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朝の雨は眠気を飛ばしてくれない。今日も、本が届く。

起き抜けの雨音は朝の表情から爽やかさを奪う。
もう一度眠れたらどんないい夢を見られるか、後ろ髪を引かれながら準備をして外に出る。

どうせ夢なんか見てる暇はない、と合理化しながら車を走らせて介護事業所で講師になりたい若者と向き合う。

少しずつ成長する23歳は、学習する楽しさと広がる可能性を意識的にか無意識的にか感じているようだった。
そして帰り際、彼が紙袋を取り出した。
中にはぎっしり詰まった本。

「小説でもいいですか?中学の頃に読んでいた本も入れてあります」

大きな感謝を伝え、必ず大切に使わせていただくことを約束する。
手応えのある90分を過ごした後、次の目的地へ向かう中で届いた1通のLINE。

「渋谷の○○さんから本が届いた、それとソフトバンクから封書も」

封書が届いたことには目が向かず、本が届いた事実に記憶が反応した。

先日、コトラボのGmailに東京の方から「本を寄付したい」と連絡が届いていた。
連日の寄贈。
また道端文庫の本棚が潤うと同時に、県外からまで本が届く事実に感謝と驚きが重なる。

早速車を停め、お礼のメールを打つ。
お世辞にも資金力があるとはいえないNPOにとって、次々届く本は全てが宝物のような財産で、可能性に満ちている(と信じている)道端文庫の扉を大きく開いてくれる。

さぁ、この本たちが仙台に来たことを後悔しないように、本に失礼のないように。

#コラム #エッセイ #本 #コトラボ #おしゃれ #文庫 #道端文庫

#デザイン #まちづくり #地域

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