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屋外エリアの一角にあるコーヒーショップに、私から誘った。平日の昼と夜の狭間の時刻だから…
店長に面談の時間を作ってもらって、池袋の駅前にある喫茶店で待ち合わせた。私は同意書のこ…
ニュースの見出しが関東地方の梅雨入りを告げた。去年までとは違い、そっと髪に指を通すと気…
アルバイトで貯めたお金を使って、縮毛矯正をかけた。 中学生のとき母に「やってみたい」…
オープンの時間から店長が来るのはめずらしいことだった。いつも似たようなスウェットシャツ…
ガンコな癖毛をなだめすかすのが私の日課だ。根気がいる。毎晩ただでさえ憂鬱なのに、あの笑…
ブルースノウ・ドームは深い海の底につながるカフェ 私たちはちいさなガラスのかけら カフェに迷い込んだ人間様と交流しながら心を磨いて いつか宝石のようにキラキラ輝くのが夢ーーー 「人間様1名様ごあんないです。ようこそ、ブルースノウ・ドームへ」 「ようこそー」 うちの店ではお客さんのことを『人間様』と呼ぶ。他にいくらでもそれっぽいのがありそうなものだけど、店長のこだわりらしい。私はいま17歳だ。この春から池袋のコンセプトメイドカフェで働きはじめた。 その日いたのは私と
ぼくの人生を君に捧げよう。 ぼくがこの世でいちばん愛する人。 この愛をすべて君に捧げよう。…
大層いい女だった。名前は真紀といった。派手さはないがさっぱりと品の良い身なりで、柔和な笑…
リリは顔だけめっちゃいい男の浮気相手を三人掛け持ちしてる。そいつら三人の誰もつかまらない…
おおむね遊び尽くし、残るは線香花火のみとなったところで一旦休憩にした。飲み物を手に、並…
二十分も走ると大きな公園に出た。ランニングコースがぐるりと囲んでいて、地域のランナーや…
羽虫よ。 おまえはこの世界に属している。私はずっとこの世界と戦ってる気でいたから、昨…
山間にある工場に勤めてもうすぐ一年になる。世間はお盆休みが近く、今日も最高気温が35℃を超えた。 「ジュンペイ、昼行ってきな」 「はい!」 入社したとき先輩に同じ苗字がふたりもいたので、自然とみんな下の名前でおれを呼んだ。 食堂で弁当を食べ、紙コップで冷たい緑茶を飲みながら窓の外を見た。裏手の地面にくっきりと濃い影が落ちている。 「なんだあれ」 「どした?」同僚が尋ねた。 おれは外を指さす。「ほら…あれ?」 何もなかった。陽炎でも出てたんだろうか。 仕事を終えて帰宅する。ア