ちちのめ

2男1女の三つ子をもつ父親です。父親の立場から見た育児記録を書き溜めています

ちちのめ

2男1女の三つ子をもつ父親です。父親の立場から見た育児記録を書き溜めています

マガジン

  • ちちのめ【幼稚園〜卒業まで】

    父親目線での三つ子育児日記 保育園から幼稚園卒業まで

  • ちちのめ【移住後〜発達について】

    父親目線での三つ子育児日記 移住先でのくらしと発達障害の判明、その考察

  • ちちのめ【三つ子の子育て最前線 開始〜移住】

    父親目線での三つ子育児日記 退院後の子育て開始から北海道移住まで

  • ちちのめ【父になるようです〜父になりました】

    父親目線で綴った三つ子の育児日記です。 奥さんの妊娠から出産〜退院までをまとめています。

最近の記事

働き方と生き方

やはり家に居なきゃ、と、気持ちは北海道で落ち着く方に向かっていた。ありがたいことに、この移動の面倒くさいフリーランスと付き合ってくれるクライアントは少数ながらあり、この人達との関係を大事にしながら、北海道での暮らしを探っていくか…と。たまに芋掘りながらでもまぁ良いのかも知れない。方言も少し使えるようになって、やっと北海道の土地にも馴染んできている自分がいた。 そもそもこんな、行ったり来たりの生活をよく今まで続けられたなと思う。自分の部屋をその都度移動させて仕事をするようなも

    • WAIS知能検査

      今回クリニックで受けたのはWAIS-IIIという知能検査で、平たく言うとIQテストである。現在はIVに更新されているらしい。検査は実に2時間近くを要し、苦手な項目も飛ばさずにすすめていくのでかなり疲弊する。逆に得意な項目に関してはどんどん来い!という気持ちで集中して臨んだ。 WAIS-III についての参考記述 [Q&A:発達障害の診断のためにWAIS-III知能検査を受ける意味はなんですか?] https://sunao.clinic/qa/archives/1319

      有料
      100
      • 年中のルーティンとジレンマ

        羽田から飛行機で札幌、そこから夜行バスに一晩揺られて早朝に到着もしくは、札幌から汽車で夕方前に着、この2つが当時の「帰宅ルーティン」だった。後者の場合、そのまま母子の出迎えにまずは幼稚園へ車で向かう。 町立の保育園から寺院の幼稚園へ移ったことで、三つ子を取り巻く環境は少なからず変わった。特に次男の処遇は保育園の時は専任の保育士さんがひとり付いていたのだが、幼稚園ではそうはいかなかった。専任というより、クラスを持たないフリーの保育士さんがどこかしこへフラフラと動き回る次男のこ

        • 幼稚園へ転園

          保育園へ入園して1年、子供達が環境に小慣れてきたのもつかの間に転園が決まった。東の果ての小さな町では待機児童の問題などは無縁だと思っていたが、すこし緩やかになってその波は訪れた。来年度入ってくる児童を受け入れるのに、人数調整が必要とのことだった。当然のごとくゴネはしたものの、場合によっては抽選で兄弟が別々の園に回される可能性がある、と軽い脅しを受けた我々家族は素直(?)に、町内の仏教徒を一手に引き受けている浄土宗系のお寺が町と一緒に管理運営する幼稚園への編入を決めた。お寺の住

        働き方と生き方

        マガジン

        • ちちのめ【幼稚園〜卒業まで】
          4本
          ¥100
        • ちちのめ【移住後〜発達について】
          8本
          ¥100
        • ちちのめ【三つ子の子育て最前線 開始〜移住】
          22本
          ¥100
        • ちちのめ【父になるようです〜父になりました】
          25本
          ¥100

        記事

          好きなら止めない、けれども

          ついに、この日がやってきた。 三つ子たちが生まれた時、オークションで度々出回っていたRhodes MK1 suitscaseを安く入手していた。都内の前オーナーが自宅で持て余していた品で、買い取った時にはトレモロユニットは故障しチューニングばグズグズ、トーンバーはサビにサビまくって外装は所々破れかぶれ。そんな掘り出し物を専門店に持ち込み可能な限りレストアした。 しばらくは自分の仕事で使用していたが、北海道へ引っ越す際に一緒に持ち込んだのだ。少なくとも都内ではもっと状態の良

          好きなら止めない、けれども

          生き写し

          生まれて間もなく、長男の顔立ちは「父親にそっくり」と周りから言われるようになった。最初は「そうか?」と疑ったが、どことなくムスッとした表情、やや受け口気味の大きめの顎、ほっそい目の仏頂面は父親と瓜二つ。不名誉この上ない。 そしてそれは顔だけではなく、やや卑屈な性格と注意欠陥、それでいて何かに集中するとなかなか抜け出てこない、極度の負けず嫌い、寝付きが悪い、などなど。これは父親である自分が自覚しているものとほとんど一緒であった。 ここのところ北海道の家に戻ると、しばしば部屋の

          生き写し

          お前もか。

          手のかかる次男と、直球投手の長女に押されるようにして、どうしても優先順位が後ろへ行きがちの長男。ついに癇癪が出始めた。「なんで僕だけ」という悲痛な叫びが聞こえる。いくぶん身体は大きめの長男は、おもちゃの取り合いも力では勝つことが多いが、そのぶん親には「奪った」と認識されてお叱りの対象となる。最初に危惧した通り、やはり長男の宿命が待っていた。たった1分の差でここまで扱いが違うのだ。これがオリンピックか何かなら、良かったのに。心なしか長男は少し卑屈な感じになってきて、少し暴力的に

          お前もか。

          強情さは誰譲り?

          個性豊かな野郎2人に囲まれて、長女はいくぶん品行方正に育っている。人見知りは少しあるが、少し慣れれば屈託のない笑顔で愛想を振りまく。 3人の中で1番身体は小さいが、精神的な成長はやはり女の子だけに早い。今日も奥さんの言葉をコピーして、長男に向かって説教じみたことを言う。 東京から帰ってすぐ、幼稚園へ3人を迎えに行くと1番にこちらへ駆け寄ってきて、抱っこをせがんで降りようとしない。愛情表現の素直な、可愛げ満点の娘だ。facetimeでも、「いつ帰ってくるの?」「パパの家はここな

          強情さは誰譲り?

          子供にiPad

          相変わらずの出張なのか単身赴任なのか、曖昧な生活。しかし家族と連絡を取る手段はなるべく多く取りたい。ただ電話するだけでは奥さんの負担が大きい、しかし子供の顔は毎日でも見たい。ジレンマである。 そこで、子供用にipadを用意して自分のfacetimeへ気軽に繋ぐことができるようにしてみた。以前はAppleTVを活用していたが、それは既にアニメやヒーロー番組をひたすら流すためのツールになっている。 子供にタブレットを持たせることについての賛否は気にすることではない。昔でいうファ

          子供にiPad

          特性について

          次男の自閉スペクトラムが分かってから、ネットや本で資料をあさる毎日が始まった。東京でも北海道でも変わらない。移動中も関連書籍を読む。 産まれた時、次男は最も自分に顔が似てると感じていた。そして自閉スペクトラムが遺伝する可能性について、数々の資料で述べられている。自分はどうなんだ?という連想に至るのは当然の流れであった。 メンタルクリニック東京に戻ってすぐ、メンタルクリニックで検査を受けてみた。結論からいうと自分の診断結果は軽度のADHD(注意欠如多動性障害)の傾向あり、であ

          特性について

          飛び跳ねる理由

          自閉症について、片っ端から調べ上げる日々が始まった。ASD ADHD サヴァン症候群 カナー型 〜〜〜 うちの次男はいわゆるカナー型らしい。3歳児検診では、精神年齢がおよそ1歳半、身体能力はおよそ2歳、など、いかにも「遅れている」文脈で診断が下りる。精神年齢に関しては、言葉が出ないことがだいぶ診断に影響している様子だった。 義母や義祖母はまだまだ状況を受け入れきれてない様子だった。義祖母はわかりやすく「そんなはずはない、そのうち育つから大丈夫だ」と言い張る。こういう発言は前

          飛び跳ねる理由

          2歳児検診

          年に一度、町の保健センターで定期検診を受ける。2歳児検診である告知を受けた。 「次男くんに自閉的傾向が見受けられます」 長女はやはり言葉が早く、1歳過ぎには2語文を発し、2歳を過ぎる頃にはある程度会話ができるようになった。長男はそれには遅れたが、同じく2歳ごろには言葉を発していた。 次男はNICUにいた頃、体も1番小さく肺の発達も少し遅かった。産まれてすぐ軽い黄疸が出ていて、紫外線照射をしばらく受けていた。そもそも産まれる際に仮死状態であったことは、しばらくして奥さんから

          院内保育から町立保育

          引っ越しだの水回りだの、話が脱線している間に子供達は幼稚園へ入ってしまった。父親がくだらないことにこだわっている間にも子供はすくすく育っていくのだ。 時間を戻して、保育園について少し書いていく。最初は奥さんの勤める病院に併設された院内保育所から始まる。これは保育園というより託児所。他県や都内などでは、託児所を確保するまでにも大きな苦労があるかと思うが、この地域のしかも町立病院勤務ということで、全く困ることはなかった。奥さんの通勤に合わせて院内保育所へ立ち寄り、三つ子たちを預

          院内保育から町立保育

          新居そして保育園

          5人家族の住まいにはやや狭い2LDKの新居。キッチンもしっかり付いているが、その分リビングとスペースの取り合いになっている。今までの成り行きがなければ絶対この家は選ばないだろう。 家を建てるという行為は長期計画だ。少なくとも20年くらいの家族生活を見越して設計するものだと僕は思う。子供が大きくなればそのうち部屋も必要。とくにうちは女の子もいる。少なくとも4LDKくらいの家じゃないと、わざわざローンを組んでまで建てる価値はない。よっぽど快適で長く住めるか、良い資産になるもの以外

          新居そして保育園

          続き

          日記は4年前の出来事から止まっている。その日記を書いたのも四年前ではなく、おそらく一昨年くらい。 もうここを開くことはないかもしれない、と少しだけ思っていた。かなり早い段階で、ブログは非公開にしてただの日記として使い始めた。自分の人生などを文にして公開して何になる、箸にも棒にもかからない人生。他人が読んだ時の反応など想像するだけで少々吐き気がする。ただ、書かずにはいられないから、書いていた。こじれた承認欲求のかたまり。次第にそれを書くのも見るのも辛くなっていって、スマホのペー

          矛盾

          1ヶ月ほど経って幾分生活に慣れてきた時、早くも変化が訪れる。 仕事で東京や札幌へ呼ばれることが増えてきたのだ。 やや久しぶりに家を数日空けることになったが、以前の単身赴任とは違ってこれはただの出張。ほんの数日経てば、また子供たちに会えるのだ。何のことはない。 何より、これは子供や奥さん、はたまた親戚たちに自分がやっている仕事を伝えるのにはこれ以上ない話だった。関わっている案件が時折、プロモーションでテレビやメディアに露出し始めていた。実際の売上や収入は置いておいても、メディ