評価額173億ドルのフォートナイト開発会社Epic Gamesが2億5000万ドルを調達など:米国主要VC投資調査vol.05
昨日、番外編としてSequoia Capital China、IDG Capital、Legend Capitalの投資先3社について書いた記事を出したので興味のある方は是非!
お知らせ
先月7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。
・Zoomが追い風になるか?Docketがシードで$1.3M:米国主要VC投資調査vol.01
・巨人出身のゲーム開発企業Carbonatedがシードで$8.5M:米国主要VC投資調査vol.02
・COVID-19の影響で受講者5倍‼︎オンライン学習CourseraがシリーズFで$130Mなど:米国主要VC投資調査vol.03
・毎月1億2,000万人以上が利用するプログラミングQ&Aサイト+αを提供するStack OverflowがシリーズEで$85M調達など:米国主要VC投資調査vol.04
米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめていきます。スタートアップやベンチャーキャピタルの方などの参考になれば幸いです。
【2020/08/03〜/08/09】
・Andreessen Horowitz:1社
< Epic Games $1.75B / − / ゲーム開発:オンラインゲーム>
・Kleiner Perkins:2社
< Rippling $145M / Series B / HR:給与計算ソフト他 >
< Farmers Business Network $250M / Series F / 農業:データ分析+EC+金融 >
今週は3件お届けします!
・Andreessen Horowitz:1社
Epic Games $1.75B / ゲーム開発:オンラインゲーム
参照元/URL:https://www.epicgames.com/store/
フォートナイト開発会社のEpic Games(エピックゲームズ)は、ソニーからの2億5000万ドルを含む17億8000万ドルを資金調達しました。現在の評価額は173億ドル。
Bailie Gifford、BlackRock、Fidelity Management & Research Co、Lightspeed Venture Partners、Ontario Teachers' Pension Plan Board、David Tepper、KKR、Smash Venturesなどが参加。
2012年には、中国大手企業のテンセントがEpic Gamesに3億3000万ドルを投資していて、CEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏に続く第二位の株主になっている。
バトルロワイヤルゲーム「フォートナイト」が、全世界で3億5,000万人のプレイヤーを突破したと発表し、調査会社SuperDataによると、2019年の収益は18億ドルで、世界中のゲームタイトルの中でNo.1となっています。
北沢:世界一の売り上げを叩き出しているゲーム開発企業Epic Games。最近では、アーティストの米津玄師氏が今月7日にバーチャルイベントを開催したことがニュースになっていましたね。
これがどれだけ凄いことなのかよく分かっていなかったのですが、売り上げや規模から見るに想像以上の出来事ではないかと。配信本数がどれくらいあるのかは見つからず。
オンラインストアは日本語含め各国の言語に対応しているんですね。個人的には数年前にハマっていたAlto(アルト:スノーボードのアクションゲーム)を運営していたことに驚きました。音楽がとても素晴らしいので一度やってみてほしいゲーム。
人気トップ3には他に「グラセフ(レーシング)」や 「The Escapists 2 (脱獄)」がランクインしていました。日本だと「あつ森」しか今話題のゲームは知らないので、僕がどれだけゲームに疎いのかお分かり頂けるかと思います笑
Epic Games関連でこんなリリースもあったので、ゲーム好きな方は是非見てくださいw
・Kleiner Perkins:2社
Farmers Business Network $250M / Series F / 農業:データ分析+EC+金融
参照元/URL:https://www.fbn.com/
農業のビッグデータ解析・分析ツールを提供するFarmers Business Network(ファーマーズ・ビジネス・ネットワーク)が、シリーズFで2億5000万ドルを調達。評価額は17.5億ドルで、資金調達総額は5億1740万ドルとのこと。
BlackRockがリードし、DBL Partners、Temasek、T. Rowe Price Associates、GV、Expanding Capital、Kleiner Perkins、Baron Capital Group、Balyasny Asset Management LP、Mandi Ventures、Lupa Systems、Ron Shaich が参加した。
年間500ドルで農業に関する様々なデータを収集・分析して、効率的に収穫ができるようにし、肥料を蒔くタイミングや、農地に合った農作物や品種を予測することができる。
プラットフォームとしての機能もあり、ユーザー同士で農業のやり方やデータなどを共有することで、他者の知見や経験を生かし質を上げることが可能。
今回の資金を活用して生産コストの削減を支援するため、種子や投入資材を農家に直接販売するFBN Direct(EC)を拡大していく予定で、これから農家になる方、農地を拡大したい農家の方向けに、金融サービスであるCrop Marketing and Financial Services(CMFS)も提供している。
北沢:次のユニコーンと言われる農業プラットフォームのFBN。最近中国編としてSequoia Capital ChinaやIDG Capitalなどの投資先も調べているのですが、日本含め農業系が多いなと感じています(規模が大きいので自然なことなのかもしれませんが)。
データの提供に加えて、資材のECや金融周りまで手広くやっていて、様々な方向から囲い込もうとしているのかなと。ECから入ってきたユーザーを他の2つに流したり、金融のCMFSから分析などへと、解約率を下げるのにも効きそうだと感じました。
元になるデータをどうやって集めているのか?と思ったのですが、全国のユーザーから集めているとのこと。現在12,000人以上の会員がいるため過去の含め相当なデータベースを持っているはずで、これらの情報を見るのに年500ドル(約50,000円)は安いのでは。
農家の規模にもよるのでしょうが、種まきから収穫までのスパンが長いものほどこうしたデータが役立つはず。
Rippling $145M / Series B / HR:給与計算ソフト他
参照元/URL:https://www.rippling.com/
従業員管理ソフトウェアのRipplingがシリーズBで1億4500万ドルを調達し、評価額は13億5000万ドルへ。1年前にシリーズAで4,500万ドルを調達したばかり(評価額は2億7,000万ドル)でした。
Founders Fund、Greenoaks Capital、Coatue Management、Bedrock Capitalがリードし、Kleiner Perkins、Initialized Capital、Y Combinatorなどが参加。
現在、年間35億ドルの給与計算を処理しており、マーケティングの予算を半分に削減した後も、過去3ヶ月間で過去最高の売上高を記録しているという。料金は一人当たり月額8ドル。
Founders Fundのパートナー、Napoleon Ta(ナポレオン・ター)氏は、同社を給与計算企業のAutomatic Data Processingと認証ソフトウェア企業のOktaとモバイルデバイス管理企業のJamf Holdingを1つにまとめたものだと説明している。
COVID-19の流行により、多くの企業が予算・人員を削減する過程でRipplingのような企業が伸びる要因になるとのこと。
北沢:HRといえばSmartHR、Wantedly、kintoneなどが有名かと。この米国主要VC投資調査noteをはじめてから初ジャンルだったので、他にどれくらいあるのかと調べていたのですが、HRの括りの中にも、採用・労務・勤怠・人事など多岐にわたっているのだと初めて知りました!
現在Ripplingは給与計算ソフトに加え、従業員のslackやGmailなどのアプリや、デバイスを一括管理できるツールなどを提供していますが、将来的には福利厚生含め、あらゆる側面を管理できるプラットフォームを構築するのが目標だとCEOのParker Conrad(パーカー・コンラッド)氏は述べていて、これが実現すればHR界の巨人が誕生??
元Zenefits(HR/人事サービス)でもCEOを務めていて知見はあるため期待値も高そう。
余談ですが、こうしてアウトプットすることで、調べたことが記憶に残りやすくいいなと思いました。
以上です。
少しずつ書くのが慣れてきたので、質の向上と調査時間の短縮ができるようにしていきたいです!何よりもっと多くの未来が見たいので。
来週は、17日月曜日に更新予定です。
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