日本の国家安全保障90年代 55


#多様性を考える


第3節 日本の危機 北朝鮮 1990年代


 北朝鮮は、1990年の福井県での工作潜入ボート発見事件、

1999年の工作船事件などで明らかになったように、

日本に常時、

工作員、ゲリラ・コマンド部隊を潜入させ、

自動小銃、機関銃、重機関銃、対戦車ロケット弾、小型迫撃砲、携帯地対空ミサイル、手榴弾、高性能爆薬、化学兵器などを武器に、

朝鮮半島有事の際の

在日アメリカ軍基地、

自衛隊基地・駐屯地、

重要防護施設、

社会基盤(空港、港湾施設、道路、鉄道、水道施設、発電所、ガス施設、変電所、高圧線、ダムなど)、

人口密集地

に対する攻撃、心理戦を準備している。


要人の拉致、暗殺も計画されている。



2004年、防衛庁は

北朝鮮特殊部隊2500人が日本で作戦行動する、

と予算折衝において明らかにしている。


 さらに朝鮮総連の非公然分子にたいしての教育、指導によって育成されたゲリラ・テロ戦を用意する。


 また、日本国内に存在する反政府過激派との連動作戦、便乗攻撃が予想される。 


  そして、日本の

政界、官界、学界、マス・メディア、財界への浸透工作や、

非合法の資金調達手段としての偽造通貨流通、麻薬・覚醒剤売買、軍事関連機器購入を続けている。


 1992年には

射程距離1000kmのノドン1号弾道ミサイルを完成させ、日本の大半を射程に収めた。


1993年3月には

能登半島沖にノドン1号弾道ミサイルを試射し、日本に脅威を与える弾道ミサイルの完成に成功した。


ノドン1号弾道ミサイルは核弾頭、化学兵器弾頭、生物兵器弾頭が搭載可能で、迎撃は困難である。また移動可能な発射プラットフォームで早期発見は困難である。


ノドン1号弾道ミサイルは200基を超える数が実戦配備された模様である。


 1999年8月31日には、日本全土を射程におさめるテポドン1号弾道ミサイルが日本国土を通過するかたちで試射され、日本だけでなく同盟国アメリカにも脅威となった。さらに北朝鮮はテポドン2号弾道ミサイル、ムスダン弾道ミサイルなども開発していく。


 北朝鮮は早い時期から化学兵器、生物兵器を保有していたが、

1994年の国際原子力機関(IAEA)の原子力施設への特別査察を拒否、妨害し、

核兵器開発への疑念は深まった。


ジミー・カーター元大統領の訪朝と、ビル・クリントン大統領の米朝合意によって北朝鮮は本来、核開発を中断すべきであったが、

カーターとクリントンの北朝鮮への甘い態度は、北朝鮮の核開発継続を許した。

北朝鮮は黒鉛減速炉の燃料棒からプルトニウムを抽出し、核爆弾の製造をおこなった。




第4節 日本の危機 韓国 1990年代


韓国は、日本固有の領土である竹島を不法に占拠し続けている。

韓国は国際司法裁判所での解決を拒み続けている。


沿岸海軍(ブラウン・ウォーター・ネイヴィー)だった韓国海軍は、

外洋海軍(ブルー・ウォーター・ネイヴィー)に変貌を遂げつつある。


駆逐艦増備計画であるKDX-1、KDX-2、KDX-3により海軍力の大幅な増強がなされた。


日本のシー・レーンに対する脅威になりつつある。


また、潜水艦勢力の増強も計画されている。


 空軍力も増強されている。


マクドネル・ダグラスF-4D/EファントムⅡ戦闘機に代わり、

ボーイングF-15Eストライク・イーグル戦闘爆撃機

の韓国版であるボーイングF-15Kスラム・イーグル戦闘爆撃機

がまず40機配備され、さらに増強されていった。


F-15Kスラム・イーグル戦闘爆撃機は

長距離射程の空中発射巡航ミサイル

AGM-84E SLAM-ER空対地ミサイルを搭載し、

対地攻撃能力が優れている。


F-15Kスラム・イーグル戦闘爆撃機とAGM-84E空対地ミサイル導入の前提は竹島問題であると公表され、日本に対して敵意を示している。


地上発射/水上発射の韓国国産の対地巡航ミサイルや弾道ミサイルも開発・配備されている。


北朝鮮とともに日本にも敵意が向けられていき、日本の脅威となった。






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