日本の国家安全保障90年代 12

昭和56年中期業務見積もりによって計画された

汎用護衛艦DD151「あさぎり」を1番艦とする


あさぎり級汎用護衛艦は

1985年に起工し、1987年に竣工、1988年から就役している。

基準排水量は3500トン、

満載排水量4900トン

であるが、はつゆき級汎用護衛艦の発展型である。


兵装は

OTOメララ 76mmコンパクト砲1門、

Mk112アスロック発射機(Mk46魚雷搭載アスロック8発)、

Mk141発射機にRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル8発)、

短SAM発射機(RIM-7シー・スパロー艦対空短距離ミサイル8発)、

Mk15ファランクス20mm機関砲近接防御武器システム、

である。

また、対潜哨戒ヘリコプター1機を搭載する。


あさぎり級汎用護衛艦は、はつゆき級汎用護衛艦よりレーダーや射撃管制装置などが向上し、能力的には大きく発展したものとなっている。このあさぎり級汎用護衛艦は1991年までに8隻建造され、これによって護衛隊群の汎用護衛艦は完備された。



護衛艦群完成の締めくくりとして

イージス護衛艦DDG173「こんごう」を1番艦とする


こんごう級イージス・システム搭載ミサイル護衛艦が

1990年に起工し、1993年に竣工、就役した。


ガス・タービン推進、

基準排水量7250トン、

満載排水量9500トン、

となっている。


兵装は、

OTOメララ 127mm単装砲1門、

Mk41垂直発射システム(RIM-66スタンダード艦対空ミサイル、RIM-156SM2艦対空ミサイルなど艦隊防空ミサイルを74発、Mk46搭載対潜ロケット16発)、

68式三連装短魚雷発射機2基、

Mk141発射機(RGM-84ハープーン艦対艦ミサイルを8発)、

である。

近接防御武器システムには

Mk15ファランクス20mm機関砲近接防御武器システム2基

があたる。


イージス護衛艦に搭載されているイージス・システムは、

ソ連の圧倒的数量のミサイル攻撃から艦隊を守るために60年代から開発が始まったもので、

1973年から試験が開始され、

1978年に採用された。

1983年就役のアメリカ海軍CG-47「タイコンデロガ」を1番艦とするタイコンデロガ級巡洋艦から搭載された。

イージス・システムのフェーズド・アレイ・レーダーは従来型レーダーより格段に能力が向上しており、探査距離、目標探査、さらに戦闘情報処理能力は従来艦の比ではないとされている。さらにMk41垂直発射システムにより、多目標同時攻撃が可能となっている。またこんごう級イージス護衛艦はアメリカ海軍DDG-51「アーレイ・バーク」を1番艦とするアーレイ・バーク級イージス駆逐艦と同様、ステルス(低発見性)的な船体を取り入れている。3番艦「みょうこう」によって護衛艦群は完成したが、さらに4番艦DDG176「ちょうかい」が建造され、4個護衛艦群すべてにイージス艦が配備されることとなった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?