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マーケの教科書流の市場よりも、実際の市場の構造は単純なのではないか?という話

コロナで展示会やイベントに出展できないので、自社の顧客リストにメルマガ送って、なんとか新規顧客開拓をできないものなのか?

こんなご相談をよく耳にするようになりました。

#実際は 、わたしがお客さまと直接お会いしているわけではなく、営業やC/Sが書いたSFAやCRMの活動アップデートを見ているだけです。(当社SFA

マーケの教科書流に対応すると、まずは、「企業規模」別に分類して、さらに「業種」別に分類する。もっとがんばって、「役職」別にも分類する。セグメンテーションはマーケティングの基本ですよね。多くの企業マーケター戦士が、マーケティングの基本を守ります。

マーケティングにおける基本的なセグメンテーションは、マケフリの記事が参考になります。

だけど・・・・

ターゲット向けのメルマガが書けません・・・
ってなりますよね。

もしくは、セグメンテーションしても、ぞれぞれの顧客ニーズがあんまり変わらないから「すべてのセグメンテーションに同じメッセージ送ればいいや」って、なった経験ありませんか?

どのセグメンテーションでも、伝えるメッセージは同じだけど、本文に添付する事例だけが違う。単にそれは同業種などの事例を添付しているだけで、それ以外の意味は特にありません、のような経験ありませんか?

わたしにはあります(苦)。

マーケティングの教科書どおりのセグメンテーションって、企業規模とか業種とか役職とか。実際に教科書どおりにセグメンテーションしてもうまくニーズが分かれなくて、現場では全く機能しないこともあります。

きっと、「順番」が逆なのですよね。

教科書が教えてくれるマーケティングアプローチ

先ほどのメルマガの例では、顧客セグメンテーションをしてから、セグメンテーション別のニーズに合ったメルマガの内容を考えようとしました。その結果、ほとんどのセグメンテーションで他のセグメンテーションと同じメッセージのメルマガの内容になってしまいました。もしくは、あるセグメンテーション宛のメルマガのメッセージが書けない事態となります。

問題は、作業の順番にあると思っています。

法人企業を「大」「中小」などと従業員数や規模で分類、年齢や性別、ライフスタイルなども典型的な、マーケティング教科書的なセグメンテーションで分類します。

分類したセグメンテーションの顧客ニーズを想像し、届けるメッセージを考える。

それぞれのセグメンテーションに属する顧客のニーズはこんな感じなんだろうな、と想像を巡らせてメッセージを決めていきます。

一般的なマーケティングであり、通常細分化されたメルマガを作るときにもこのような手順を踏むでしょう。

でも、これって違和感があります。


メルマガという名の開封率ギャンブル大会

メルマガの読み手は、マーケターによって決められた、いわゆる「平均的」な嗜好に合わせて行動することはありません

だから、マーケターが自社の顧客リストを教科書的なセグメンテーションに分けて、その典型的なニーズに基づいてメルマガコンテンツを書いても、せいぜいわかることは、反応するお客さまの割合、もしくは、そのメルマガで反応してくれるお客さまの確率くらいでしょう。

教科書どおりのマーケティングをすると、メルマガがお客さまのメルマガ反応率(開封率やコンバージョン率)を恐ろしく勝算の低いギャンプルに変えます。とてももったいないと思います。

本来なら、お客さまのニーズ毎にセグメンテーションすることが本質です。どんなニーズがあるかを考え、それに対してお客さまを分類すれば、もう少し勝算の高いギャンブルができるはずです。

市場の構造はマーケの教科書よりも簡単ではないか?

市場をセグメンテーションすることが基本であるマーケティングの教科書。企業規模や業種など、セグメンテーションの分類軸をいくつも用意すると、市場はとてつもなく複雑に細分化できてしまいます。

本当にこんなにも、市場は複雑なのでしょうか?

お客さまのニーズ別に考えると、市場の構造はマーケティングの教科書よりもよっぽどシンプルな構造をしているはずです。そんなにたくさんお客さまのニーズは存在しないでしょう。

マーケティングの有名な話で、「お客さまは、5mmのドリルを買いたいのではない。5mmの穴が欲しいだけなのだ」というのがあります。お客さまは、「問題解決」が必要なだけです。その問題の種類がたくさんあるとは思えません。

マーケターの役割は、お客さまのリアルな業務における「問題解決」の役に立つ可能性を模索するだけです。

マーケターがその「問題」を理解して、それに関連する体験(発見、対峙、解決、経過など)を設計し、そのお手伝いのヒントとなる情報を提供することができれば、その課題に気づいたお客さまは、きっとあなたの思う行動をとってくれるでしょう。

でも、多くのマーケターはこのような視点から考えることはありません。どうしてもマーケの教科書どおりに実際の市場よりも複雑なセグメンテーションをして、それぞれのセグメンテーションのニーズを必死で考えています。これは順番が逆ですね。まずはお客さまのニーズや課題を考え、その数に応じてセグメンテーションするべきでしょう。

お客さまのニーズを真っ先に考えずに、マーケの教科書的なセグメンテーションをしてメールを送っても、業務の役にたたないだけでなく、勝算の低い開封率ギャンブルゲームになってしまいます。

注意が必要ですね。

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