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織部
2023年8月25日 07:08
「薬を下さい」 窶れた背の高い男性が私を見下ろしながら言う。 私は、箸を止めて男を見上げる。「いらっしゃい」 私は、思い切り輝いた営業スマイルを浮かべる。 楽しみを奪われた不平不満なんて決して出しはしない。 私の笑みに釣られて彼も小さく笑う。 彼は、先ほどの女性同様に私の商売の常連だ。しかしその顔は、私の知る彼の顔よりも採掘機で彫られたのではないかと思うほど、頬の肉が削れ、小麦粉でも