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読書感想文「男と女 恋愛の落とし前」

直木賞作家の唯川恵の新書です。
唯川恵の作品は1冊も読んだことが無かったのですが、直木賞作家の書いた本ならつまらないことはないだろう、ということで読んでみました。

新潮社の売り込みの文言からして刺激的です。

35歳以下、閲覧注意! 男は世間体をとり女は自分をとる。恋愛小説の名手が、大人の恋愛を一刀両断!

肝心の内容なんですが、唯川恵が36歳から74歳までの12名の女性に過去の恋愛遍歴をインタビューするというものです。

ありきたりの内容かな、と思いがちですが、この本の特徴は男性側の話は一切なく、女性の視点で過去の略奪婚やら不倫やら離婚やらの話を女性がインタビューし、厳しめの言葉でぶった斬るのも女性の唯川恵という構図が新しいのです。

男性の私からすると中々強烈な言葉が並んでますし、20代の若い男性が読むと少なからずショックを受けると思います。
まぁ人生色々あるよね、と人生について諦観というか、それなりに酸いも甘いも知った人でないと読むのも辛いでしょう。

誤解を恐れずに言うならですが、恋愛に対する教訓を知る、学ぶというコンセプトで書いたと思われるのですが、その目的は果たせてないというのが正直な感想です。

何せ登場人物が恋愛に人生を狂わされた狂人ばかりなので共感も生まれませんし、唯川恵のぶった斬り方も正論を述べてるつもりかも知れませんが、貴方は何様なんだ、という傲慢さが見え隠れして読み進めていくと辟易してしまいます。
教訓というより、修羅場みたいな恋愛にも自分の気づかない視点があるんだ、という修羅場真っ只中の女性にはオススメできる本なんだろうな、と思います。

読んでいて飽きない。
でも万人には薦められない。
1度読めば読み返すこともない。
ここまで恋愛に執着することは、私には無いんだろう、という視点が得られる。

こんな感想ですね。

でも、私にはここまで恋愛に執着する時期はありませんでしたし、貴重な経験が抜け落ちていたのかも、という疑問が生まれたのは多分いい事なんでしょう。

図書館で借りられる本ですので、もし興味があれば読んでみて下さい。

モヤモヤしますよ。
そしてそれは恋愛に身を焦がす方への嫉妬が原因かも知れません。



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