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Well-beingなCoordinatorたちに聞く VOL.6

みなさん、こんにちは。DAEのMasaeです。

DAEが運営する、脳とウェルビーイングを深め合うコミュニティ Well-being Community講座(通称WBC)。

そのWBCで学び、Well-being Coordinator(※)として活躍していらっしゃるみなさまをご紹介するシリーズ!

「Well-beingなCoordinatorたちに聞く〜第6弾〜」のご紹介でございます!!

※Well-being Coordinatorとは、Well-being Community講座を受講し、認定に必要な条件を満たしていただいたDAEの仲間たちのことです。

今回は、WBC第1期Coordinatorのやまがたてるえさんにお話しを伺いました。


てるえさんは北海道小樽市出身・千葉県松戸市在住、10代の2人の娘さんをもつお母さんであり、助産師・カウンセラー・物書き・ママキュア(!?)・夫大好きクラブ会員(!?)などなど、たくさんの顔をもった方でもあります。
会話のなかで、初めて耳にするようなユニークなキーワードを生み出し、楽しそうにちりばめては笑う姿は、さながら少女のよう。コミュニケーションにもご自身の学びのあり方にも、ドーパミンドリブンを感じさせてくれるてるえさんの魅力を、ご自身の人生のターニングポイント、そしてDAEとの出会いのきっかけなどをたどりながら、たっぷりと味わっていきたいと思います✨


「自分のことを大切にできる子育て」のサポートを

職業:やまがたてるえ

──てるえさんは助産師であり、地域での子育て支援や教育委員としての活動や、産後や性教育に関する執筆・講演活動など、さまざまなことをされていらっしゃっていて、お仕事ひとつとっても、一言でご紹介するのが難しいと感じております。

てるえさん:ええ、もう何屋かわからない感じで(笑)。

──というわけで、勝手に図にまとめてみました!(笑)。


てるえさんのキーワードをずらり。


──ママキュアとか夫大好きクラブとか、ものすごく気になるワードも出てくるんですが、これ、絶対おもしろいやつですよね。てるえさんがユニークなのは知っています(笑)。そしてバラエティに富んでいますね!

てるえさん:楽しいなぁと思うこと、思いついたらやっちゃうんですよね(笑)。ママキュアは助産師仲間で組んだチームでイベントをやっていて、毎度爆笑が湧き起こるほど、ファンもついてるちょっとした人気イベントなんですよね。(※詳しくは記事最後に!)
自分でも、こういう職業ですってお伝えできないくらいいろんなことをやっているので、今は「やまがたてるえ」という職業で、それが自分の仕事なんだという意識で活動しています。

──新しい職業観にワクワクします。その多岐にわたる「やまがたてるえ」を網羅的に見ていくと、形は変われど「子育て」というキーワードですべて繋がっているんですね。

てるえさん:そうですね。もともと助産師になったのも、「お母さん」のサポートがしたいと思ったのがきっかけでした。看護師をめざしていた学生の頃、姉の里帰り出産をとおして「母親になる瞬間」を側で見たんです。そのとき、「親になるって、こんなにも大変なことなのか」と衝撃を受けました。葛藤する姉の姿を見て、寄り添ってサポートできる人になりたいと思いました。だから分娩介助、正常分娩、健康な妊婦さんの出産ケアに特化している助産師になろう。それがスタートでした。

──ご家族の出産というすごく身近な体験が、今につながる強い記憶として、てるえさんのなかに刻まれたのですね。助産師の道から、どのようにして現在の多岐にわたる活動へと広がっていったのでしょうか?

てるえさん:助産師として北海道の臨床現場に5年いたのですが、結婚・出産を機に、千葉県松戸市に引越しました。そこで自分の子育てをしながら、地域の子育て支援にも少しずつ携わらせていただいたんです。ピア・エデュケーション(※)的なスタートでしたが、「もっと学びたい」、「もっと深めたい」と学びながら続けるうちに、いろんな出会いに恵まれて、広がってきた感覚があります。
たとえば執筆活動なんかは、子育て支援に関わり始めた頃に受けていたコーチングがきっかけでした。当時、私のコーチングの先生のご著書が出版された際、本の中に私の言葉がちょっとだけ載ったんです。もともと言葉を綴るのは好きでブログを書き続けていたんですが、その本のプロデューサーの方にメールを送ったら、「こんな企画があるけど書きませんか?」ってお声がけいただいて。全く無名なのに!もう宝くじに当たるよりも稀なご縁をいただきました。自分の子育ての経験から「メンタルケア」をテーマにして、書くことを生涯のライフワークにしようと思いました。

※ピア・エデュケーション
peer =仲間 education=教育、ある課題を解決するために必要な知識、技術や行動についての、対象者にとって身近な存在であるものによる教育である。学習形態のひとつ。同世代の仲間や先輩など、学習者にとって身近な人物を教育者とすることで、興味・関心を高めることができる。

── それはすごいご縁ですね!私もご著書を数冊拝読したのですが、漫画仕立てだったりQ&Aも豊富で子どもにもわかりやすいですし、何より「愛」が感じられました。

てるえさん:今までに性教育の本、産後の本、女性の体の本など書かせていただいていていますが、どの本も「自分を大切にすることができる」ことを絶対に軸としてぶらさないように決めています。


てるえさんのご著書のうち2冊をご紹介💡
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孤独な子育ての経験と、内側の変化

── てるえさんがいろいろな活動をとおして、メンタルケアをテーマに「自分を大切にする」というメッセージを発信し続けるきっかけとなったのが、ご自身の子育て経験だったと仰っていましたが、どんなご経験がてるえさんの芯となっているのでしょうか?

てるえさん:一人目の子育てが始まったとき、ものすごく辛かったんですよ。当時、帝王切開の出産で喪失感のようなものを感じていました。さらに、引っ越したばかりの新しい土地に馴染めず、友達も頼れる人もいない状態で、本当に孤独な子育てでした。それなのに、パートナーや身近な人には「大丈夫、大丈夫」と言って表面的に良く見せている自分がいて。心と裏腹の行動で、自ら孤独になっていたように思います。
そんな日々を続けていたら、ストレスで過換気発作(過呼吸症)を起こしたんです。どうしようもなく救急車を呼ぶほどの発作だったのですが、そこでやっと、「ああ、私はこんなにメンタルが弱ってしまうほど、一人で頑張りすぎていたんだな」と気づきました
当時の自分は、周りにまったく心を開かず、内にこもっていたんです。本当に孤独でつらかった。それは、自分の内側の問題だったんですよね。そのときの経験が、今の私の原点です。

── ありがとうございます。とても辛い日々だったろうなと、私も子育て経験があるので、「お母さんの孤独」には共感しています。
その、自分の内側にこもった状態から、どのような変化があって、外に向けての活動へと発展していったのでしょうか?

てるえさん:2人目の出産で、人生がガラッと変わりました。子どもが増えて忙しくなったら、逆に気持ちが楽になったんですよ。こっちのオムツを替え、次はそっちのお世話をして、というバタバタ加減を俯瞰して、「自分必死だな〜」と笑えることも増えました。
思い詰めてしまうと「ちょっと変だな?」と感じるような自分に、知らぬ間になっている。そんな自分への気づきが、子育てと「心」について、何か鍵があるな、もっと知りたいな、という気持ちにつながり、外へ足を向かわせてくれました
子育て支援に関わり始めてから15年以上経ちますが、「まだまだ学び足りない!」と感じることばかり。それでも、日々いろいろなことを学ばせていただきながら、カウンセリングも、教育委員としても、たくさんのご縁に恵まれて活動が広がっていることが、本当に有り難いなぁと心から感じています。


脳との出会い

まさに「脳が変わる」を体験

── てるえさんの素敵だなと感じる魅力のひとつに、本当に学びに熱心なところがあるなと感じています。ご自身の経験から得た「これ、なんだろう?」という気づきを、それを紐解くヒントとなる学びのインプット。そしてそれを咀嚼し、自分の言葉にしてアウトプットする。そうやって深掘りし続けているんだなぁと。その道中に、DAEも関わらせていただき光栄です。てるえさんは、2019年の千代田区立麹町中学校の校内研修のときからご参加いただいていたんですよね?

てるえさん:はい。研修は教職員の方だけではなく、保護者や一般の参加者も募集していて、友人から「一緒に参加しようよ!」って誘われたんです。私も麹町中学校の取り組みにすごく興味を持っていたので、二つ返事で参加を決めました。
1年間の研修のなかで、いろいろな学校の先生方とお互いの実践や学びのお話しをさせていただいたことも、青砥さんの脳科学のお話しも、ものすごく楽しかった!納得感も強かったですし、何より自分が変化していくのがわかったんです。「これはもっと学び続けたい!」、そう思ってWBCに参加することにしました。

──麹町中学校の校内研修、そしてWBCとご参加されて、てるえさんのなかでどんな変化があったんでしょうか?

てるえさん:まず何より、自分のハッピーを記録していくハピディテ(※)を継続することで、私自身のメンタルが以前と比べて明らかに強くなりました。日々感じたハッピーを、私はポエム調にアウトプットしているんですが、それをコツコツ積み重ねることへの喜びを感じましたし、積み重ねたものが確信に変わる感覚というものを掴めたんですよね。DAEさんから学んだ「Use it or lose it」(※)って、こういうことだなって。そうした自分の中の変化に、不思議と周りも気づくんですよね。変化し、自分の一部となったものが説明もなしに伝播していくことが、本当におもしろいなぁと。

※ハピディテ
=Let's ignite your happy detecting brain!(ハッピー検知脳を発火させよう)という、DAEオリジナルのポジティブ(ハッピー)探しの習慣化アクティビティ

Use it or lose it「使われれば結びつき、使わなければ失う」
神経科学の大事な原則のひとつ。神経細胞を使えば使うほど、その結び目であるシナプスは強固になるが、逆に使わなければ失われてしまう。エネルギーの大食漢である脳は、消費を抑えるために使っていないシナプスを刈り込んでいく(プルーニング)システムを持っている。

てるえさん:それにWBCに参加してみて感じたのは、とにかく心理的安全性がものすごく高いコミュニティだということ。みんなで、みんなにとっての心理的安全な場を育んでいるんです。それに、科学的な根拠をベースにしているので、地に足をつけて安心して受けられるということが、私にとってものすごく大きかったですね。
今まで世の中にあるセミナーをいろいろと受けてきましたが、その中でも、WBCは一過性ではなく、恒久性がとても高いように感じています。この学びは、心の安定がとにかく大事な産前産後やマタニティ期の親御さんたちにインストールされたら素晴らしいなぁと心から思うんです。生涯に渡って自分のシナプスを育てていくということが、メンタルケアにおいても大きな軸になるように思います。

── まさに、ご自身のWell-beingの育みを体験していただいて嬉しいです。恒久性が高いというのも、自分の内側と向き合い、育み、それをじっくりと進化させていっているからこそ、持続していくものだなぁと。

てるえさん:そうなんです。学びとなる講義を聞いて終わるのではなく、実践して、自分自身の脳に定着させていく。強い記憶をつくっていく。なんだか、家の土台づくりというか、地盤工事というか。むしろ土壌改良をしているような感じ。それを青砥さんに教えてもらって、まさに「脳が変わる」体験をさせていただいている。この体験を誰かに届けていきたいという気持ちが高まりました。


「ケアをする人」たちに伝えたいこと

──脳との出会いから、てるえさんのなかでさらに膨らんでいったことや、これから深掘りしていきたいと思っていることはありますか?

てるえさん:まずひとつは、私が大事な軸としてもっている「自分を大切にすること」をもっと多くの人に伝えていきたいです。自分を大切にすると言っても、じゃあ具体的にどうしたらいいんだろう?というところが、脳のことを学ぶなかで、自分自身の理解が実感を伴って進みました。それこそ、自分自身のハッピーにフォーカスしながら物事を見たりとか、感謝や謙虚さにもちゃんとフィードバックがあることだとかを、どんどん人に届けていきたい。そういう思いが私の中で広がったと感じています。その広がりとともに、特に、ケアをする人たちに届けたいという気持ちが強まっています。

──ケアギバー、ケア提供者ということですね。

てるえさん:はい。今、燃え尽き症候群という言葉も多く聞かれますが、職場でも対人関係の悩みは多いと思うんです。ケアをする人たちが多い職場、たとえば医療現場では、人命を扱うがゆえの危険性を伴いながら、常に心理的危険な環境で仕事をしていて、それゆえに、対人関係にもネガティビティバイアスが強い傾向にあります。仕事柄仕方がない部分もあるけれど、でもそこで働く方々が、心理的安全な状態になって、柔軟に、ハッピーな脳の使い方を知っていたら、と思うことが多々あります。DAEのみなさんやWBCに参加している方々は、心理的危険な環境でも、自ら心理的安全状態をつくる力を育んでいて、ポジティブな側面を容易に見出すことができたり、人間関係のトラブルからも学びを得たりするじゃないですか。そういうスキルを、医療現場にも広めていきたい。「ケアする人こそ幸せであれ」と強く感じているんです。

てるえさんの講座の様子

──お仕事柄、日々ちょっとしたエラーを察知する神経が研ぎ澄まされているからこそ、自分の内側のケアをする余白がないのかもしれませんね。医療従事者の方々もそうですし、お子さんのケアに注意を向けているお母さん方にも、心理的安全な状態で自分の癒しや豊かさに意識を向ける余白がとても大切に思います。

てるえさん:そうなんです。それを、今頑張っているお母さんのケアをする人たちに届けたい。自分にとって安心安全でポジティブな人がそばにいると、そういうサポートのあり方が増えることで、その先にいるお母さん、赤ちゃん、お父さんたちの笑顔につながると思うんです。そのために、もっと自分自身の学びも深めていきたいなと思っています。




TERUE's HAPPY MOMENTS

<ここからは、てるえさんのハッピーモーメントたちをちょっぴりご紹介させていただきます。みなさまにも、ハッピーのおすそわけをどうぞ!>


▶️活動その1 「ママの悩みをサクッと解決、ママキュア!」

 冒頭で少し触れましたが、てるえさんの活動のなかで、私が一番気になった活動NO.1が、この「ママキュア」
 アニメ「プリキュア」から着想を得て、助産師・看護師さん5人でチームを組み、出産・育児などに関する質問にお答えする「ママの悩みをサクッと解決、ママキュア!」というチャリティイベントなのだとか。HUGっと!ならぬ、サクッと!
 しかも、一人ひとりキュアレッドとかキュアブルーとか名前がついていて、スターバックスコーヒーが大好きなてるえさんは「スタバグリーン」だそうです(笑)。楽しそう〜なイベントの様子はてるえさんのnoteにも記事が上がっているので、気になる方は下記リンクより🎶


▶️活動その2 「#夫大好きクラブ」

 今回お話しを伺いながら、私が個人的に「素敵だなぁ〜」と感じたことのひとつに、SNSを投稿する際に #夫大好きクラブ というハッシュタグをつけるという活動がありました。
 家族が好きで、ご主人が大好きと公言するてるえさん。世の中に「愛妻家」や「愛妻弁当」という言葉があるのに、「夫が大好きなことを表す言葉がないのはなぜ!?」と疑問に思っていたときに、お友達のSNS投稿についたハッシュタグ #夫大好きクラブ を見て、「これだ!」と始めたそうです。
 とってもほっこりするハッシュタグに、ハッピーのおすそわけ✨ ご主人大好きなみなさま、真似したい方、大歓迎ですよ!


▶️大好きなコーヒー♡

 コーヒーが大好きなてるえさん。「スタバ」でおなじみのスターバックスコーヒーは、ハッピーを誘う空間だと教えてくれました。

「スタバは、空間というか、リラックスを売っている場所だと思うんです。おいしいコーヒーと一緒に、安心安全とか居心地の良さを提供してくれる。私にとってのトリガーなんです。私の脳のモードには【スタバ=原稿書く】とか【スタバ=仕事する】とか【スタバ=楽しい】とか、そういうのが全部詰まって、記憶として書き込まれているんだと思います」

 なんだかスタバでコーヒーが飲みたくなってきました🎶
てるえさんに共有いただいた、ハッピータイムのドリップコーヒーのお写真をシェア📷 視覚と嗅覚に幸せが漂ってきそうです♡


ウェルビーイングとは?

自分の内側に 「幸せの青い鳥」 を

──最後に、この記事を読んでいただいているみなさんにメッセージをお願いいたします。

てるえさん:
今そこにあるものに「気づく」だけで、世界は変わる
と思うんです。
外での出来事が問題だとか、外での出来事が自分を幸せにするのではなくて、自分の内側の静寂が何を感じるのか?ということが、自分自身のウェルビーイングに直結していると思います。そのなかで、一瞬一瞬にパッと広がる花火のようなハッピーを味わって、それをずっと持ち続けていられる青い鳥を、自分の内側に飼って、大事に育てていくことで、安心して自分のウェルビーイングを育てることができるなぁって、日々思います。

「ゲストハウス」という素敵な詩があるのですが、私はその詩を、自分の内側で自分の感情を受け入れる指標にしています
みなさんがそれぞれの青い鳥を愛でていられることを祈って、最後にこの詩をプレゼントさせていただけたらと思います。

「The Guest House」 by Jalaluddin Rumi

日本語訳は、こちらのページでご紹介されているものを拝借。ペルシャ語原文も紹介されていました!




てるえさん、お話しを聞かせていただきありがとうございます!

とってもユニークで、勉強家のてるえさん。ご自身の学びを、自分の言葉で、おもしろおかしく、かつ温かくて心に残るメッセージとして伝えていらっしゃるお姿に、私たちDAEも、いつもいつも学ばせていただいております。

今回、てるえさんの魅力をぎゅぎゅぎゅーっと詰め込んだボリューム感でインタビューをお届けさせていただきましたが、みなさま、何かを感じていただきながらお読みいただけたなら幸いです💕

てるえさんとのご縁に、心からの感謝を。
そして、これからこのご縁が広がり、新たに出会うことのできるみなさま。
そのときを楽しみにしております✨

みなさまとともに、Well-beingを育みあっていけたら幸いです。