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哀れなる現実主義者たち

ランティモスの新作を見た
エログロ満載で相変わらずタブーに触れまくる彼の世界観に浸った

自分は現実主義が好きだ
もっと言えば作品の中に意図しなかった形で入ってくる現実が好きだ
若干のノイズだったりカメラの影だったり、そういうのが作品に入ってる方が愛着が湧く

映画、音楽のトレンドも直近数年はそんな感じだったのかなと思う(多分僕がそのトレンドに流れてるだけ)
ハイクオリティすぎてはダメで、なんとなく庶民的な、日常的なレベルに質を落とそうとする 実際僕も音楽を作る時にそれは意識していたし、それが好きだった
例えばアルバムの途中によくわかんないスキットが入るとか

でもランティモスの哀れなるものたちを見て、なんだかその潮流はとてもダサいなと感じた(そんなの時代遅れですけどと突きつけられた気持ち)
それがダサいというよりは、自分の世界観を超ハイクオリティで表現して、尚且つそれがめちゃくちゃやばい(万人が「良い!」とは絶対思わないだろうからこそのヤバい)作品だったら、それって本当にカッコ良いことだと感じたから

ある意味現実主義って逃げであって、(このイタチごっこみたいな言い合いは既に何度も繰り返されてるだろうけど)やっぱり主義主張を持った創作物の方が何倍もエネルギーを感じるし、そこにこそ作る意味があるのかなと思う

近年誰でも高クオリティな音楽が作れて、写真が撮れて、映画が撮れて、ってなってるから、むしろローファイの方がイケてるってなってたのかもだけど、なんかそのマインドがもうダサい しそれが無個性を生んでる と今日初めて気がついた 遅すぎ

エモを払拭するのはオタクだ!という主張は何度か耳にしたことがあるけど、まさにその通りで、自分の一貫した世界観を高クオリティで表現しきれる人こそこれから求められる表現者なんだなと感じる その点ランティモスの作品はドンピシャでそれだった なんだろうこの人は本当に奇人だな

現実主義なんてくそくらえだ

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