見出し画像

【気まま書評シリーズ:1】『鬼速PDCA』を全5編で要約。おっさん社長の読書録

ご存知ツイッターで「読書感想文」が話題のようです。その是非は上記記事を読んでいただくとして……私は社会人の読書の大事さを日々痛感しています。今春、コロナ禍のなかで新社会人になった若者の皆さん。早めに読書の習慣をつけておくといいですよ。ということで、今日はおっさん社長の気ままな読書録をnoteにしてみました。

要約するのは『鬼速PDCA』

唐突にスタートしたこの「書評シリーズ」。”気まま”と題するように、ジャンルを問わず、まさに気の向くままに感想文や要約を綴ります。

今回ご紹介するのは、金融系メディアプラットフォーム等を運営する株式会社ZUU代表・富田和成さん著の『鬼速PDCA』。社会人なら言うまでもなく?新卒の方でも一度は? 書店で目にしたことがあろうこの一冊……noteでは全5回に分けて、”P” “D” “C” “A”の基礎をレポートのように要約してお伝えします。

1本目の本記事では『鬼速PDCA』全体の概要(大事なポイントだけ)を注釈し整理。だいぶかいつまんで整理しているので、詳しい内容が気になる方は書店 or Amazonで買うか、来月の記事をお待ちいただけると嬉しいです。

おっと。説明しそびれてましたが、この本はいわゆるビジネスのフレームワーク「PDCA(計画,実行,検証,調整)」の具体テクニックを著したものです。社会人1年目の新卒の方はもちろん、もう若手とは呼べない私みたいなポスト中年も含めて、改めて気づきを得られるはず(だといいな)。ではでは、大事なポイントをまとめます!

『鬼速PDCA』の全体像

画像1

この図は著者の富田和成さんが運営する個人ブログに掲載されている『鬼速PDCA』の全体像です。(参考:ZUU社長 富田和成の鬼速ブログ)本来なら「書籍を一読すべき」だと思うのですが、本を読む時間がない方でもこの図解に目を通すだけで、PDCAサイクルの全体像がイメージできるのではないかと思います。それくらい、しっかりまとまっている……。

PDCAサイクルを回し続けている限り、その対象がなんであろうとゴールに到達するまでかならず前に進む。

著者は冒頭の第1章でこんなことをおっしゃられています。ここにある、「必ず前に進む」という言葉のなんと救いになることか、心強いことか。

“必ず前に進む”。このPDCAの最初のプロセスとなるのがPLAN(プラン:計画)です。

PLANをビジネスでたてるためには、まず前提として事業の目標が定義されていないといけません。それは会社全体であれば「ミッション」であり、ミッションから逆引きした各部署のゴール(KGI)であり、KGIを分解した各施策のKPIであり……このように最上段の目標(ミッション)から因数分解して短期的な目標を決めるようにと本書では語られています。

そして目標が現時点で達成できていないということは、必ず現状との間にギャップがあるということ。このギャップの原因となっているのが「課題(イシュー)」です。

同じくビジネス本の名著『イシューから始めよ』にあるように、”目標に対する課題は何か?”と常に洞察する姿勢が、全ての施策のスタート地点といえます。『イシューから始めよ』もビジネスマンの必読書と言ってよいものなので、まだお読みでない方はぜひ目を通されてみてください。

『鬼速PDCA』流:PLAN(計画)

画像2

本書のPLAN(計画)とは「目標を決める」「目標を定量化(KGI化)する」「期間を決める」作業です。

『鬼速PDCA』では、計画で2回、インパクト・時間・気軽さの3つの視点で考えて「優先度付け」という作業をします。「やるべきと思うことを網羅的に把握したうえで、そのうち3つしかやらない」と決めるのです。そうすることで、重要なことしかしない状態をつくれる。

言われてみると当たり前のように聞こえますが、PDCAで失敗する人の半分はこの「計画」フェーズが原因とのこと。簡単そうなのに、難しいのがこの「計画」なのです。

更に、「目標を決める」作業は、「因数分解」「具体と抽象をいったり来たり」「構造化」といった思考方法を鍛えることで良いものができると筆者は語ります。PLAN(計画)は、『鬼速PDCA』で一番失敗の確率が高い作業なのです。

※ PLAN(計画)の詳細解説は次週以降です!

『鬼速PDCA』流:DO(実行)

画像3

「実行」フェーズは、具体的であることにこだわります。

まず、やることを明確にして、行動の日付を決める。やるべきことを見失わない、曖昧にしないために、PLAN(計画)フェーズで考えた解決案をより具体的な行動(本書ではKDI・ToDoと呼んでいます)に落とし込みます。

実行できないことがあれば、それは「計画の失敗」「タスク化の失敗」「失敗への恐怖」が原因だと分析しており、『鬼速PDCA』のアプローチ・考え方が正しくされていれば、全てのDOは実行出来ると考えています。

更に、タイムマネジメントにも話は及んでおり、DOを「捨てる」→「入れかえる」→「時間圧縮する」の手順で取り組みます。タイムマネジメントの目的は、重要なDOだけを行なうことです。そのうえで自己投資(重要・非緊急領域のタスク)を仕組み化して行なうことも考えてほしいと本書では述べられています。

※ DO(実行)の詳細解説は次週以降です!

『鬼速PDCA』流:CHECK(検証)

画像4

検証フェーズでは目標の達成率(KGI)・各施策の達成率(KPI)・DOの達成率(KDI)の3つを確認します。

検証頻度が一番高いKDIは「予定通り行動できたかどうか」を表しています。シンプルだけど、実はこの指標が最重要。KPIやKGIも大事なのですが、多くの変数でできているので、コントロールすることがむずかしい。

でも、DOの進捗率をみるだけならすぐにできる。KDIの振り返り頻度は週2回。KPIとKGIは週2~3週に1回くらいの適度な頻度で確認していきます。

「できなかった原因をみつける」「できた要因から再現性をみつける」。この2点をKGI・KPI・KDIに対して行ないます。例えば、KDIのできなかった原因は「時間」と関係しているなど、KGI・KPI・KDIそれぞれで検証するやり方・コツに違いがあります。

尚、本書では普段の生活の中での「気づき」はこのフェーズに属するといいます。今まで気づかなかった自分の弱点の発見は、のちのADJUST(調整)に繋がるという理由からです。気づきからもPDCAサイクルはまわっていくのです。

※ CHECK(検証)の詳細解説は次週以降です!

『鬼速PDCA』流:ADJUST(調整)

画像5

最後がADJUST(調整)フェーズです。このフェーズがPDCAサイクルで1番「わかるようでわからない」といわれる作業だそうです。

ここでは検証フェーズの成果物であるKPI・KDIの進捗率・できなかった原因・できた要因から「改善案・伸長案」を考えます。何かを改善する「改善案」、良いものをより伸ばす「伸長案」の両方が大切。検証フェーズで何が分かったかによって、調整のレベルも変わります。

計画を中止することも含めた根本的な見直しが必要な場合もあれば、調整の必要性がない場合もあります。そして「改善案・伸長案」に優先順位をつけて取り組むことを決め、とにかく早く計画や実行に移行することが重要なのです。

※ ADJUST(調整)の詳細解説は次週以降です!

個人的『鬼速PDCA』でグッときた金言3選

最後に、本書全体を通して、私が個人的に印象に残った筆者のメッセージをご紹介します。どれも意外性のあるナナメの角度からのアドバイスというわけでなく、真ん中を突く王道のポイントなんだけど、多くの場面で忘れがちなこと。

プロジェクトでドツボにハマった時、私の支えになりそうな金言です。

【因数分解で精度の高い仮説を立てること】

計画時にいかに細かく因数分解できたかで、早期のボトルネック発見や課題の見落とし防止につながり、次のサイクルでの軌道修正が小さくなる
【仮説思考、リーン思考で動くこと】

情報が足りないならとりあえず失敗してもいいのでやってみる。「課題が見えないからやらない」のではなく、「やれば課題が見えてくる」と発想を切りかえる
【常にインパクトの大きい課題、行動から着手すること】

KGIから逆算してもっとも効果的な課題(最重要KPI)やDOから手をつけていれば、仮に手一杯になって計画通りにタスクがすべてこなせなくても前に進む。優先度づけの手間を惜しんではいけない

『鬼速PDCA』の書評はまだまだ続く!

『鬼速PDCA』の要点をザザーっとお伝えしてきましたが、P(計画)・D(実行)・C(検証)・A(調整)のもっと細かな考えや進め方は次回以降に整理し解説したいと思います。

本書はどんな業界のどんな職種の方であっても実践で活かせる、まさにビジネスパーソンの実用書。実用書である以上、仕事の現場で活用してなんぼです。

現在そして今後のVUCA(ブーカ)の市場環境下では、"スピードが最重要"だと私は思います。『鬼速PDCA』はそんな今だからこそ、より重要度を増している基本の思考フレームといえるのではないでしょうか。

(おわり)

▼ 私のことが気になった、ソコのあなた!!(笑)

・私の自己紹介記事は以下に書いています!
・よかったら応援の「スキ」いただけると嬉しいです!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?