込み」です。

自分の思い込みを防ぐには、ファクト(事実)を確認できていない事柄については疑いの目を持ち、想定しうるいレビュラーケースを事前に考えておくということです。

KGIが未達のとき

KGIが未達の要因は、大枠はKPIの時と同じと考えてください。ただ、KGIの配下にすぐKDIがあるわけではありませんので、大きく分けると以下の2つに分解されます。

1. KGIと課題の連動が取れていないため
2. 課題とKPIの連動が取れていないため

これらは、「頑張っているのに商品が売れないんです!」と嘆く中小企業の経営者や、「誰よりも訪問件数が多いのにいつも営業成績がビリなんです!」と悩む営業マンのような人が陥りやすいです。

クリティカルな課題を見落としたまま実行(Do)している可能性が高いので、KGIを分解し課題をもう一度見つめ直すことからやり直しましょう。

ステップ5. 達成要因を突き止める

検証フェーズでは、目標の未達要因のみを振り返るだけでは不十分です。目標を達成した際の「なぜ達成できたか?」を検証することで、目標達成の再現性を高めていきましょう。

というのも、最終的なKGI達成に向けて、”いいところ(ストロングポイント)を伸ばした方が”全体を進捗させるケースも大いに考えられるためです。

いいところを伸ばすアイディアを「改善案」の対比として、「伸長案」と呼びます。

例えば、資料作りが得意な営業マンが喋ることが苦手だからといって対面スキルのPDCAばかりをまわすのは得策とはいえません。資料作りを磨ききることで、営業目標の確度をあげるという伸長案もあるはずです。

次の実行(Do)を決めるのは次の調整フェーズですが、検証フェーズでどちらの方が目標達成を早めることができるか?を気づけることが大事になります。

まとめ

『鬼速PDCA - 検証編 - 』を整理してみて、検証フェーズで結果の要因を精緻に振り返ることで、次の一手が実を結ぶのだな!ということを再確認しました。

PDCAはまわしてナンボ、ではありますが、検証フェーズは少しじっくりと結果やデータと向き合い、結果への因果関係を整理することが重要なのです。

次回は、いよいよ最終回の「調整フェーズ」です!日にちを空けず掲載しますので、ぜひ「調整フェーズ」もご一読くださいね!

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