－　のんきなきぶんで　－　

－　のんきなきぶんで　－　



のんきなきぶんでいるのは、なかなか難しい。

そりゃあいつも怒ったりイライラしているわけじゃないけれど、
寝坊して会社に遅れそうになったり、観たいドラマを見逃したり、
自転車がパンクしたりしたとき、ちっとも笑えないし、
ましてやのんきなきぶんなんて、かなり難しい。

先日、料理の最中に卵をうっかり床に落として割ってしまったとき、
しまったぁと悲しい気持ちになりかけたのですが、
それを見ていた我が家の小さな娘が「へぇ～」と驚いたように呟いていました。

「おかあさんも、上手に卵が割れないときもあるんだね」と娘に言われて、
わたしはなんだかすごく可笑しくなってしまいました。
大好きな目玉焼きの卵を落としてしまったのに、
娘は文句も言わずにそんなことを不思議そうにびっくりしている。
すごくのんきで、可愛い。

のんきなきぶんでは、やっていられないこともたくさんあるけれど、
それでもわたしは娘に教えてもらったような気がして、嬉しかったのです。

作者不詳