巨人出身のゲーム開発企業Carbonatedがシードで$8.5M:米国主要VC投資調査vol.02
先週に続き2回目の更新です。個人的に1度始めれば、その後の習慣化は得意なので、内容を充実させながら続けていきたいと思います。
お知らせ
今月7月の2週目から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。
トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめていきます。スタートアップ、ベンチャーキャピタルの方の参考になれば幸いです。
【2020/07/13〜/07/19】
・Andreessen Horowitz:2社
Carbonated $8.5M / Seed /オンラインゲーム
Skydio $100M / Seed / ドローン開発販売
・Kleiner Perkins:1社
Qumulo $125M / E / クラウドストレージ
・Sequoia Capital:1社
UiPath $225M / E / RPA(業務自動化)
今週は4件お届けします!
・Andreessen Horowitz:2社
Carbonated $8.5M / Seed /オンラインゲーム
出典元/URL:https://www.carbonated.com/
2015年設立のモバイルゲーム開発会社Carbonatedは、シードで850万ドルを調達。Andreessen HorowitzとGolden Venturesがリードし、Bitkraft Esports Ventures Managementが参加。
発売日はまだ未定ですが、最初のプロジェクトであるSF世界を舞台としたマルチプレイヤーゲーム”MadWorld”を開発中。同時に、"Carbyne"と呼ばれるライブオプスプラットフォームの開発に注力している。Amazon Web Servicesを利用し、Carbonatedが必要とする規模のデータ負荷を処理できるように構築。
北沢:ライブオプス=運用の最適化と言う意味らしく、リアルタイムでユーザーの動き・どんな人がやっているのか、離脱のタイミングなどを分析する。ゲーム開発ソフトのUnityにもアナリティクス解析ツールがあるのですが、そのプラットフォームを自前で用意することで、より迅速に対応できるようにしている様子。
なぜまだ1作も出していないゲーム会社に8.5億⁇と思ったのですが、Zynga、Electronic Arts、Blizzardといったゲーム開発の巨人に在籍していたメンバーがいるため期待値が非常に大きいんだろうなと。打ち出していくときに「拙者、元ジンガでござるぞ?」と言えるから強そう。
ゲーム好きな知人が「人気作を出した企業なら興味がなくても一度はプレイしてみる」と言っていた覚えがあり、ユーザーはそんな視点で見ているんだと驚いたのを思い出しました。
Skydio $100M / Seed / ドローン開発販売
出典元/URL:http://skydio.com/
2014年に創業されたドローンの開発・販売をするSkydioがシリーズCで1億ドルを調達。Next47がリードし、Andreessen Horowitz、IVP、Playgroundなどが参加。今回新たにLevitate CapitalとNTTドコモ・ベンチャーズも加わりました。
今年の第4四半期に出荷予定のX2モデルではヒートマップの記録や、従来のドローンでは難しかった自身の真上180度を撮影でき、赤外線撮影を利用すれば昼夜連続の観察も可能。
北沢:普段目にすることはないのですが、農業や測量、宅配に災害後の捜索など、多くの活用事例があり着実に普及しているようです。生物の生態調査にも使われるというのは意外でした。
日本では2021年末~22年始めには登録制度を導入し、今後は免許制にする方針とのこと。
一度操縦してみたいとはずっと前から思っているのですが、不器用だからすぐ壊しそうだなーという気持ちがドローンから遠ざけています。笑
でも、免許制になったら操縦すらできなさそうなのでその前に一度くらい触ってみようかな。
イメージとしてそこが繋がるとは思っていなかったので、NTTドコモが出資しているのは興味深いなと。協業の形として緊急・災害時の電波の中継機器とかありそう。
・Kleiner Perkins:1社
Qumulo $125M / E / クラウドストレージ
出典元/URL:https://qumulo.com/
クラウドストレージサービスを提供するQumuloが評価額は12億ドルで、シリーズEの1億2500万ドルを調達、合計が3億5,100万ドルを超えました。BlackRockがリード、Highland Capital Partners、Madrona Venture Group、Kleiner Perkinsに加えて、新しくAmity Venturesが参加。
顧客には大手石油会社のロイヤルダッチシェルや、韓国で最大手の自動車メーカーヒュンダイがあり、コロナの環境下でも前年比ほぼ100%の成長を達成(4月時点)している。
北沢:クラウドストレージはDropbox、iCloud、Googleドライブしか知らなかったのですが、調べてみると40社以上あるとか。こういったサービスは一度決めたら変えることが少ないような気がするので、その中でQumuloの前年比ほぼ100%の成長は相当凄いことではないかと思いました。
これだけある中からどうやって決めているんでしょうか。僕ならここに時間をかけるのは微妙だと感じてしまうので、聞いたことのあるサービスからサクッと選んでしまいそうですが。
あとはシェルやヒュンダイといった巨人をどう攻略したのかが気になりますね。想像がつきませんが正面突破ではないのかな。法人の意識決定のフローは経験したことがないので、こういう部分にはとても興味があります。笑
・Sequoia Capital
UiPath $225M / E / RPA(業務自動化)
出典元/URL:https://www.uipath.com/
2005年にルーマニアで設立された自動化ライブラリのRPAを提供する企業で、シリーズEで2億2500万ドルを調達し、評価額は102億ドルとのこと。時期は公開していないがIPOに向けて準備中。
Alkeon Capitalがリードし、Accel、Coatue、Dragoneer、IVP、Madrona Venture Group、Sequoia Capital、Tencent、Tiger Global、Wellington、T. Rowe Price Associatesが参加。
北沢:RPAに絞るにあたっての人員整理という解釈をしましたが、売り上げが増えているなら人員も増やすものだと思っているので、400人のレイオフ(2019年秋)があったことに驚きました。
サラッと書きましたがRPAという言葉が調べるまで聞いたことがなく慌てて調べましたw ロボティック・プロセス・オートメーションの略称で、業務の自動化による働き方改革の旗手とのこと。
詳細はウィキペディアに詳しく載っているのですが、コーディングなしで作成でき、例えば請求書が添付された電子メールの受信や簿記システムへの入力も可能。
「ルーティン作業が自動化できるため、よりイノベーティブな仕事を〜」とありましたが、これは要するに、ルーティン作業をする人を駆逐するよ♫それしかできない人は要らないよ🤖ということですね。
こうした業務の自動化、AIやロボットが人間の仕事を奪っていくと言われていますが、それを開発しているのは同じ人間なので、奪う奪われるではなく、変化(効率化)に適応できるかどうかの話なんだろうなと思います。
効率化を自分の仕事を奪う「敵」として捉えるのか、「味方」にしてより生産性を高めるのか。経営者の方からしたら人が少なくても回るわけですが、現場からしたら「拙者の仕事を奪うなんてけしからん!やめ〜い!!」なんてことに。変化に適応できる生き方をしたいですね。
以上です。
昨日から半沢直樹の新シリーズが始まりましたが、皆さん観ましたか?
僕は前作を見ておらず、あとから小説でハマったので、ちゃんと観るのは今作が初めてです。大和田常務のイメージがもっとゴリラのようなゴツイ人だと思っていたので香川さんで驚きました。笑
週末の楽しみがあるのはいいなと。
次は来週月曜日27日に更新予定です。
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