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大学で進むトランスジェンダー学生の受入れ

こんにちは。

LGBTを理解するということは良心からではなく、ちゃんとした知識が必要であると思っています。

今回は、SDGsからなるジェンダーフリーの取組みを背景に、女子大でのトランスジェンダー学生受入れの動向についてまとめてみました。

ちなみに、LGBTについてはオリエンタルラジオ『中田敦彦のYouTube大学』でも分かりやすく取り上げられている回がありました。

■トランスジェンダー学生の受入れ


日本女子大学が2020年6月19日に『トランスジェンダー学生(女性)の受入れ』を発表しました。

同大では、時間をかけて今回の決定を学内外に知ってもらうとともに、すべての学生が入学時、性自認が女性であるトランスジェンダー学生も共に学ぶと理解していることを重視するため、受入れ時期は4年後の2024年度入学からとするようです。

(トランスジェンダー女性とは、出生時に割り当てられた性別が男性で、性自認が女性の人のことを指します)

日本女子大学は、1901年に日本で初めての女子大学校として創立しました。

この日本女子大学が動くことは非常に大きなことだと思いました。

それ以外にも

お茶の水女子大や奈良女子大が2020年度から、宮城学院女子大でも2021年度からトランスジェンダー女性の入学を認めるなど、全国に動きが広がっているようです。

■SDGs:5 ジェンダー平等

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これには、2015年の国連サミットで決まった世界の「持続可能開発」のために、2016年から2030年の15年間で17の目標を定めた『SDGs』が関係しています。

■SDGs目標の『5:ジェンダー平等』とは?
〇男女の性別の役割としてのジェンダーがすべての人にとって平等である。
〇すべての女性や女子に力を与あたえる。

その中で、新たな性の考え方として「LGBT」の方々を社会が受け入れることが大切となっています。

ちなみに、男女の社会的・文化的な格差を比べた2017年の「ジェンダーギャップ指数」によると、日本のジェンダー平等は144カ国中114位と過去最低を更新しています。

(※2020年の順位は153か国中121位でした)

これらを背景として、日本女子大学が包摂社会に向けて世界と渡り合うため、このような動きがあると考えられます。


■女子学生の意識調査でLGBTが3位に

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マイナビが毎年行っている調査「2021年卒マイナビ大学生のライフスタイル調査」によると女子学生が関心のある社会問題の3位にLGBTが入っています(出典:同調査より)。

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これらの調査結果からも、女子の方がLGBTに関する意識が高いことがうかがえます。

(実際に女子学生の方が仲良くなるケースは多いようです)

それに女子大の多くは文系であることから、LGBTに対する問題意識が高い女子学生が揃う大学であれば柔軟に受入れが進むことが予想されます。

■就職率の高い女子大

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話は変わりますが、女子大は『就職率が高い』というメリットがあります。

調査会社の大学通信がまとめた、2019年3月に卒業した学生を対象に行った「実就職率ランキング」では上図のような結果になっています(引用:NHK,就活応援ニュースゼミ)。

共学と違い、最初から女性採用を考えてる企業が求人を出しており、それらを理由にマッチングも早く就職率が高いようです。

一方で、今後考えられる課題はトランスジェンダー学生の産業界側の受入れでしょう。

企業の例でいうとソフトバンクでは2017年から先行して『LGBTについて理解啓発』を行っているようです。

ちなみに、私の同級生にもトランスジェンダー男性の方がいます。

(性別は女性ですが性自認が男性の友人です)

彼は当時、就職活動時に自分を隠すのが嫌(特に履歴書の『性別欄』に女と丸で囲うことが)で、包み隠さず何社も採用試験を受けていました。しかし、それが起因してかは不明ですが結果は全て不採用でした。

最終的に自らがトランスジェンダーであることを隠し、入社することになりましたが数年後に退社しました。今は理解ある地元企業で勤めています。

当時は、LGBTやトランスジェンダーといった言葉自体がなかった世の中なので本当にいい方向に世界が動いていると感じています。

それだけに、日本女子大学のように歴史もあって規模も大きい大学が率先することによって、その他の大学もそれに続けと動き出すような気がします。

このように、多様な学生を受け入れる大学や企業が『選ばれ、成長していく』のだろうなと思いましたし、大学側も率先して動くべきなのだろうなと考えるきっかけになりました。

■ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた

本書は、ジェンダー研究のゼミに所属する大学生たちが、友人や知人から実際に受けた質問に対して考察・討議・回答したQ&A集です。

【著者:佐藤文香】
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。博士(学術)。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門はジェンダー研究。

「港区女子」や「慶應ボーイ」と言ったりすることが実はジェンダー的に無責任な発言をしているなど、ジェンダーフリーを考えるヒントになりました。ぜひご参考になさってみてください📖

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
Twitterもやっています。@tsubuman8
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