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州民請求「交通シフト・ヘッセン」署名提出までの道のり #1

5月1日、日曜日。ドイツはメーデーの祝日で、各地で労働者の権利を訴えるデモから政党集会まで色んなイベントが開催される日だ。ちなみにドイツに振替休日というコンセプトは存在しないので、翌月曜日は通常営業日である。フランクフルトでは1962年より開催されるスポーツバイクレースの日でもある。参加中の州民請求「交通シフト・ヘッセン」がその人出の多いイベントで署名集めをするというので、オッフェンバッハから5名で自転車で駆けつけた。そのドイツの直接民主主義が進行する様子と8月末に署名を提出するまでのこれからを綴っていきたい。

ドイツで最も高いビルの間の自転車レーンを走り旧オペラ座へ
隣街オッフェンバッハからここまではマイン川沿いを走って8kmほど

"参加中の州民請求"というのは、コアメンバーとして参加した住民請求「自転車都市決議・オッフェンバッハ」がサポートイニシアチブの一部だからである。「自転車都市決議・オッフェンバッハ」は、昨年2021年10月7日木曜日に1年以上かけて集めた署名を市議会に提出した。その週末に行われた森林伐採とアウトバーン延伸に反対する自転車デモでは、同年9月に満を時して署名活動を開始した「交通シフト・ヘッセン」のTシャツをもらってしまった。長丁場の市レベルの直接民主主義プロセスの一つをやり終えたところですぐ次に動ける気力はなかったが、「交通シフト・ヘッセン」の署名提出まであと4ヶ月を切った。コロナが下火になり、ラストスパート段階に入ったところで加勢しようという心境である。

なお、気候環境負荷の低い移動手段の強化・改善を訴える署名活動はこれが3度目、州レベルが2度目になる。いい加減にもうこの手の時間を過ごすのは最後にしたい。気候危機に加担し道路交通の犠牲と責任に向き合わない人々がその仕事中に金稼ぎをするのに対し、この"労働"はあまりにフェアではないのだ。私がこの一連の活動にどハマりしたのもジェンダー不平等な社会が強く関係する。そもそも3度も同じヴィジョンの州民請求・住民請求に関わるなんて、ドイツ国籍者でも数えられるほどしかいないだろう。そんな"We"の活動のなかの、どのレベルの請求にも公式な署名権を有しない"I"=私(女性)目線の話をしたい。同じ目線を持つ人は2013年以後知るこの市民界隈で皆無である。会ったことがあるという人がいれば是非ご紹介いただきたい。

誰でも無料でレンタルできるカーゴバイクでつくる即席署名スタンド
オンライン請願と異なり、ドイツの直接民主主義は紙署名が必須である

5月1日の様子を綴るまでの前提である程度の文字になってしまった。#2に続きます!よければお付き合いくださいね。

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