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現代長歌

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「現代長歌」
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2022年5月の記事一覧

とーきょーの街並み

【自由詩】

 脳が脳を見つめる
 舌が舌に争う
 耳は聞こえないものを聞き
 目は見えないものを見る

 脳が脳を見つめる
 走る足は大地を確かめ
 風は頬を過ぎてゆく
 汗は天に争うことができず
 額から汗は滴り落ちる

 ユジオンの黒髪
 踊るロックスター
 とーきょーの街並み

 脳が脳を見つめる

批評が怖い

自己愛高めだから
なおさら怖い

『日輪の沈黙』よりも
蓮沼明という歌人への批評が怖い

基本的に作者と作中主体は
ほぼ切り離しているが
実景として読まれたら困る

批評が怖い

だから、歌会が怖い

『日輪の沈黙』は
批評に耐えられるだろうか?

直喩って暴力的だと思う。
その遠近に関わらず作者の
喩感を押し付ける。
その分、暗喩は、
作者から離れているから
読者に委ねられる。
その分、読者の喩感が貧弱だと
作者の喩感も弱いものとされてしまう。
ただ、直喩の遠いものは
喩感の強制という
荒技ができる。
もはや直喩は暴力だ

八日目の割礼【呼吸】

【・は呼吸を表す】

「この世で・最も美しいのは・何ですか?・」「新たな命が・息をする」・
――産声にある・
「それでも、・愛されたの・でしょうか?」・捨てられた・子である僕は・
自らに・問うかの如く・聞いていた。・両親であった、・いや今も・両親である・
父母は・哀しむように・「――お前は私・たちの子だ。・昔から・そして今もだ」・
飢えている・愛が叫び出す。・この世で独り・似ない父母の・愛こそが

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八日目の割礼

「この世で最も美しいのは何ですか?」「新たな命が息をする」
――産声にある
「それでも、愛されたのでしょうか?」捨てられた子である僕は
自らに問うかの如く聞いていた。両親であった、いや今も両親である
父母は哀しむように「――お前は私たちの子だ。昔からそして今もだ」
飢えている愛が叫び出す。この世で独り似ない父母の愛こそが
最も貴くそれ故に最も残酷で「――昔からそして今もだ」
その愛が大きくて怖い「

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