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儚い短編小説集

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noteひと投稿分の短編小説を書いていきます。 長くてもPart4までにしよう。 私なりの愛の形、生きていくコツなどなど、小説にして言葉を編んでいきます。
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記事一覧

ショートストーリー「愛情」

ショートストーリー「愛情」

僕の名前は駆(かける) 今は21歳
九州の田舎の貧しい家庭に生まれて、親に捨てられて施設で育った。
今はなんと東京の有名大学の大学で弁護士を目指している。

僕は幼い頃から学業が得意だった。
奨学金を利用して中高一貫校へ。
更に某有名国立大学も奨学金制度を利用して入学。
奨学金を楽々返済できるくらい稼げる仕事を選ぼうと弁護士の道へ進んだ。

頭の良さから欲しいものは何でも手に入るようになった。

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私の知らない世界とあなたの知らない世界 Part2

私の知らない世界とあなたの知らない世界 Part2

なんともない日常を過ごしているのに、
あの日は違った。

彼女と出会った日。

工場見学という名の見世物になる日。

ましてや本社の人間なんて、興味無さそうな死んだ目でつまらなさそうにどこを見てるのか分からない目線でこちらを見ている。
これが毎度のこと。

その日はその見世物が更に特別な日だった。

宮城義隆という俺とは別世界の人間の孫娘がやってくる。
工場内では、朝礼の時に工場長から口酸っぱく粗

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私の知らない世界とあなたの知らない世界 Part1

私の知らない世界とあなたの知らない世界 Part1

「れみちゃんは大学を卒業したら、おじいちゃんの会社で事務でもやりなさい。」

私に対しては温厚な祖父だが、経営となると鬼の義隆会長と言われる

義隆おじいちゃんは自動車製造会社の代表取締役会長兼社長だ。

私は、そんなおじいちゃんの直系の孫だ。

父はグループ会社の社長、兄もグループ会社で管理職をやっている。

大学4年の私は大した学も資格もなく、企業にエントリーしては落ちてしまうという風に面接に

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Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ 本当のHappy ending

Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ 本当のHappy ending

Happy ending ~あなたの笑顔が見たかった~ シリーズ

私は4日間くらい、Kくんの幻想にとらわれていた。

あー彼とこんな風に過ごしたかった!
私がこうやっていたらあの人と付き合えたのに!

そう思い詰めて悶々と生きていた。

だが、その煩悩も急に無くなった。

今は、なんで彼のことがそんなにも好きだったんだろう…

彼との思い出も思い出せない。
彼の顔もよく覚えていない。

何故これ

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Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part3

Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part3

それから私は何度も彼と会い、行為に及んだ。

彼はご飯を食べてる時や、
話してる時、
なにか私がドジをしてしまった時とか、
決して笑わなかったのに、

行為中に私の顔を見て、ニコニコと微笑んでいる。

私の顔は、彼を映し出してる鏡なんだろう。
そう理解出来た。

俺が花梨ちゃんを気持ちよくさせてるんだ。

それは単なる空虚な支配欲だと思った。

彼はとにかく、セックスに依存していた。
快楽に溺れ、

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Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part2

Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part2

それから私は次の日に彼に会いお食事を楽しんだ。

すると彼はなんだか照れそうな顔で、ビニール袋に包まれた何かを差し出した。

「これ、花梨さんがやりたいって言っていたゲーム。部屋にあったから持ってきた。返すのはいつでもいいよ。」

それは、私がやりたかったニンテンドー3DSとそこにはいってるドラクエのゲームだった。

「嬉しい!ありがとう!!すぐに遊びたいなぁ!!…でもどこでやればいいのかしら??

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Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part1

Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part1

カーテンの隙間から木漏れ日が差した瞬間、
私は目を覚ました。
私は彼に抱きしめられながら寝ている。
彼は寒がりな私を温めているんだと言ってるんだけれど、実は自分が目が覚めて最初に見えるものが私の笑顔がいいからだ。
私が逃げていかないように、抱きしめているのだ。
それに気づいているよ。

彼は音に敏感だから、私が音を立てるとすぐに起きてしまう。

申し訳ないと思うから彼が目覚めた最初にみえる姿は

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