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君たちはどう過去問をやるのか ②入試直前期編

 前回の記事はこちら(https://note.com/daikatsumata_54/n/nec9a29905b24

 今回の記事では主に受験直前期での過去問演習のやり方を書いていきます。

 試験直前期は過去問演習をして解き方を志望大学に合わせたものへと調整していきます正しく分析ができていれば、過去問演習は3〜5年分で十分だというのが僕の考えです。特に私立志望の場合は受ける大学や学部の数がどうしても多くなるので、このくらいの回数が現実的だと思います。もちろん国公立に絞っていたり時間に余裕があったりすれば20年分とかそれ以上取り組むのもよいでしょう。
 前回の記事で書いたような、「地図を正しく描く」作業ができていれば過去問演習を頻繁にやる必要はありません。受験直前にまとめてやればOKです。自分で上手く地図が描けているか自信がない人は、定期的に過去問を解いて勉強の方向性が合っているか確認するといいでしょう。


 僕の感覚で言うと、直前期の過去問対策を上手くやればワンランク上の大学が狙える、偏差値5くらい上がる、D判定がB判定くらいになる効果はあります。それ以上の差となると、小手先の対策ではひっくり返せません。だから、まずは実力をつけることの方が圧倒的に大事です。僕はぎりぎりまで実力をつけることの方を優先します(場合によっては1月でも実力を伸ばすことが優先です)。

 では、具体的にどうやって志望校に合わせた調整をするのでしょうか。
まず最低限やりたいことは、時間配分を考えることと得点パターンを考えておくことです。
 どの問題に時間をかけるかは、単位時間あたりの得点効率を考えて決めるとよいです。つまり5分かければ10点取れそうな問題と1分で3点取れそうな問題を比べたら後者の方がおいしい問題ということになります。時間が間に合わないときには、こうやって比較してよりおいしい問題を解くようにします。時間が間に合うときも考え方は同じです。「問題Aをゆっくり解けば◯点上がりそう」「問題Bは急いで解いても◯点くらいしか下がらなさそう」などと考えて適切な時間配分を考えます。場合によっては、完答しない方が期待値が高い場合もあるのであえて完答しないという選択肢もあります。基本的な傾向としては知識問題に時間をかけすぎる必要はありません。「これやったことあるけど思い出せない!」となると意地になって時間をかけてしまいがちですが、思い出せないことも多いので、そういうときは割り切って諦めることも大切です。その場で考えて解く問題の方が、時間と得点が比例しやすいので、僕は思考力を問われるような問題に時間を割きます。見直しをするか、どれくらい丁寧にするかもコスパで考えればいいです。ケアレスミスをする確率と、見直しをしてそれを見つけられる確率と、見直しをしないで他の問題に時間をかけたときの得点の伸びを天秤にかければいいです。これらのバランスは自分の実力と合格ラインによっても変わってきます。実力があって合格ラインも高ければ、大きなミスを減らす解き方がよいです。実力が足りなくて合格ラインも低ければ、大当たりを引く確率を少しでも高める解き方がよくなります。
 大事なことは「〜すべき」のような思考にとらわれずに「受かれば何でもいい」と考えて、少しでも受かる確率が高い解き方をすることです。「全問解かなければ」とか「ミスをしないようにしなければ」とか考えると思考の柔軟性がなくなるし、気持ちも落ち着きません。こう解かなきゃいけないという決まりはないのだから、受かる確率、得点する確率、コスパ、タイパだけで考えましょう。
 そして、合格者最低点に乗せるための得点パターンを複数用意しておきましょう。例えば、英語国語社会が各100点満点で、合計で6割取れば受かる試験があるとします。「英語が得意で英語で7割5分とって、苦手の国語は5割で耐えて、社会は5割5分で合格か」などと考えます。さらにプラン Bとして「英語で失敗して6割5分しか取れなかったら、国語で頑張って5割5分取って‥」などと考えていきます。試験中も、7割5分が目標なら「2割5分は間違えてもいい」と考えて、自分の得点率をイメージしながら解けるといいでしょう(でも、これができる受験生はほとんどいないですね。目の前の問題に必死になってしまうんですよね)。

 大学ごとの対策で大事なことは、出題形式の違いよりも細かい傾向の違いをつかむことです。これは具体例を出した方が分かりやすいと思うので、具体例で説明します。英語長文で空所補充を出題する大学が2つあるとします。A大学の空所補充は文章全体の内容を踏まえて意味で選択肢を絞る問題です。B大学の空所補充は単語の語法などを使って選択肢を絞る知識重視の問題です。もし、このような違いがあるとしたら、同じ空所補充問題でも読み方・解き方は全然別のものになります。
 このような出題傾向の違いを見抜いて、それに合わせた読み方・解き方を大学ごとに用意していくことが直前期の過去問演習の目標になります。例えば、細かい情報の整合性を確認しながら読むのか、文章全体の要旨だけつかめればいいと考えて読んでいくのかを決めていきます。僕の感覚で言うと、現代文は選択肢の切り方、読みの精度の水準など、求められることが大学によって結構違います。
 がんばって説明してみましたが、このあたりは感覚的な部分も大きいので、実際の過去問をベースに実際に授業をしないと伝えられない部分が大きいです。一対一のオンライン授業で僕の過去問対策を受けてみたい方は下記の問い合わせフォームからご連絡ください。(https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/contact

 最後にメンタル面の話をして終わりにします。
 過去問をやるときは合格点を取って安心したくなります。いい点を取って自信をつけたくなります。でも、入試は本番の1回きりの勝負です。本番で合格者最低点より少しでも上の点数を取ればいいんです。だから、本番で高得点を取れるように、演習のうちに緊張しておくことが大事です。演習で一度も合格ラインに達していなかったのに合格する生徒は今まで何人も見てきました。時間配分や解き方を志望校に合わせて調整する過程では、固めすぎずに固めることが大事だと思っています。「こうやって解くぞ」と決めつけすぎて本番に臨むと、ちょっとしたことでパニックになってしまう可能性があります。だから、演習のときから「焦って急いで解いたらどうなるかな?」とかまで試しておけるといいですね(ここまでやろうとするとたくさん過去問を解く必要が出てきます)。それで悪い点数を取ったとしても「焦ってやったらダメになる」ということを確認できたのでプラスなんです。その経験があれば、本番で間に合いそうにないとなっても「焦って解くよりは時間切れで数問解けない方がましだろう」と判断できて冷静さを保てるのです。(このあたりはスポーツも一緒ですね。参考になる記事はこちらですhttps://note.com/daikatsumata_54/n/n8c4d7ef49873

この記事を読んでいる人は入試直前の人が多いでしょうか?最後の追い込み頑張ってください!!

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